NHK福祉ポータル「ハートをつなごう」 で、『シングルマザー』に続く、新テーマ『ひきこもり』が、7/2・3 に放送された。このブログでも何度も書いていて、何度も放送している『発達障害』といい、我が家に関わることが続けて、福祉番組の新テーマになるとは、うちはやっぱり社会的弱者なのか・・・と、思い知らされる。
今回は、うちの息子のような思春期のひきこもりについてではなく、長期化・高齢化しているひきこもりの問題を取り上げ、話し合うというものだ。
いま、全国には 100万人を超えるという ひきこもり者の数。
どう統計をとっているのかは分からない。でも そんなにいるのか。
今回 出演している団体に、実際、相談にきている人のデータなのかな?
とはいえ、100万件も相談にはこないだろうが・・・。
で、なんと、その全国引きこもりKHJ親の会の調べでは、そのうちの半数以上が、既に、30歳を過ぎているというのだ!う~ん、それは深刻。と なると、親御さんの年齢は、若くても50代、そこから、更に上の年齢のひきこもりとなると60~70歳になっている。心配するのは当たり前だ。
私が“ひきこもりとうつ ”の講習会(5/19)に参加したとき、
周りの参加者の年齢も、おおよそ そのようだった。
親御さんにしてみれば、自分の命も限られている。
“なんとかしなければ!”と、思うのは当然。
しかし、子離れすること と、焦らないこと だという。
私が その講習会で聞いてきたことと一致した。
当事者が、自分自身で気づくことが、抜け出せるキッカケとなる。
番組には、今は社会に関わることができている経験者が出演。
20代の時に4年間のひきこもりを経験した新潟の月乃光司さん(42歳)
その時に、アルコール依存症も体験。
27歳~35歳、 8年間のひきこもり経験をした山下庄一さん(42歳)
32歳~42歳、10年間のひきこもり経験をした田代一貴さん(45歳)
そして、後者の2人と関わったという 川上佳美さん(32歳)だ。
彼女は、ひきこもりの脱出を支援するNPO法人職員とのこと。
2日目の放送にはひきこもりの子を持つ父親2人も出演。
28歳から ひきこもり38歳になる息子さんを持つ 川島さん(69歳)
42歳になる長男が10年以上ひきこもっているという 鈴木さん(78歳)
<田代さんの場合>
障害のある姉に掛かりっきりの母。
両親の仲は悪く、いつもピリピリした家庭環境。
いつしか心を閉ざす。
16歳で高校中退、家出 自暴自棄。
深い人間関係が持てず、孤独を求めていた。
32歳のとき、会社の社長と些細な事がキッカケで口論となり退職。
“自分を偽って、人間関係を保っていく事ができない”
と ひきこもり が始まる。
自分だけの空間を持ちたかった。
既に離婚していた父親の一室にひきこもる。
その父親にお金の援助を受けて生活する。
雨戸を閉めて、2年ぐらい窓も開けない。
カーテンを閉めて全く部屋から出ない。
エアコンは掛けっぱなし。
一時は、一日中パチンコをして過ごす。
ひきこもった時期の後半は、死ぬことばかりを考えた。
この10年間、人との付き合いは一切無しだったという。
9年経った41歳のとき、父親からの仕送りがストップ。
生活できなくなったら、死ねばいいや!と思っていたのに、死ねない。
そして、藁をもすがる思いで、母親のもとへ・・・。
そのとき、母親が救いを求めて、あちこちと調べた。
ひきこもりを支援する NPO法人の“レンタルお姉さん”を 見つける。
彼女(川上さん)との関わりが、抜け出すキッカケとなった。
川上さんは、田代さんの母親に伝える。
「あえて、息子さんを突き放すようにしてください。」
そして、母親は田代さんに伝えた。
「家には置いて置けない!テントでも張って暮らしなさい。」
やはり、子離れ、親離れ、ってことなんだ。
ひきこもり とは、精神科医の定義によると「人間関係が主な理由で、半年以上社会参加できない状態。ただし、分裂病(統合失調症)など他の精神疾患の症状はない。」 を 指すそう。
今回、番組で扱ったのは、30歳以上のひきこもりだったが、ひきこもりの6割以上が不登校経験者、不登校経験者の1~2割がひきこもり状態に近づいてしまうというデータがあるようだ。
うちの子のように、思春期に学校という場で、人との関わり方を学ぶ場から外れてしまうと、のちのち、そういった人間関係の中に入ってくキッカケをもつ機会がなくなってしまう。他の学校に行ったり、職に就こうとしても、みんなが行くから自分もと、当たり前のように進んで行く人に比べて、タイミングが、ずれてしまうから、機会が失くなる。そうすると、ますます家に閉じこもる。しかも発達障害があるのだから、本人のやる気だけを待っていたら、それこそ10年なんて簡単に過ぎちゃうから、また 対応が違うようなのだ。
全国引きこもりKHJ親の会 代表の奥山勝久さん(62歳)が話す。
3~5年経つと二次障害が発生、出たいけど出られない状況、神経症を合併する。
また 当事者達は、常に当事者にキッカケを与え続けるのがいいと言っていた。
最終的には、親だけじゃダメで、第三者の介入が必要だという。
日本は、そういった状態の人、つまりは エスカレーターに乗って、順当に進んで行かない者には、とことん冷たい社会。エスカレーターからこぼれてしまうと、その受け皿がない。受け皿が豊かで多様性のあるものから選択できる社会ではない。選択を増やすためには、どうしても学歴がつきまとう。当事者は、親の期待感に応えられなかった失望感でいっぱいになり、自分の価値を全否定する。
生きにくい社会。
講習会を受講したときに講師が言っていた。
“人の言いなりになる子供がいい子だ”というからいけない。
時代に合わせようとした人間観。
しかし、自分の将来は自分で考える。
どうするのかは、自分で決めるのだ!!
