今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

GME Internal Review

2009-05-10 11:38:06 | 家庭医療
今日は午前中カンファレンスのあと、クリニックの予定でしたが

GME Internal Reviewなるものにランダムに選ばれたため、クリニックは免除でした

おかげで、たまっていたディクテーションの修正をする小暇もありました

ところで、このGME Internal Reviewとは何か?


その前に、ACGMEによる各プログラムの認定更新について知っておく必要があります

各プログラムは、2から5年ごとに訪問審査を受け、プログラム認定を更新することを義務づけられています

2から5年と幅があるのは、プログラムの「強さ」に応じてのことです

つまり、しっかり運営されており、歴史もあり、予算もあり、研修医も毎年そろっていて・・・となると5年ごとの認定になりますし

「不備」があれば、短い年数ごとの認定となります

ミシガン大はもちろん、5年ごとの認定です

この認定更新作業は、かなり厳しく

歴史があり、アメリカでもトップクラスの某内科プログラムが認定を取り消されたことなどもあり

プログラムにとっては死活問題なのです

そこで、早めにプログラムの不備を改善する目的で

認定更新の合間の中間当たりで、GME Internal Reviewという内輪での内部調査をしているのです

内輪の演習のようなものです

家庭医プログラムのReviewは、外科のレジデントで、リサーチを2年間やっている先生が中心となってやってくれています

家庭医プログラムのレジデントのうち、各学年2人ぐらい呼ばれて

この計6人に対して、外科レジデントが事前に集めた資料を見ながら事情聴取をして

報告書をまとめあげます

  • どんな研修をしているか
  • カンファレンスにしっかり出席させてもらえるよう配慮されているか
  • 研修プログラムの不満は
  • 研修プログラムのウリは

などなど、改善点だけでなく長所もとりあげるところがおもしろいところです

本気で改善をしようと思っているプログラムにとっては

「そんなことは承知している」というフィードバックだらけであり

Retreatのときにまとめあげた、プログラムに対するレジデントからのフィードバックに殆ど網羅されているのですが

「そういえば,これ言ってなかった」

とか、

自分たちが認識していなかった、レジデント、学習者としての保証も指摘されたりと

なかなか興味深いミーティングでした

これを日本でやろうと思うと、これまた資源、労力の問題を考えてしまいますが

ここまで認定作業を厳しくすることで、質を向上する努力を強いられているのを目の当たりにすると

日本でも、ある程度締め付けをしないと,最終的に良いものは出来ないのではないかと思います

逆に、日本人の気質を考えると、ここまで厳しくしなくても

この半分ぐらいの締め付けで、そこそこのものをつくりあげるのではという楽観的な想いもあります




家族でゴルフデビュー
ラウンドフィー は13ドルですが、気持ちのよいコースでした