相台万朗Sodaiブログ

和歌山からきて今は千葉県人に、東京銀座でウエスタンバンジョーの店を36年間やらせていただき、もっかしたずみしてます。

こうげんびょう (連載ー409)

2022年07月14日 | 経験・体験
私の小型電話機に、若い高齢者の女性からの呼びベルが鳴った。

 男女の関係はないと思うのだが、私が頭を洗っているときに、頼みもしないのに風呂場に入ってくる痴女からである。

 電話機の向こうで、突然、高原びょうになったとわめく。何のことかもわからず、高原だけが私の耳にのこった。
 
私も高原らしき山に登ったことがない。そもそも高原はヨーロッパのスイスを連想する。

山びこにのってヨーデルが聞こえる。日本ではウイリー沖山さんがヨーデルで有名だ。細い奇麗な声、私も自慢の声で本場テネシーの酒場で歌ったらばか受けした。

雪崩(なだれ)を起こさないように遠くに響く裏声(ヨーデル)で広々とした高原の牧場で働く乳搾の牧どうに今日の終わりの時間を知らせたのだろう。

小坂一也の青春サイクリング(作詞:田中喜久子さん)を思い出した。
1,みどりの風もさわやかに
にぎるハンドル心も軽く
サイクリング サイクリング
ヤッホー 
ヤッホーヤッホーヤッホー

2,行こうよ君とどこまでも
はずむ銀輪リズムに乗って
青い峠も花咲く丘も
ちゅいとペダルで人超えすれば旅のつばめもついてくる
ヤッホー ヤッホー

サウンド・ミュージックのドレミの歌も聞こえる。

 「ドは🍩のド。レはれもんのレ。
ミはみんなのミ。ファはふぁいとのファ。ソは青いソら。ラはらっぱのラ。シはシあわせよ。
さあ!歌いましょう。」

そうじゃなくて、電話の向こうでギャー ギャー

膠原病(こうげんびよう)ってこの世に生を受けて初見の漢字でこんな日本語もあったんだ。感激雨あられ!

義母が暗闇から私たちのために、デッカイ一升おにぎりを6個
つくっていただいた。50歳過ぎの高齢者になろうかの人間4人分だ。
おにぎりだけでも凄い分量だ。
さあ!一歩一歩を石ころを踏みしめて高度を上げていった。
本当に雲が下に見える雲海が広がっていた。山男の義兄の説明もあり、高原に咲く花も見えた。

途中、何度か休んで水筒のお茶とデッカイおにぎりを食べた。

茶臼岳(ちやうすだけ)は那須岳ともいわれ、標高も1915mもある栃木県の最北端に位置する関東を代表する活火山で今も白い煙を噴き上げている。帰りはロープウェイである便利だ。
痴女が膠原病というから辞書で調べたら、りっぱな病気のようだ。
高原の歌にこんな歌もあるよ。

 ヤマの人気者 それはミルクや朝から夜まで 歌を振りまく牧場は広々 声は朗らかその節の良さは アルプスの花
娘という娘は ユーレイティ
フラフラと ユーレイティ
ミルク売りを慕い ユーレイティ
ユーレイ ユーレイティ
ラララ
さすがは喉自慢 すごい腕前
乳搾るそばに招き寄せて
娘たちを惑わせる
 
高原の歌、いろいろあるね。
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戦争のない世界  (連載―408)

2022年07月13日 | 言葉
病院から出てきて、最初に聴いたサッチモ(Louis Armstrong)の What a wonderful worldを聴いて、気持ち的に私にあった曲だったのか神様のように聴いていた。
 サッチモと呼ばれたのが、彼の口が大きいかららしい。

 アームストロングが生まれ育ったのは、ニューオーリンズのアフリカ系アメリカ人が多く住む比較的貧しい居住区であった。

彼は子供の頃、祭りに浮かれ、ピストルを発砲してしまい、少年院に送られた。その少年院のブラスバンドでコルネットを演奏することになったのが、楽器との最初の出会いとなる。
その後、町のパレードなどで演奏するようになり人気となったようだ。

 1971年69歳でニューヨークで亡くなられた。

私も3回ニューオーリンズにもいかしていただいたが、酒に酔ってフレンチクオウ—ターを横切り、ルイ・アームストロング公園に、さまよって行った。
アフリカのコンゴのリズムでニューオーリンズデキシーのジャズを聴いた。
 
お葬式で死者を明るい「聖者の行進」を演奏しながら天国に送った。
それだけ彼らにとって生きることの辛さから逃げ出したかったのだろう。

アフリカから家畜のように船底に押し込まれ汚物は垂れ流し、死ねば海に捨てられ、その当時の残された家にも行ったが、とてもとても住めるところじゃなく、お隣に大豪邸があった。

 アフリカから奴隷として連れてこられ広大な農場ではたらかせられ、コットン、砂糖をヨーロッパに売り、ヨーロッパからアフリカに銃などをアフリカ人同士が殺し合う武器を流した。
 
