「白秋」に想ふ―辞世へ向けて

人生の第三ステージ「白秋」のなかで、最終ステージ「玄冬」へ向けての想いを、本やメディアに託して綴る。人生、これ逍遥なり。

『どうして猫が好きかっていうとね』

2007年02月02日 | Yuko Matsumoto, Ms.
『どうして猫が好きかっていうとね』(キム・レヴィン・著、松本侑子・訳、竹書房)
  知人の女性の誕生日に本を贈ろうと思った。どんな本を贈ろうかと考えていたとき、彼女が猫好きであることを思い出した。道端で猫を見つけると、すぐにとんでいって撫でようとする。猫好きならではの行動だ。そこで思い付いたのがこの本だった。でも、実物を見ていなかったので、さっそく書店へ行って確認。よくありがちなカラー写真を多用した可愛い系の写真集ではなく、モノクロだけのシンプルなところが気に入った。猫たちの表情も一面的でなくて、なかなかおもしろい。その書店にはたまたま一冊しかなかったので、帰宅してアマゾンから二冊を購入した。一冊は贈物として、もう一冊は自分のために買った。実は自分も猫好きなのだ。
  よく“犬派”か“猫派”か、などというが、自分は明らかに猫派だ。犬も嫌いではないけれど、やはり猫のほうが好きだ。でも、どうしてか。「どうして猫が好きかっていうとね(Why we love cats)」(本当は‘Why I love cats’というべきだが)、「くつろいでいるから(because they make themselves at home)」、「ひとりが好き(because they like their solitude)」だから、そして「くねくね(because they weave)」しているから。この本には、猫好きの理由(答)がたくさん載っている。ほんとうに猫好きの人ならば、自分にぴったりの答が見つかるにちがいない。
  松本侑子さんの翻訳もすばらしい。小説や散文調の文章の翻訳は、翻訳者の資質やセンスがもろに問われる。写真にそえられた文章はひとつ一つが短いのでなおさらだ。読者にとっては、猫たちの多彩な表情とともに、原文と訳文との対比も楽しむことができる。
  そういえば、この本を贈った彼女はなぜ猫が好きなのか、その答をまだ聞いていなかった。最近会う機会が少ないが、今度会ったら聞いてみよう。
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