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こころの傷を読み解くための800冊の本  赤木かん子  自由国民社

2005年04月07日 | ’05年読書日記
タイトルを見た時「なんのこっちゃ??」と思いましたが、とりあえず借りてきました。
(なんのこっちゃとおもいながら借りるわたしもわたしですが)

第1章 ACとは何か  ・  第2章アイデンティティー…  と、6章までありまして、それぞれのテーマに沿った内容の小説、児童書、漫画などを、短い解説付きで紹介している本です。

あとがきにありましたが、著者は、「子供の本を中心に本を紹介してご飯を食べている」方なのだそうで、さすがに、紹介されているのは児童書が多いです…が、もちろん大人向けの本も多々あります。

この方は、紹介している以上、この800冊ぜんぶを読んでいるわけで…すごいなーと思いました。(何だか小学生みたいな感想ですが…)

1章から6章までで、わたしが一番興味深かったのは、第4章の『共依存』です。

共依存…自分を必要としてくれる人を必要とする依存。(129ページより)

心理学用語のようで、家にある国語辞典には載っていませんでした。なんか、自分が当てはまるとするならばこれに近いようなそうでもないような…。

第1章 ACとは何か    紹介されている本(一部)* アダルト・チルドレン
第2章 アイデンティティー            * ポーの一族(漫画)24人のビリー・ミリガン
第3章 依存                   *アルコール依存症を知る!                    
第4章 共依存                  *春にして君を離れ
第5章 虐待                   *スタンド・バイ・ミー
第6章 癒し                   *トーマの心臓(漫画)パーカー・パインの事件簿


わたしが読みたいと思った本の一部は…

 はだかの太陽…アイザック・アシモフ
 春にして君を離れ…アガサ・クリスティー
 …そのほかです。

解説もなかなか面白く、興味を持った本が何冊もありました。

私はいつも、図書館に行って、タイトルをパパッと見て、あとがきを読んで適当に借りる本を決めたりするんですが、こういう、紹介されているのを読むのもいいかも、と思いました。

ご興味のある方は、どうぞ…。




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マッカイ家のおばあちゃん  マーガレット・フォースター  筑摩書房  翻訳工房・りぶろ訳

2005年04月04日 | ’05年読書日記
後書きを入れて353ページという、私から見るととても分厚い本なので、最後までしっかり飽きずに読めるかな、と心配になりましたが、結果、とてもすらすらとしかも興味深く読めました。

テーマは…

『痴呆性老人の介護に苦闘する家族』

…です!!

とても重苦しいテーマですが、後書きにもありましたが、読み終わったあと(または読んでいる最中も)不思議に重苦しい気分にはならない本です。

お話しは、マッカイ家の次男の嫁さんジェニーと,その娘である17歳のハンナが、日記のような形で交互に綴られていきます。

長男のスチュアートは、ある事情から母親の介護から一切手を引いていて、お金も手も、口すらも出しません。
一番下の妹、ブリジットは独身の看護婦で、おばあちゃん(彼女から見たら母親)の地方が、かなりひどい状態でも、老人施設に入れずに、自分の隣のフラットで、みんなで介護したいと激しく主張します。

…こういう状況を知ると、うんざりしますよね、普通。
みんな勝手なこと言ってるな、と頭に来るところですが、著者の文章からは、登場人物の誰をも、非難したり否定するような一方的な感情の押し付けのようなものを感じません。

みんなそれぞれが、色んな事情や感情や、状況の中で一生懸命に考えたり行動している結果が、これなんだろうな、と納得できます。

訳がいいのも、この本が読みやすかった理由のひとつかもしれません。

物語の最後の、ハンナの言葉が、とても共感を呼ぶものだったのでご紹介…。

  私の時がきたら きっとそのままにはしないわ
  私の時がきたら きっと奇跡には頼らないわ 
  私の時がきたら もうたくさんと言って消えるわ

  おばあちゃんのような時が来たら まさに同じ種類の時がきたら
  でも もしその時がきたら わたしは自分の思うままにはならないのよね

*******************************************

著者は、イギリスでは中堅作家として活躍中、これまでに16の小説と5つのノンフィクション(主に伝記)を発表。
日本では初期の作品(Georgy Girl,1965 …翌年映画化)が紹介されているだけだそうです


 