金儲けは、エジプトにものびた。大量のミイラの存在であったと聞く。

 ミイラというテレビ番組が子供のころ、怖くてよく見ていた。包帯を全身にまいて町をさ迷っていた。ゾンビのようで怖くて逃げた。

 ミイラ貿易でも商人が儲けたらしい。

 きのう、Youtubeを見ていると、故三波春夫さんが赤穂浪士にでてくる俵星玄蕃(たわらぼしげんば、ヤリの名手)を歌っていた。

子供のころ、1年の締めとして三波春夫さんのこの曲を聴いて、ゆく年くる年の除夜の鐘を聞いて新年を迎えた。
 
槍と、はかまと、目線と手の先まで全身で演じていた。

 古い、ふるい、実に古い。時代劇と言われようが私にとって新鮮を発見した日であった。

 古い、新しいは流行が織りなすもので流行は一部の者が世の中を操っているような気がする。

浪曲は三味線一本で演じていたのがオーケストラで迫力満点だ。
口のひらく角度が浄瑠璃のお人形のようで時間を忘れて聞いた。

 三波春夫さんはお亡くなりになられたが島津亜矢さんが引き継いでいただけるようだ。彼女にはそれだけの説得力をもっていた。

 三波春夫さん、島津亜矢さんを想像するに、弱みはみせないだろう。性格も厳しいだろうし、やさしさも感じないだろう。やさしさはくみ取るしかない。

彼らは一瞬にしてその世界に入れる、一瞬して人の心に入れるのだろう。

同じ「俵星玄蕃」の曲でも真山一郎さんが歌われると表現が違うのだろう。真山一郎さんは私がこの世で初めて知った。

 三波春夫さん、島津亜矢さん、真山一郎さんはこの世でただ一人だ。
 新しい、古いは時代が決めるものでもない、楽はない。

新しきをつくるには、古きに胡坐(あぐら)は必要ない。

ルイアームストロング、三波春夫、さんも死んじまった。あれから何年たったのか、未だに人間は戦争で殺し合いをしている。

今日も、遠くの空で戦争をしている。一日に何千人も亡くなられていると聞くと双方に亡くなられて悲しい思いをしているご両親がいることを思うとやるせない。

明日は我が身にならないことを祈りたい。
 戦争はさせない。どこの国の親も子供を思う気持ちは同じだ。
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平和ボケのすすめ    (連載―407)

2022年07月09日 | 経験・体験

私は、1951年の昔に生まれ、世の中から、すっかり高齢者と、古い人間と呼ばれている。

 昔に死んだ可愛い少女は土になって奇麗な花を咲かしている。

 命を懸けた戦争の経験はないが、子供ごころに、大人の世界を見てきた。暗殺、大量殺りく、戦争とチャップリン、キューバ危機、核実験、放射能、おしん、鉄人28号、学生運動、などなど挙げれば印象に残ることばかり

 
平和ボケと外人に言われたくないが、日本は戦国の昔から内外と戦いばかりだった。

 平和ボケを築くには、平和な世の中を長く続ける努力をし続けなければならない。

 徳川の世を265年も長きにわたり平和であった。15代の将軍に引き継がれたが、中には50年も将軍の座に治まった人もいる。

 中断! だから、古い人間と言われるんだよ?

古い人間は、新しい人間にとってすべて昔のことで、古い人間にとって、話のネタは、大体、過ぎ去った昔の事からである。

 新しい、古いはその時の感情によっても左右される。

 日本はいい国だ。四季もあり、海に潜れば魚がとれる、山に入れば果物にありつける。海に囲まれた島国で温暖な気候だし。人は穏やかだし親切だ。
 子供のころ、学校から帰るとカバンを放り投げ、山の木にのぼって山桃を食べたり、グミを食った。椿の蜜をすすって腹を満たした。
 
 平和ボケといわれようが平和な恵まれた島国に住んでいる。

 聞くところによると、大陸だと
どこまで行っても乾燥地帯で山には悪魔が住んでいると。

 山の神から恵みをいただくのと、山を征服の対象とみるのかの違いのような気がする。

 隣国に誰が住んでいるとも知らず。壁をつくる気持ちも想像する。
 
日は東の空に上り、西の空に沈む。当たり前の出来事が私の生まれた時から起きている。

来年は、日は西の空に上り、東の空に沈む。となれば、嫌な西日が東日に変わる。
部屋のカーテンも変えようかな。

 学問のすすめじゃないけど「平和ボケのすすめ」を世界にひろめてもいいのかも。

 ボケは余分と思うだろうが、ボケていても、意識しなくても平和な国民性はどの国にもあるものでもなく、日本人が長年培ったもののように感じる。

 先日、40歳の中年に聞かれた。善人と悪人が世の中を動かしている比重はどちらが重いか?

