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読書 音楽 映画について

「おわりの雪」 ユベール・マンガレリ 白水社

2005年07月28日 | ’05年読書日記
前の記事で、「主人公が何歳なのか分らない」といっていましたが、全部読んでみて、どうやら10代半ば~後半くらいかな?と思いました。
また、「お父さんが寝たきりで…」などと書きましたが、どうやら老人だからではなく、病気だったからのようでした。

作品の中にハッキリと「病気で、…」などと説明がしてないので、最後まで読まないと把握できませんでした。

主人公が、トビという鳥が欲しくて少しずつ貯金するのですが、なかなか目標の金額まで行かず、残酷な”仕事”を、戸惑いながらも請け負います。
最初、なぜそんなにしてまでトビが欲しいのか、よくわかりませんでした。

最後のほうを読んで、病床の父親にその鳥を見せ、二人で楽しいひと時を過ごしたかったからだ、と分りました。

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「ハゴロモ」 よしもとばなな 新潮社

2005年07月25日 | ’05年読書日記
18歳から8年間、写真家の男性の愛人として生活していた主人公が、突然別れを切り出され、傷心のまま故郷に帰ってきます。
そこで、祖母が経営している喫茶店を手伝ったり、昔「きょうだいになる予定だった女性(親同士が再婚しそうなところまで行ったから、です)」と再び交流を始めたり、母親の介護をしながら無許可でラーメン店を営む男性と知り合うなど、様々な経験をします。

半分ファンタジーのような小説です。
今まで、愛人の彼と一緒でないとやりたい事もなく、行きたいところも見つからなかった彼女が、だんだんと自分を再構築していく様子が優しい感じで描かれています。

占い師…を職業とする人が、チラッとですが出てきます。
それほど占いが大好きなわけではありませんが、当たっている事を言われると、ドキッとするでしょうねぇ。

これは2003年出版の作品ですが、よしもとさん、名字の表記が漢字から平仮名になったんですねー。



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「心の休ませ方」  加藤諦三  PHP出版社

2005年07月20日 | ’05年読書日記
暑いですねぇ…。
頭がぼんやりします。
ちょっと前に読んだ本の感想でも書いてみます。(←暑くて気力がない)

高校生くらいの頃、心理学関係の本に興味があり、この人の本をよく読んでいました。
この本以外にも、一杯一杯著作があります。

この方の肩書きは、「早稲田大学教授」「日本精神衛生理事」「産業カウンセリング学会理事」
「ハーヴァード大学ライシャワー研究所準研究員」…だそうです。
特に医者とか、心理学者とかではないんですね。

幼い頃の環境と、脳の働きの個性によって、「幸せな人」と「不幸せな人」の違いが出る。
ありのままの自分をすべて受け止められて育ち、しかも非抑制型の脳を持つ人には、「自分を偽り周りに無理をして迎合し」、抑制型の脳を持って生まれた人の苦しみはなかなか理解できないということらしいです。
しかし、後者の人の苦悩は計り知れないほど深い、と。

高校生くらいの頃、「ありのままの自分」と言う言葉の意味がよくわかりませんでした。
(心理学関係の本によく出てくるのです、この言葉)


しかし、人間の心ほど深いものはない、と常々思っているのですが、それを日常的に(子育てによって)育てている自分は……責任重大すぎて、たまに逃げたくなったりなんかしたりして。^_^;
そういう時は、音楽、読書、ですね~。それで元気が出たら、また”人間育て”、ちゃんとしないと。^_^;


あ~暑い。(-_-;)西日本の方はもっと暑い(ハズ)。だからかき氷でも食べて我慢我慢。。。







コメント (2)
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「大草原の小さな家」 ローラ・インガルス・ワイルダー  福音館書店

2005年07月16日 | ’05年読書日記
少し前に、「大きな森のちいさな家」の感想を書きましたが、この本はその続き、続編です。
「大きな森」に移住者が増え住みにくくなったからと、インガルス一家は新しい土地を求めて旅に出ます。

住み着いたのは「インディアン・テリトリー」である、オクラホマ州の大草原。
…というところまでは別にいいのですが、私がビックリしたのは「住めるようにするために」何もかも…家も、家畜小屋も、井戸までも!!…自分たちだけで作り上げているところです。

家が出来るまでは、料理も草原のど真ん中で火をおこしてやります。食事するのももちろん外で。
寝るのは手作りの馬車の中で。(オオカミがいるのにー!!)家族5人揃って寝ます。

お父さんが「ちょっくら材木集めてくるで」(こんな静岡弁ではありませんがもちろん)といい、そこら辺にある自然の材木(丸太)を運び、お母さんとふたりでそれを積み上げてログハウスみたいなやつを造ります。
…と,これはやっぱりちょっと無理があったようで、お母さんは材木の下敷きになって足を怪我してしまい、お父さんは近所に住む独身の男性に手伝ってもらう事になるのですが。

