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燃えつきるまで  唯川 恵  幻冬社

2005年03月26日 | ’05年読書日記
31歳の仕事に燃える女性が、5年間付き合った彼から別れを切り出されます。

その衝撃をうまく処理できない彼女は、体調を崩し始め、思考回路もだんだんとひねくれた方向に向かい、ついにはストーカーまがいの事をしてしまいます…って言うかこれって立派なストーカーじゃん?!ってな事をしでかします。

確か本の中に、

「人生は(こんなはずじゃなかった)との闘いだ…」

みたいな事が書いてあったと思うのですが、はぁ、確かにそうかもしれないな、なんて納得しました。

まぁ、人様を羨んでいたらキリがありませんし。

「だれが見ても幸せそうな、誰からもうらやましがられる人」…にだって、その人にしか分からない苦労、って言うもんがありましょうし。

「誰が見ても哀れみをもよおすような人」(そんな人いるのかなぁ???)には、その人にしか分からない幸せがあって、それを静かにかみしめて毎日過ごしているのかもしれませんしね。


要は「自分で自分を幸せに出来るか」「自分で自分を好きになってやれるか」
…って事でしょうか。
これが一番難しかったりするから、人生って大変なんですよね~とかえらそうな事言って唐突に感想おしまいです。







******************
私は既婚者なので、もう恋愛はしない予定ですが、恋人のいる方は(特に長いお付き合いのいる方は)別れ話をするときは相当慎重になったほうがいいのでは?!…わだかまりが残ると、怖いんだろうな~~~!!!と、読んでいて思いました。
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幽閉  アメリー・ノトン  中央公論新社

2005年03月26日 | ’05年読書日記
この本のテーマは…

果たして愛ゆえの悪徳は許されるのか?

…です。(あとがきをそのまま写しただけです)


架空の小島、モルト=フロンチエールで生活する老船長ロンクールと孤児アゼル。(ふたりは愛人関係にあります)

二人のもとに送り込まれた看護婦フランソワーズは、ロンクールの過去を暴き、アゼルを老人のもとから救い出そうとします。

何でアゼルはこんな牢獄みたいな屋敷から逃げ出さないんだろうと疑問になるところですが、船長の巧みなうそと屋敷に仕掛けられた小細工?(ずいぶんと大掛かりですが)によって、逃げようと言う気持ちにすらなっていません。

この、「屋敷に閉じ込められている状態」があまりに異常なので、この本を読み終わった日の夜、一晩中変な夢(盗賊に押し入られたり、命を狙われていたり…)に悩まされました(>_<)


アゼルを救おうとする看護婦は、途中から、うそだろうと言うくらいに口が悪くなり、老人に向かって

「おぞましいうぬぼれ屋ね。あの繊細な娘があなたのようなエロじじいに惚れるとでも思っているのかしら」

などと言い放ちます。

彼女の口の悪さにもびっくりですが、危険を冒してまでアゼルを救いたかったのはなぜなのかなー、などと思いました。

私だったら「…関わり合いになりたくない。面倒だから」ということで、看護の仕事が終わったらさっさと家に帰って、上司に命令されても二度と行こうとはしないでしょう。

フランソワーズは、アゼルに、同性愛的な感情を持っていたのかもしれませんね。(こういう世界はあまり得意ではありませんが)
そうでもしなければ、こんな異様な屋敷に住んでいる危なそうなおじいさん相手に戦いを挑もうなんて気には到底なれそうもありません。


この本は、変わったところがあって、お話が終わったな、と思ったら、もうひとつの結末、というのが用意されておりました。
どちらの結末になったのかを決めるのは読者の自由、と言うことなんでしょうか。

ん~。私としては、二つ目の方(後に書かれてあるほう)が、しっくりするのでは…と思いました。







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R.P.G. 宮部みゆき  集英社文庫

2005年03月21日 | ’05年読書日記
ん~…そうきましたか。
この展開は意外でした。
ミステリーものって(あまり沢山は読まないのですが)、「この人が犯人かなぁ…」などと、自分で予想しながら読み進めていくものですが、この本に関しては、私の予想は大はずれでした。

あ、ですが、読み始めたとたんに、「あ、こいつが犯人だなっ」と、自分が思った予想そのままの展開だと、それってものすごくつまらない本って言う事になりますよね?

