沖縄での一人暮らし

延べ8年間、沖縄で一人暮らしをしました。歴史・自然・文化を伝えます。

ロンドンの景観規制と三菱地所(セントポール大聖堂)

2023-09-28 | 欧州
「ロンドン中心部、シティ・オブ・ロンドン(特別自治区:シティと呼ばれる)は、中世の時代から世界金融の中心地。ロンドン証券取引所の建物を、三菱地所がやってくれた。日本人として嬉しい。」と現地に住むガイドさん。
 
思い出した。都市計画で重要なセントポール大聖堂に行かなくては、と思った。
 
1 セントポール大聖堂の景観を守るための規制
1710年に再建後、1962年まで、英国国教会のセントポール大聖堂(高さ111m)は、シティで最も高い建物で、シンボルだった。
ロンドン建築法は、セントポール大聖堂が見えるように、新たな建物の高さは10階建て以下に規制した。
しかし、一律の高さ規制は都市の発展を妨げるため、1938年、著名な場所から大聖堂の景観を守る規制に切替えられた。
 
その1)大聖堂ドームが見える高さに規制
テムズ川河畔などからドームが見えるよう、規制区域内の格子点(赤点)毎に限界高を設定。ミレニアムブリッジ近くでは27mが上限。
その2)眺望回廊(ビューイング・コリドー)など
シティ外の著名な眺望点(①~⑧)から、大聖堂が見えるよう、回廊状に制限区域を設定。
制限区域内での建築計画申請が、景観に悪影響を与えないか、シティは周辺自治体と調整。
図の1~5の建物は、調整。
ネットで検索すると、こんな感じ。
高層ビル群や三角錐のザ・シャードは、コリドーから外れた場所に建設されていた。
日本は、借景など、眺望景観を大事にする文化はあるが、規制することが難しく、都市計画や景観計画には生かされていないようだ。
 
2 三菱地所の再開発計画(パタノスター・スクエア・プロジェクト)
セントポール大聖堂に隣接した北側エリア(英国国教会の所有地)は、1960年代に建てられたビルが老朽化し、再開発が必要だったが、複雑な権利関係と大聖堂の隣というセンシティブな場所のため、長らく手つかずだった。
英国と米国の大手デベロッパーが共同事業で計画を進めたが、頓挫したため、その持分を買取り、三菱地所が単独で再開発事業に取り組むこととなった。ゴールドマンサックス、ロンドン証券取引所など、地上8階建ての建物

1990年に事業に参画し、マスタープランナーの任命、開発プランの見直し、ビル毎に設計者任命、変更案に基づく開発許可申請、開発許可を得て解体工事、インフラ・ビル工事着手、2003年ビル竣工、引渡
初進出のロンドンで米英企業が断念した難しい事業を見事にやってのけたことが、現地の日本人の誇りとなったのだと思う。
西側から見たところ。

再開発事業で作られたパタノスター・スクエア(広場)とロンドン証券取引所。
反対側から見たところ。写真はグーグル。
パタノスタースクエアは、隣にセントポール大聖堂があるため、高さ8階建ての中層ビル。
その後、成功を受け、2023年には英国では7件目の51階建てのオフィスビルをシティに完成。
また、英国子会社は欧州事業の拠点となっている。


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2 コメント

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Unknown (フーミン)
2023-09-28 18:56:10
こんばんは。
三菱地所頑張っているんですね。日本企業の活躍は嬉しいですね。以前株持っていましたが手放しちゃいましたが😅
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フーミンさんへ (forever-green)
2023-09-28 22:21:12
ありがとうございます。

三菱地所、頑張ってますよ。
最近は、PBR1倍割れを回避すべく、配当を増やす努力していますね。
これからも期待ですよ(^_^;)
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