この、「開拓者精神」「フロンティアスピリット」…って言うんでしたっけ?…これは,本当に凄まじいものですね!!( ̄○ ̄;)スゴイ。すごすぎる。とても真似できません。たくましすぎる。御見それいたしました、です。多分私がこういう過酷な生活しようと思っても、病気したりなんだりで足手まといになるのが落ちです。この時代にアメリカ人として生まれていたら、私はきっと自然淘汰されてたな、うん。^_^;


この小説の時代背景は、1870年代半ばごろ。
場所がインディアンの住む土地、「インディアン・テリトリー」なので、お話の中にもインディアン(ネイティブアメリカン?っていうんですよね確か今は)がよく出てきます。

最後に「アメリカ・インディアンのこと」という題で、日本女子大学教員の清水知久さんが解説をしているのですが、この時代は”白人”と”インディアン”との対立の時代だったようで、お互いがお互いを虐殺しあったり、白人がインディアンを差別しようとしたり、かなりひどい事が日常的に起こっていたようです。「西部開拓とはインディアンにとっては生活の侵略であり…」などと書いてあり、このお話も最後には「合衆国政府の方針」によって、1年間かけて築き上げてきた家と畑を捨てて、また新たな土地を求めて旅をする事になってしまいます。

こういう「裏の事情」も含めてこのお話を読んでみると、なかなか深いものがあるな、と思います。




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記憶を埋める女 ペトラ・ハメスファール  学習研究社

2005年07月12日 | ’05年読書日記
ある夏の日の午後、20代の主婦が、夫と子供とともに湖畔に遊びに出掛けます。
その時、隣にいたカップルのうち男性だけを、この主婦は刺し殺してしまいます。
逮捕された彼女は取調べを受けるのですが、その供述は妄想と現実(…と、彼女による故意の嘘)が交じり合い、真相を究明しようとする警部や弁護士を混乱させてゆきます。

*****************************************


後書きに、
冒頭でショッキングな無差別殺人事件が発生するが、…客観的事実と登場人物たちの心理(特にヒロインの妄想、虚偽)が並列されている為、読み手はどれが真相なのかわからず翻弄されてしまう。
…とあるように、私のように、空いた時間を見つけて細切れに読むと、意味が分からず頭の中がゴチャゴチャになってしまいます。
いろいろな登場人物の心の中身が、「一人称」で突然出てきたり、彼女は、という形で「三人称」で出てきたり、また、時間の流れを無視して物語が昔のことに戻ったり今に戻ってきたりするので、正直私には読みにくい本でした。

それでも、主人公の生い立ちはなかなかひどく、「これではたまらない気持ちになるのも無理はない」と共感しました。

かなり分厚い本ですが、出来れば1日か二日で、しかも「ものすごく集中して」一気に読んだ方が理解できる本だと思います…といいますか、何かの学問を研究するかのように一つ一つの文章を熟読していかないと、理解不能な感じの本です。



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大きな森のちいさな家 ローラ・インガルス・ワイルダー  

2005年07月07日 | ’05年読書日記
これは、1870年~1880年代に作者が過ごした少女時代のことが書かれてある本です。

場所は、アメリカ・ウィスコンシン州。
「大きな森」の丸太小屋に、ローラと、とうさん、かあさん、姉のメアリィ、妹のキャリーとが生活しています。
ローラが5歳から6歳までの一年間の森での生活が、何もかも初めてで好奇心いっぱいのローラの目を通して、冬、春、夏、秋と季節を追って描かれています。

これは児童小説ですが、この年代の生活の様子…まだ開けていない頃の「アメリカの生活」…を詳しく知る事が出来、とても興味深く読めました。

今では考えられないほど「手間ひまをかけないと生活自体が成り立たなかったんだろうなぁ…」…と思いました。

まず食料ですが、これはお父さんが猟をしてしとめて来たクマ、鹿などの肉と、後は牛(酪農もしていたらしいです、この一家)から絞った牛乳でお母さんが作るチーズやバター。
後は野菜も自分のうちで作っていたようです。
着る物は、とうさんが街に行った時にクマの毛皮などと取り替えてきた布で、お母さんが作っていたようです。

ウィスコンシン州はこの本についていた地図を見ると、アメリカの中央あたり、…の一番北に位置していますので、本文中にもある通り、冬の厳しさはかなりのものだったようで、ローラもメアリィも冬は外に出て遊ぶ事さえままならなかったようで、外で体を動かして遊ぶ事の大好きな小さい子供にとってはかなり我慢を強いられる事だったのでは、と思いました。

この本には、たいした大きな事件もおこらず、ただ淡々と日々が過ぎて行くのですが、読んでいて一家の、大変だけれど幸せそうな様子が感じ取られ、ほのぼのとした気持ちになりました。




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