マッカイ家のおばあちゃん…原題は「Have the Men Have Enough?」1989…です。おばあちゃんの台詞からとられています。

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燃えつきるまで  唯川 恵  幻冬社

2005年03月26日 | ’05年読書日記
31歳の仕事に燃える女性が、5年間付き合った彼から別れを切り出されます。

その衝撃をうまく処理できない彼女は、体調を崩し始め、思考回路もだんだんとひねくれた方向に向かい、ついにはストーカーまがいの事をしてしまいます…って言うかこれって立派なストーカーじゃん?!ってな事をしでかします。

確か本の中に、

「人生は(こんなはずじゃなかった)との闘いだ…」

みたいな事が書いてあったと思うのですが、はぁ、確かにそうかもしれないな、なんて納得しました。

まぁ、人様を羨んでいたらキリがありませんし。

「だれが見ても幸せそうな、誰からもうらやましがられる人」…にだって、その人にしか分からない苦労、って言うもんがありましょうし。

「誰が見ても哀れみをもよおすような人」(そんな人いるのかなぁ???)には、その人にしか分からない幸せがあって、それを静かにかみしめて毎日過ごしているのかもしれませんしね。


要は「自分で自分を幸せに出来るか」「自分で自分を好きになってやれるか」
…って事でしょうか。
これが一番難しかったりするから、人生って大変なんですよね~とかえらそうな事言って唐突に感想おしまいです。







******************
私は既婚者なので、もう恋愛はしない予定ですが、恋人のいる方は(特に長いお付き合いのいる方は)別れ話をするときは相当慎重になったほうがいいのでは?!…わだかまりが残ると、怖いんだろうな~~~!!!と、読んでいて思いました。
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幽閉  アメリー・ノトン  中央公論新社

2005年03月26日 | ’05年読書日記
この本のテーマは…

果たして愛ゆえの悪徳は許されるのか?

…です。(あとがきをそのまま写しただけです)


架空の小島、モルト=フロンチエールで生活する老船長ロンクールと孤児アゼル。(ふたりは愛人関係にあります)

二人のもとに送り込まれた看護婦フランソワーズは、ロンクールの過去を暴き、アゼルを老人のもとから救い出そうとします。

何でアゼルはこんな牢獄みたいな屋敷から逃げ出さないんだろうと疑問になるところですが、船長の巧みなうそと屋敷に仕掛けられた小細工?(ずいぶんと大掛かりですが)によって、逃げようと言う気持ちにすらなっていません。

この、「屋敷に閉じ込められている状態」があまりに異常なので、この本を読み終わった日の夜、一晩中変な夢(盗賊に押し入られたり、命を狙われていたり…)に悩まされました(>_<)


アゼルを救おうとする看護婦は、途中から、うそだろうと言うくらいに口が悪くなり、老人に向かって

「おぞましいうぬぼれ屋ね。あの繊細な娘があなたのようなエロじじいに惚れるとでも思っているのかしら」

などと言い放ちます。

彼女の口の悪さにもびっくりですが、危険を冒してまでアゼルを救いたかったのはなぜなのかなー、などと思いました。

私だったら「…関わり合いになりたくない。面倒だから」ということで、看護の仕事が終わったらさっさと家に帰って、上司に命令されても二度と行こうとはしないでしょう。

フランソワーズは、アゼルに、同性愛的な感情を持っていたのかもしれませんね。(こういう世界はあまり得意ではありませんが)
そうでもしなければ、こんな異様な屋敷に住んでいる危なそうなおじいさん相手に戦いを挑もうなんて気には到底なれそうもありません。


この本は、変わったところがあって、お話が終わったな、と思ったら、もうひとつの結末、というのが用意されておりました。
どちらの結末になったのかを決めるのは読者の自由、と言うことなんでしょうか。

ん~。私としては、二つ目の方(後に書かれてあるほう)が、しっくりするのでは…と思いました。







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R.P.G. 宮部みゆき  集英社文庫

2005年03月21日 | ’05年読書日記
ん~…そうきましたか。
この展開は意外でした。
ミステリーものって(あまり沢山は読まないのですが)、「この人が犯人かなぁ…」などと、自分で予想しながら読み進めていくものですが、この本に関しては、私の予想は大はずれでした。

あ、ですが、読み始めたとたんに、「あ、こいつが犯人だなっ」と、自分が思った予想そのままの展開だと、それってものすごくつまらない本って言う事になりますよね?