人の言いなりになるのが良いとしたのは、いったい誰?
たとえ、エスカレーターからこぼれてしまっても、自分にも価値があって、幸せにもなれるんだ!という気持ちが持てたら、どんなに救われるか。社会全体のひとりひとりの自覚、そんなの待っていられないのだ。
今の社会をみると、やはり 格差社会、自分ばかりになってしまう社会。
こころに余裕ができるような社会になって、人のことも思いやれる、人に優しくできる というところからなのかもしれない。難しいなぁ~。余裕のない毎日が、当たり前のようになっているのだから。
みんなで声をだして伝え続けないと、動いていかないんだ。
そもそも 自分に関係していないことは どうでもいい? 関係ないとする人は、いくらメディアで取り上げても 「興味なし」 になってしまうだろうから、こんな現実があるなんて、なかなか知ってもらえない。福祉たるもの、どんなものでも、理解してもらうことも、増してや 支援に至っては、もっともっと厳しい。実際、就労支援も関連するNPO法人での福祉施設の受け入れぐらいではないだろうか。
長々と 覚書きしていて、自分がうつうつとしてきた。
番組に出演してた親達が喋るのを見ていたが、その 必死さ や かたくなさ が憤るって思った。
確かに心配ではあるけれど、親は子供を信じてあげることじゃないのかと・・・。
「嫌味一つで元通り」って、講習会での講師の言葉を思い出した。
実際はなかなか上手くいかないのだけど。
と、親は我が子を客観的に考えられないという一例ですね。
番組では、7/4・5は性同一性障害について取り上げていた。
私は、“ひきこもり”というキーワードでしか録画していなかったので、見なかったが、当事者や親御さんにとって、同様に深刻な問題であろう。今週の月曜~木曜に再放送がある。
◆ひきこもり&性同一性障害第4弾◆
教育テレビ 7月2日(月)~ 5日(木)午後8:00~8:29
【再放送】 7月9日(月)~12日(木)午後1:20~1:49
今回は、うちの息子のような思春期のひきこもりについてではなく、長期化・高齢化しているひきこもりの問題を取り上げ、話し合うというものだ。
いま、全国には 100万人を超えるという ひきこもり者の数。
どう統計をとっているのかは分からない。でも そんなにいるのか。
今回 出演している団体に、実際、相談にきている人のデータなのかな?
とはいえ、100万件も相談にはこないだろうが・・・。
で、なんと、その全国引きこもりKHJ親の会の調べでは、そのうちの半数以上が、既に、30歳を過ぎているというのだ!う~ん、それは深刻。と なると、親御さんの年齢は、若くても50代、そこから、更に上の年齢のひきこもりとなると60~70歳になっている。心配するのは当たり前だ。
私が“ひきこもりとうつ ”の講習会(5/19)に参加したとき、
周りの参加者の年齢も、おおよそ そのようだった。
親御さんにしてみれば、自分の命も限られている。
“なんとかしなければ!”と、思うのは当然。
しかし、子離れすること と、焦らないこと だという。
私が その講習会で聞いてきたことと一致した。
当事者が、自分自身で気づくことが、抜け出せるキッカケとなる。
番組には、今は社会に関わることができている経験者が出演。
20代の時に4年間のひきこもりを経験した新潟の月乃光司さん(42歳)
その時に、アルコール依存症も体験。
27歳~35歳、 8年間のひきこもり経験をした山下庄一さん(42歳)
32歳~42歳、10年間のひきこもり経験をした田代一貴さん(45歳)
そして、後者の2人と関わったという 川上佳美さん(32歳)だ。
彼女は、ひきこもりの脱出を支援するNPO法人職員とのこと。
2日目の放送にはひきこもりの子を持つ父親2人も出演。
28歳から ひきこもり38歳になる息子さんを持つ 川島さん(69歳)
42歳になる長男が10年以上ひきこもっているという 鈴木さん(78歳)
<田代さんの場合>
障害のある姉に掛かりっきりの母。
両親の仲は悪く、いつもピリピリした家庭環境。
いつしか心を閉ざす。
16歳で高校中退、家出 自暴自棄。
深い人間関係が持てず、孤独を求めていた。
32歳のとき、会社の社長と些細な事がキッカケで口論となり退職。
“自分を偽って、人間関係を保っていく事ができない”
と ひきこもり が始まる。
自分だけの空間を持ちたかった。
既に離婚していた父親の一室にひきこもる。
その父親にお金の援助を受けて生活する。
雨戸を閉めて、2年ぐらい窓も開けない。
カーテンを閉めて全く部屋から出ない。
エアコンは掛けっぱなし。
一時は、一日中パチンコをして過ごす。
ひきこもった時期の後半は、死ぬことばかりを考えた。
