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大英帝国の幻ROLLS-ROYCE20/25 

2011-05-30 17:08:04 | お知らせ
大英帝国の幻ROLLS-ROYCE20/25 その5

時間がある様でなく、中々ブログアップが出来ませんでした・・・言い訳ですが!

前回はフロントシートバックレストの作業でしたので、今回は座面の部分の製作をご紹介させて頂きます。
この時代の車のサスペンションはリーフスプリングでしたので、路面の衝撃がシートに伝わる様な構造でした。
そこで先人たちはダブルクッションなる物を考案したのです。

ダブルクッションとは簡単に説明しますとスプリングベットの2段重ねみたいな物で、
ベースのスプリングシートの上に少し軟らかめのスプリングシートを重ねる方法です。


このベーススプリングの周りを麻布で縫い込みます。そのサイド周りに長い袋状の布の中に
ホースヘアーを入れた物を麻布の上から縫い込みます。
最後に表皮部分にあたるサイドにコノリレザーを手縫いで縫い込みますが、
長く湾曲した特殊な針で一目ずつ差し込み縫いをいたします。
全周を縫い終わる頃には親指が反り返ってしまうのです。

これでベースシートは終わりですが、その上にトップシートを製作しなくては完成になりません。
これがトップシートを剥がした現状写真です。


ホースヘアーを取り除くとこの様な状態です。

コーンスプリングも長年の使用で、可也ヘタリが確認されますので再使用は諦め、新たに製作しました。
基本的に昔の姿を再現するのが目的ですので同じ手法で復元します。

これが次のようになります。

サイドに巻いてあるのが筒状にしたホースヘアーで今風に言うとサイドサポート…手処ですか?
この上面ににクッションになる馬の毛(ホースヘアーを前面に敷きます。
残念ながら写真を撮るのを忘れましたので、画像は有りませんが。
この上に前回のバックレストの時にご説明させて頂きましたのと同じ手法で表皮を製作し装着いたします。

因みにバックレスト製作時の説明です・・・写真に一本一本リブ上の物がありますが、実は右から左の
リブまで一枚革で出来ていますので、皮目がすべて繋がっています
この手法は非常に贅沢で、最上無レザーでなければ傷が目立つ様になります。

このリブの中身は綿ですが、高価になりますが密度が濃く重いインド綿が一番適しています。


出来上がりました座面とバックレストを合体し完成になります。



この時代のシートは接着剤は一切使用しておりません、すべて縫いと釘で止めてあります。
現在色々な化学物質を使用して自動車内装は出来てますので、にアレルギー反応が問題んになっていますね。
その意味では全て自然界にある物で出来ているこの時代の車は人に優しいのかもしれませんね。

このブログは、自動車メーカーの方及び自動車評論家と言われる方々に是非読んで頂きたいと思い
綴らせて頂いております。

これが現代自動車につながるルーツのシートの製作方法ですが、実際に目で見る機会は皆無のはずですので、
是非頭の片隅にでも置いて頂けましたら光栄です。


ではまた次回

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