うさぎとマツコの往復書簡 | |
中村 うさぎ,マツコ・デラックス | |
毎日新聞社 |
中村うさぎ・マツコデラックス 著 : うさぎとマツコの往復書簡
を、読みました。
異彩を放っている二人の本音炸裂の往復書簡本。
お互いを「あんた」と呼び合う二人は
研ぎ澄まされた感受性と、豊かな表現力でお互いを語り合います。
めちゃくちゃ言っている割に、すごく強い友情で結ばれた二人の
信頼の深さを感じる本。
この本の中で、しきりにマツコが自分を表す
「自意識の垂れ流し」
という言葉が心に残りました。
とても感受性が強いので、いろんなことに
意識があって、普通の人が無意識な場面でも
なかなかそこは譲れないっ!
そういう自意識を、ひっそりとしまいこまずに
それこそ垂れ流すように、あふれさせている
それができるって、本当に凄いなと思いました。
そのほかにも、マツコは中村うさぎに
「慟哭」
という言葉もしばしば使っていて
きっと体がどうかなってしまいそうなほどの「慟哭」を
数えきれないくらい繰り返し
きっと今のマツコがいるんだなとも思いました。
「オカマは何を言っても許される、いわば治外法権」
と言っていた二人。
しかし、それは仲間外れと紙一重。
そんな環境で生きていると
おのずと感性は研ぎ澄まされてゆくのでしょう。
強くて激しくて繊細な感性は
幾度も繰り返された慟哭と孤独感を
引き換えにしたものなのかもしれません。