この10年間、人との付き合いは一切無しだったという。
9年経った41歳のとき、父親からの仕送りがストップ。
生活できなくなったら、死ねばいいや!と思っていたのに、死ねない。
そして、藁をもすがる思いで、母親のもとへ・・・。
そのとき、母親が救いを求めて、あちこちと調べた。
ひきこもりを支援する NPO法人の“レンタルお姉さん”を 見つける。
彼女(川上さん)との関わりが、抜け出すキッカケとなった。
川上さんは、田代さんの母親に伝える。
「あえて、息子さんを突き放すようにしてください。」
そして、母親は田代さんに伝えた。
「家には置いて置けない!テントでも張って暮らしなさい。」
やはり、子離れ、親離れ、ってことなんだ。
ひきこもり とは、精神科医の定義によると「人間関係が主な理由で、半年以上社会参加できない状態。ただし、分裂病(統合失調症)など他の精神疾患の症状はない。」 を 指すそう。
今回、番組で扱ったのは、30歳以上のひきこもりだったが、ひきこもりの6割以上が不登校経験者、不登校経験者の1~2割がひきこもり状態に近づいてしまうというデータがあるようだ。
うちの子のように、思春期に学校という場で、人との関わり方を学ぶ場から外れてしまうと、のちのち、そういった人間関係の中に入ってくキッカケをもつ機会がなくなってしまう。他の学校に行ったり、職に就こうとしても、みんなが行くから自分もと、当たり前のように進んで行く人に比べて、タイミングが、ずれてしまうから、機会が失くなる。そうすると、ますます家に閉じこもる。しかも発達障害があるのだから、本人のやる気だけを待っていたら、それこそ10年なんて簡単に過ぎちゃうから、また 対応が違うようなのだ。
全国引きこもりKHJ親の会 代表の奥山勝久さん(62歳)が話す。
3~5年経つと二次障害が発生、出たいけど出られない状況、神経症を合併する。
また 当事者達は、常に当事者にキッカケを与え続けるのがいいと言っていた。
最終的には、親だけじゃダメで、第三者の介入が必要だという。
日本は、そういった状態の人、つまりは エスカレーターに乗って、順当に進んで行かない者には、とことん冷たい社会。エスカレーターからこぼれてしまうと、その受け皿がない。受け皿が豊かで多様性のあるものから選択できる社会ではない。選択を増やすためには、どうしても学歴がつきまとう。当事者は、親の期待感に応えられなかった失望感でいっぱいになり、自分の価値を全否定する。
生きにくい社会。
講習会を受講したときに講師が言っていた。
“人の言いなりになる子供がいい子だ”というからいけない。
時代に合わせようとした人間観。
しかし、自分の将来は自分で考える。
どうするのかは、自分で決めるのだ!!
人の言いなりになるのが良いとしたのは、いったい誰?
たとえ、エスカレーターからこぼれてしまっても、自分にも価値があって、幸せにもなれるんだ!という気持ちが持てたら、どんなに救われるか。社会全体のひとりひとりの自覚、そんなの待っていられないのだ。
今の社会をみると、やはり 格差社会、自分ばかりになってしまう社会。
こころに余裕ができるような社会になって、人のことも思いやれる、人に優しくできる というところからなのかもしれない。難しいなぁ~。余裕のない毎日が、当たり前のようになっているのだから。
みんなで声をだして伝え続けないと、動いていかないんだ。
そもそも 自分に関係していないことは どうでもいい? 関係ないとする人は、いくらメディアで取り上げても 「興味なし」 になってしまうだろうから、こんな現実があるなんて、なかなか知ってもらえない。福祉たるもの、どんなものでも、理解してもらうことも、増してや 支援に至っては、もっともっと厳しい。実際、就労支援も関連するNPO法人での福祉施設の受け入れぐらいではないだろうか。
長々と 覚書きしていて、自分がうつうつとしてきた。
番組に出演してた親達が喋るのを見ていたが、その 必死さ や かたくなさ が憤るって思った。
確かに心配ではあるけれど、親は子供を信じてあげることじゃないのかと・・・。
「嫌味一つで元通り」って、講習会での講師の言葉を思い出した。
実際はなかなか上手くいかないのだけど。
と、親は我が子を客観的に考えられないという一例ですね。
番組では、7/4・5は性同一性障害について取り上げていた。
私は、“ひきこもり”というキーワードでしか録画していなかったので、見なかったが、当事者や親御さんにとって、同様に深刻な問題であろう。今週の月曜~木曜に再放送がある。
◆ひきこもり&性同一性障害第4弾◆
教育テレビ 7月2日(月)~ 5日(木)午後8:00~8:29
【再放送】 7月9日(月)~12日(木)午後1:20~1:49