…ということで、んー。このR.P.G.は、そうつまらなくはなかったです。

な、なんか、力はいっていませんね、今日の感想…。すみません。
体調が本調子じゃないんです(いいわけです)。

宮部みゆきさんは流行作家さん…今はこういうのが流行っているのかぁ~…ほお…。
ん~。
す、すみません、正直にいうと、そんなに心に残って、ずしっと来るほどの小説じゃ、なかったです。

この犯人も、10年前だったら「そ、そんなぁ…」と、意外な感じしたでしょうが、今は色んな犯罪が起こっていて、小学生が小学生を手にかける、なんてことも実際にありましたからねぇ…。

嫌な事ですが、「犯罪を見聞きするのに慣れて」来てるんでしょうか。
あああ、嫌ですね。
テレビをつけても、新聞読んでも、嫌な事件・事故ばかりで・・・。
少しでも減っていって欲しいけれど、それがすぐにかなわないのなら、せめて、いい小説を読んで、いい音楽を聴いて、楽しいお友達と交流を愉しんで、少しでも楽しい毎日を送りたいものですね。

と、言う事で、…、。
とりあえずわたくしは、病気を治します。…(>_<)
皆様はお元気で、3連休最後の一日を、楽しくお過ごしくださいませね。







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顔  シドニー・シェルダン  アカデミー出版

2005年03月14日 | ’05年読書日記
まぁ~…。

何と言いますか、この世界…。

黒幕はマフィアのボス、ですか。

しかし、その人がマフィアのボスと知らずに結婚した「アン」って女性は…。

鈍すぎではないですか?



読み始めは結構面白かったんですけど、何だか、この主人公の精神科医、

自分が命を狙われてると分かっているはずなのに、一人でふらふら外出するし、

警察そっちのけで犯人探しをするし。

「あ、危ないからやめておいたら、どう?」

・・・って気分になりました。

ン~…。

でも、展開が極端で飽きさせないし、退屈してる時に読むにはいい本かもしれないです。





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シンプルな情熱  アニー・エルノー 堀 茂樹訳  早川書房

2005年03月07日 | ’05年読書日記
一転、こちらは自分の恋愛体験を、ずいぶんとシンプルな文体で書きました、エルノー。
ほとんど全編にわたって,自分(女)の内面にスポットライトを当てているので、相手の男の人の性格などがよく分かりません。

こちらも訳は堀さん。(ブラボー!!)
あとがきもとっても長く、私としてはあとがきの方が興味深かった…です…。


主人公は、身も心も相手のとりことなり、のめりこんでいきます。

私は、(冷めているかも知れないけれども)ここまで、他者に自分を乗っ取られたくはないです。
たとえ家族であっても、ここまで自分の領域を侵されるのは…ちょっときついです。


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ロンドンの生卵  松浦健介  立風書房

2005年03月07日 | ’05年読書日記
前にも書きましたが、日本で長い事、やり手サラリーマンだった著者が、そのサラリーマン生活に見切りをつけ、妻とともにロンドンに移り住み、その生活をエッセイにした本です。

所々著者によるイラストがあり、なかなか面白い本でした。
(が、文句を言いたい箇所もあります…それは後のほうで…)

読んでいて、私が知らなかったロンドンの様子などが発見できました。
以下、箇条書きにいたします。

*ロンドンは、メキシコ湾流の恩恵に浴し、日本の札幌よりも、緯度で8~9度も北に位置しながら、札幌より暖かい。(山が少ないので、雪もあまり降らず、降っても積もるほどではない)

*ロンドンは、都会なのに公園があちらこちらにあり、よって緑が多く、日本でお目にかかれないような鳥たちを見ることも出来る。

*果物の種類が豊富にあり、中でもメロンは一個180~200円ほど。(うらやましい。食べたい。)



『著者紹介』の写真を見ると、「老後の生活」をするには、ちょっと早すぎるんじゃないですか、と言った印象のする著者です。
奥様などは著者より10~20歳は年下なんではないでしょうか。夫がたまに本を書くくらいで定職についていなくて、心配じゃないんですか?…などと、これは余計な心配ですね。

まあ、この本の趣旨は、「お金のある外国人がロンドンで暮らすと、こんなに快適だよー!」…といった感じなんでしょうか。
松浦さんにとっては、ロンドン暮らしは全くもって快適のようで、イギリスの「暗い部分」に関する話し、たとえば、(アジア人(人種)差別)の話しも、(イギリスのどうしようもない階級社会)の話しもこの本には出てきません。


ひねくれもののわたしは、「外国には、日本に比べると、こんなにいいところがある。日本と違ってこの国はほんとにすばらしい」みたいな話をテレビやその他のメディアで見聞きするのがすごく嫌いなんです。

