おそらくは散る花を十分に愛でた後、春の若い葉を吹き初める夢を見つつ旅立たれたのでは、と勝手に美しい想像をしています。そうでないと、悲し過ぎます…
私の音楽活動上の極めて親しい方がまたお1人永眠されました。もう十数年の長いお付き合いをさせて頂いていた、草笛配達人、又の名をLeafmanこと菅間忠男さんが、4/25亡くなられたのです。ご自身のブログ「一葉無限」とリンクさせて頂いていたこともあり、私のこのブログでは一番多くコメントを下さいました。
29日お通夜、30日告別式と参列して参りましたが、労働省という固いお役所に勤務されつつ、優秀な頭脳、融通無碍なそのご性格で海外各地を飛び回り縦横無尽の活躍をされていたと、改めて知りました。その一方で、趣味とはいえ草笛演奏では我が国トップの存在。「月夜の仔猫」で長年ご一緒しましたが、小さな葉っぱ1枚で演歌からクラシック、ポップスまで様々な曲を自在に吹かれ、お客様を驚かせたり感動させたり… しかしながら、約2年前、草笛吹きにはあまりに酷な、肺繊維症という原因も治療法もまだ見つからない難病に罹られ、月夜の仔猫その他演奏活動を残念ながら撤退、闘病生活を送りつつ、でもめげず俳句などを楽しまれていたのですが…

私が特に想い出深いのは、5年前に我が故郷福井のフレンチキス学校公演ツアーに参加ご協力頂き、各地で子供たちに草笛を聞かせたり教えたり大人気で、お互いに素晴らしい福井の旅だったといつまでも語り草となりました。やはり参加願ったパーカッションの吉田豊さんと良いコンビでこのように、お揃いのラテン風衣装で演奏したことを昨日のように思い出します。(左写真の右側)
翌年の春は群馬のシャンソン館コンサートにも参加頂き、芦野宏さんの前でちょっと緊張気味の菅間さんを盛り立てたことなど思い出します。(両企画共にライブレポートを参照下さい)

ご葬儀には私も何人か存じ上げている草笛のお仲間が見えておられましたが、お見送りの時草笛を吹いては、という話になったので、「それなら、ぜひ、カッチーニのアヴェマリアを」と私が強く提案(希望)し、お仲間も「難しい曲ですが何とか」と納得して下さって、すべてのお別れを終え出棺の時、まずは菅間さんがCDに入れられたその曲が流れて、皆さんがその上に重ねるように生の草笛を…あの曲には特に菅間さんとの思い出話があり('12 1/11新春「命の声」記事参照下さい)、もう、涙が止まりませんでした。
演奏、そしてお見送りを終えて、悲しみの中にも少しホッとしている草笛愛好会の皆さん。この後お昼をご一緒して、菅間さんの思い出話を山ほど語り合いました。菅間さんもきっと酸素ボンベの要らない自由の身になってそばに来てらっしゃるのではと、言いながら… 合掌