 私の後輩には弁護士が多いがそれは善人が多いと思う。ただ、案件にもよるが悪人の方が手っ取り早く事が進んだ。
 
想像だが、世の中、悪人の方が世の中というか人を知っている。

 ところで、平和ボケは善人か悪人か、となると悪人の方だと思う。
 知りすぎても悪人、知らな過ぎても悪人。

 紛争しているところに平和ボケのすすめを言ったって、油に水をそそぐのと同じこと。理解はされないだろう。

 善人を演じ、人のフンドシで相撲取るのも悪人。

収入を得るには善人を演じ、干されないようにしなければならないのも悪人。

 学者も評論家も議論も面白く、汚い言葉で、知識をひからし自己満足を演じる。

 学問のすすめも「平和ボケのすすめ」も悪人かも。

 「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」
(福沢諭吉の学問のすゝめ)
 学問をすることによって、日本人を封建支配下の無知蒙昧な民衆から、民主主義国家の主権者となるべき、自覚ある市民に意識改革することを意図する。と書いてあった。

 この世は、善人と悪人の色分けごっこ。
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ある男の物語 (連載―406)

2022年07月08日 | 経験・体験
今から40年ほど前にさかのぼり、ある男は、人も好きずきと言われる女性を好きになった。

 彼女から一枚の写真を見せてもらった。バイクの方が大きいのだろうか、バイクをついた、ポッチャリと可愛い女の子。
 
彼女は歌も上手かったが、ピアノも上手かった。   
学校の先生も2年ほど経験もあり、とても真面目で好かれるタイプだ。
酒が好きだった。

私の銀座の店で出演するようになって、彼女が出演の時は、いつもご来店いただいた。
いわゆる彼はおっかけだった。

座る席も彼女のすぐ近くの席に決まっている。
来れない時は決まって連絡をいただける。

私ではあり得ないことなんだが、彼が彼女を好きになった。
このままの間柄でいいのだが、結婚したって旨くいく筈がないのに、
恋は盲目だ。

彼女は、男の存在を、いちファンとして見てきたが、男は呆気なく失恋した。

34年目にして彼が彼女に失恋した。
2年ほど前に彼が末期がんの診断を私に打ち明けられ、もう余命からすると
よくここまで生き延びられた奇跡だ。

お医者さんから大腸の再検査に来るように言われていたが、てっきり本人は痔だと判断して行かなくて大腸がんとして診断された時には余命が宣告された。

彼は、なんでも笑いで済ませているようで失恋で落ち込む性格ではないように思ったが人それぞれだ。

心配で、あくる日、彼の入院していた病院を訪ねたら、住まいのマンションに帰ると外出なさっていると看護婦さんから聞いた。
嫌な胸騒ぎがした。彼がマンションから飛び降りたらしい。

お姉さんがいらっしゃるとも知らず、そのお姉さんから連絡をいただいた。よかった身内がいて。

失恋で鳥になったのか何を勘違いしたのか空を飛べると思ったのだろう。
もしかして、空を羽ばたいているかと空を見上げてたが何の変化もなく都会の雑踏だけが聞こえた。

この世に男と女がいるかぎり愛称も思惑もある。
こんな筈じゃないと離婚するケースもある。
愛し合った仲なのになんで離婚するのだろうと思うことがある。

ある知人の娘さんの結婚式に招待され、有名なホテルで行われたが、半年で離婚した。
よかったね。また、娘さんと暮らせる。と冗談で話しかけたが、にや!と笑顔を見せた。

この世に生まれて一度のチャンスで幸せにあたるカップルもいる。
離婚するカップルもいる。

戦争も勝ち負けはあるが戦場の街中で男も女も逃げ回る姿は見たくない。

昔、中東の砂漠で戦争があった時も茶の間で実際の戦いの模様を見た。

今回も遠くの空で人が殺し合いの現場を見せつけられると殺し合いが映画でも見ているようで麻痺する。
嫌だなあ、標的にテレビゲーム感覚でマウスをクリックすると海上に浮かぶ戦艦が海に沈んでいく。

 戦艦には何百と人がのっている。幾人の恨みも海にさまよっている。

日本の国土の何十倍も広く、国土を守るために戦争をする。
日本の何十倍も人口と民族を抱え、減らすために戦争する。
場合だってあるとしたら恐ろしい。

 昔、【人海戦術】(じんかいせんじゅつ)という戦術を聞いたことが、兵員の多さに任せて、強固な陣地に突撃させて、数の力で敵軍を押しきろうとする戦術。
 
こんな戦術が21世紀の世界に使われることだってあるような気がする。

貧しいものが借金のかたに、戦争に狩りたてられる現実を突き立てられることもある。

日本の人口が1億2000万が人海戦術で全てなくなっても影響しないところもある。

生きる術(すべ)は一人一人にかかってくる。
ミサイルが飛んで来たら、トイレ付、水・食料付の避難できる地下施設があるのだろうか。

 ある男の物語で、ある男は死んだが、生きる術を教えてくれた気がする。
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