「白秋」に想ふ―辞世へ向けて

人生の第三ステージ「白秋」のなかで、最終ステージ「玄冬」へ向けての想いを、本やメディアに託して綴る。人生、これ逍遥なり。

幸せの黄色い絵本―『あさになったので まどをあけますよ』

2012年07月07日 | Life
☆『あさになったので まどをあけますよ』(荒井良二・著、偕成社)☆

  今年の春、「王様のブランチ」(TBS系テレビ)のブックコーナーで紹介されたのを見て買った絵本。
  本を開くと画面いっぱいの絵が目に飛び込んでくる。山の中の家や盆地の小さな町もあれば、東京のような大都会や海外を思わせる都市の風景もある。大きな山の麓に広がる街や童話に出てきそうな森の中の一軒家もあれば、川沿いや大海に望む風景もある。
  夜の明けない朝はない。使い古されたフレーズだが、地球があるかぎり、どこに住んでいようときっと朝はやってくる。昨夜どんなにつらいことがあったとしても、気が滅入って眠れぬ一夜を過ごしたとしても、朝になったら窓を開けてみよう。あなたに窓を開ける気力がないのなら、著者は「朝になったので窓を開けますよ」といって窓を開けてくれる。朝になって窓を開ければ、きっと何かが変わる。小さな小さな一歩を踏み出す勇気を与えてくれるような絵本だ。
  たしかアマゾンのレビューでも書かれていたように、絵には黄色が多用されている。黄色は幸せの色だという。『色と形の深層心理』(岩井寛・著、NHKブックス、1986年)によれば、「黄色は太陽の色であり、生命の色であり、喜びの色である」という。また、詳細は省くが「心理的な浄土の色であり、涅槃の色なのである」ともいう。だからなのだろうか、この絵本を見ていると、悟りを啓くにはほど遠くても、少しこころが落ち着いてくる。
  この絵本で初めて著者の荒井良二さんのことを知った。本書を買ってから時を経ずして、荒井さんの絵本をさらに2冊買ってしまった。その感想については、いずれまた書こうと思う。

  

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