…ということで、んー。このR.P.G.は、そうつまらなくはなかったです。

な、なんか、力はいっていませんね、今日の感想…。すみません。
体調が本調子じゃないんです(いいわけです)。

宮部みゆきさんは流行作家さん…今はこういうのが流行っているのかぁ~…ほお…。
ん~。
す、すみません、正直にいうと、そんなに心に残って、ずしっと来るほどの小説じゃ、なかったです。

この犯人も、10年前だったら「そ、そんなぁ…」と、意外な感じしたでしょうが、今は色んな犯罪が起こっていて、小学生が小学生を手にかける、なんてことも実際にありましたからねぇ…。

嫌な事ですが、「犯罪を見聞きするのに慣れて」来てるんでしょうか。
あああ、嫌ですね。
テレビをつけても、新聞読んでも、嫌な事件・事故ばかりで・・・。
少しでも減っていって欲しいけれど、それがすぐにかなわないのなら、せめて、いい小説を読んで、いい音楽を聴いて、楽しいお友達と交流を愉しんで、少しでも楽しい毎日を送りたいものですね。

と、言う事で、…、。
とりあえずわたくしは、病気を治します。…(>_<)
皆様はお元気で、3連休最後の一日を、楽しくお過ごしくださいませね。







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顔  シドニー・シェルダン  アカデミー出版

2005年03月14日 | ’05年読書日記
まぁ~…。

何と言いますか、この世界…。

黒幕はマフィアのボス、ですか。

しかし、その人がマフィアのボスと知らずに結婚した「アン」って女性は…。

鈍すぎではないですか?



読み始めは結構面白かったんですけど、何だか、この主人公の精神科医、

自分が命を狙われてると分かっているはずなのに、一人でふらふら外出するし、

警察そっちのけで犯人探しをするし。

「あ、危ないからやめておいたら、どう?」

・・・って気分になりました。

ン~…。

でも、展開が極端で飽きさせないし、退屈してる時に読むにはいい本かもしれないです。





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シンプルな情熱  アニー・エルノー 堀 茂樹訳  早川書房

2005年03月07日 | ’05年読書日記
一転、こちらは自分の恋愛体験を、ずいぶんとシンプルな文体で書きました、エルノー。
ほとんど全編にわたって,自分(女)の内面にスポットライトを当てているので、相手の男の人の性格などがよく分かりません。

こちらも訳は堀さん。(ブラボー!!)
あとがきもとっても長く、私としてはあとがきの方が興味深かった…です…。


主人公は、身も心も相手のとりことなり、のめりこんでいきます。

私は、(冷めているかも知れないけれども)ここまで、他者に自分を乗っ取られたくはないです。
たとえ家族であっても、ここまで自分の領域を侵されるのは…ちょっときついです。


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ロンドンの生卵  松浦健介  立風書房

2005年03月07日 | ’05年読書日記
前にも書きましたが、日本で長い事、やり手サラリーマンだった著者が、そのサラリーマン生活に見切りをつけ、妻とともにロンドンに移り住み、その生活をエッセイにした本です。

所々著者によるイラストがあり、なかなか面白い本でした。
(が、文句を言いたい箇所もあります…それは後のほうで…)

読んでいて、私が知らなかったロンドンの様子などが発見できました。
以下、箇条書きにいたします。

*ロンドンは、メキシコ湾流の恩恵に浴し、日本の札幌よりも、緯度で8~9度も北に位置しながら、札幌より暖かい。(山が少ないので、雪もあまり降らず、降っても積もるほどではない)

*ロンドンは、都会なのに公園があちらこちらにあり、よって緑が多く、日本でお目にかかれないような鳥たちを見ることも出来る。

*果物の種類が豊富にあり、中でもメロンは一個180~200円ほど。(うらやましい。食べたい。)



『著者紹介』の写真を見ると、「老後の生活」をするには、ちょっと早すぎるんじゃないですか、と言った印象のする著者です。
奥様などは著者より10~20歳は年下なんではないでしょうか。夫がたまに本を書くくらいで定職についていなくて、心配じゃないんですか?…などと、これは余計な心配ですね。

まあ、この本の趣旨は、「お金のある外国人がロンドンで暮らすと、こんなに快適だよー!」…といった感じなんでしょうか。
松浦さんにとっては、ロンドン暮らしは全くもって快適のようで、イギリスの「暗い部分」に関する話し、たとえば、(アジア人(人種)差別)の話しも、(イギリスのどうしようもない階級社会)の話しもこの本には出てきません。


ひねくれもののわたしは、「外国には、日本に比べると、こんなにいいところがある。日本と違ってこの国はほんとにすばらしい」みたいな話をテレビやその他のメディアで見聞きするのがすごく嫌いなんです。

日本人がそういってるのを聞くと、「何であんたは日本人なのに、わざわざ日本人を落ち込ませるような事を言うのよ」…と,多少腹が立ちます。

どんな国にも、いいところ、悪いところがあると思います。
いい所だけ取り上げて、「ほぅら、この国は日本に比べてこんなにすばらしい」と言ったところで、説得力はありません。


ロンドンの「いいところ」を探すには、もってこいの、この本です。
ほんとに、快適そうで、自然が多く、暮らしやすそうではあります。

でも、ひねくれ者のわたくしめは、イギリス階級社会(不平等社会?)なるものに、少々興味がありますので、いい所ばかりではなく、そういった点においても、(お金を持った外国人)からの視点でいいから、えがいて欲しかったです。

そうすれば、「ロンドンのいいところ」も、もっと際立って訴えかけてきたでしょうに。


以上、ひねくれものの感想でした。







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とけい

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