蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

つゆ (5)

2006-07-13 | つゆ 薬味 他
次は、返しである。この返しも余分なものは使わない。醤油とみりんである。ほんの少しの塩を使うことはある。糖類は氷糖蜜であれ何であれ、基本的には使わない。

醤油の体積量に対して、みりんの量はそれよりも少し減らす。醤油とみりんの性質によってそれらの割合は調節する。それにしても、みりんの量が余りにも多いのに納得しない向きもあろう。
まず、みりんに火をかけアルコール分をとばす。以前には、上にも火を入れたがそれはやらない。鍋の縁に焦げつきができ、焦げ臭が残ることがあるからである。みりんを煮切ったら、醤油を加え、よく指摘されることであるが、沸騰させないうちに火を止める。

返しとだしは、使用する当日の朝合わせる。合わせる割合は、返し1に対してだしが3弱の割合である。
こうして、蕎麦つゆはできあがるが、いいつゆにする上で決定的に重要なのが、この後で、湯煎をするか否かである。じっくり湯煎すると実にいいつゆになる。ただし、湯煎をする場合には、返しに対してだしの量を少し多くしておくことである。忙しくて湯煎ができない場合には、返しとだしを合わせたつゆを、特に弱くした火にしばらくかけておく。こうすると湯煎したほどではないが、つゆは確実によくなる。

これで「つゆ」の項は終了である。日本料理から学んだ鰹節のだしのとり方と湯煎をすることの2点で、伝統的な蕎麦のつゆとは全く異なる蕎麦つゆができあがる。ここに、蕎麦とつゆの新しい出会いが可能となるのである。

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