日本人がそういってるのを聞くと、「何であんたは日本人なのに、わざわざ日本人を落ち込ませるような事を言うのよ」…と,多少腹が立ちます。

どんな国にも、いいところ、悪いところがあると思います。
いい所だけ取り上げて、「ほぅら、この国は日本に比べてこんなにすばらしい」と言ったところで、説得力はありません。


ロンドンの「いいところ」を探すには、もってこいの、この本です。
ほんとに、快適そうで、自然が多く、暮らしやすそうではあります。

でも、ひねくれ者のわたくしめは、イギリス階級社会(不平等社会?)なるものに、少々興味がありますので、いい所ばかりではなく、そういった点においても、(お金を持った外国人)からの視点でいいから、えがいて欲しかったです。

そうすれば、「ロンドンのいいところ」も、もっと際立って訴えかけてきたでしょうに。


以上、ひねくれものの感想でした。







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バースデイ・ストーリーズ 村上春樹 編訳 中央公論新社

2005年02月24日 | ’05年読書日記
誕生日をモチーフにした欧米の短編小説のオムニバスです。

この中にわたしのお気に入りのイーサン・ケイニンの短編が入っているので、図書館で予約して、やっと借りることが出来ました。


さてさて、そのイーサンの小説ですが、タイトルが「慈悲の天使、怒りの天使」といいまして。

あらすじ…71歳の誕生日を迎えた朝、その老女の部屋に大群の鳥が飛び込んで来ます。困った老女は、医者をしている息子に電話をするのですが…。


この老女は、痴呆なのかな?それともただのひねくれもの?

息子が「警察に電話しちゃ駄目だよ、動物保護局に電話するんだ」と言えば、警察に電話するし、その後電話して現れた動物保護局の女性には本当は71歳なのに「今日は81歳の誕生日なの」なんて言いますし。

鳥に向かって「うちの夫はフランクリン・ルーズベルトのお友達だったんだよ」なんて言ったところで一体、何をしたかったのですか???^^;

わたくし、イーサン・ケイニン大好きなんですけれど、この短編では何を言いたかったのかよく分かりませんでした。

あっ、それとも、読者を混乱させるのが狙いだったのかしら?(そんなバカな)


この、「慈悲の天使、怒りの天使」以外にも、沢山の、誕生日関連の小説が載っておりますが、「誕生日」と言う言葉から連想される、おめでたい、楽しい,或いは家族(もしくは恋人?)とともに過ごす幸せな雰囲気とは程遠い、どろどろした感じのお話が多かったです。

最後に、村上春樹さんの書いた、短編が載っていますが、(これも誕生日モチーフです)なんだかおしゃれなイタリアンレストランにも、週2回(3回だったかしら)のテニスにも縁遠いわたくしには、、、、な、何と言うんでしょう。。。あまりピンと来ない小説でした。

ハイソな人向け小説なんでしょうか。
残念ながらわたくしは堂々たる庶民なんですよ、村上さん。





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ある女  アニー・エルノー  堀 茂樹訳  早川書房

2005年02月22日 | ’05年読書日記
前に書きました、「場所」は、作者の父親を語ったものですが、こちらは母親についての本です。

このおかあさん、最後には老人性痴呆症になってしまい、養老院のようなところで余生を送る事になってしまいます。
若い時は、商店の女あるじとしてきびきびと働き、一人娘を立派な学校へと送り、お客さんたちの信頼を得、いろんなこと(自分の階級以外の、つまりはブルジョワの暮らしについても)を必要に応じて柔軟に学んで行った、気性の激しい、賢い女性。

そんな彼女が、自分の持ち物について、自分の仕舞ったものの場所について忘れ、孫の顔すらも忘れ、ついには何もかもを思い出せなくなります。

人間って、何なんだろう…なんて思いました。
私は自分の父親の死を、体験していますが、こんなに、本人も回りも辛い思いをして人生を閉じていくのって、あまりにもむごすぎるんじゃなかろうか。

そんなことを思いました。

「ある女」も、「場所」と同じく堀 茂樹さんの訳なのですが、とても読みやすいですよ。
あとがきももちろん読みましたが、アニー・エルノーのほかの作品「シンプルな情熱」について、ある日本の女性作家が、ぼろくそにけなしているのに対して、上品に、静かに、しかしはっきりと反論していらっしゃいます。
堀さんの、アニー・エルノー作品に対する愛情を感じます。
とても読み応えのあるあとがきです。



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とけい

ぽいんとぼきん