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読書 音楽 映画について

別れるということ    ダン・フランク

2007年11月30日 | 読書記録
結婚七年目の夫婦の危機。
妻が夫に言う。「私、好きな人が出来たの」

三人称で書かれた文章、しかも最後まで登場人物の名前が出てこない。
主人公(別れを突き付けられた夫)がたくさんの友人達に助言を求めるが、友人達の名前はイニシャルで表される。
淡々と、話が展開して行く。
それだけに、別れに向かって行く時の、辛さ、ぼう然とするような絶望感が伝わって来る。

文中に1968年のパリ革命の事が何回も出て来る。

詳しくは知らないが、この夫婦の思想などに影響を与えているようだ。


でも結局は醜い、うんざりするような争いが繰り広げられる。

淡々とした文章が、その負の部分を補っているような気がしました。




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Paninaro Pet Shop Boys

2007年11月30日 | 音楽その他
この人が歌うなんて…。見てみたいなぁ。
また来日してください。
Paninaroも忘れずにね。
(Paninaroはクリスがリードボーカルでコーラスが二ール)
曲自体は好きでも嫌いでもないけど、クリスが歌っている曲はごくわずかだから珍しいといえば珍しい。

you,you'er my lover
you'er my hope
you'er my dreams ,my life

my passion,my love,my sex,my money
my violence, religion …everything.


you tube--”paninaro” (live)


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さようならということ ダン・フランク  〈LES ADIEUX  Dan Frank〉

2007年11月22日 | 読書記録
主人公のマティアスは、画家である。
冒頭、ほんの少しページを読めば、彼が相当の変わり者である事が分かる。
ほとんど話をしない。一人暮らしのアパルトマンでは、管理人と犬猿の仲。

彼が唯一、まともに社会と接している事は、画廊の経営者フェルディナンに絵を売る事だけ。

絵を描いて一応生計が立てられているのだから、才能があるのだろう。

そんな彼が、一人の女性と知り合う。
二人は互いに惹かれ合うようになる。
…のはずなのだか…。


途中から、いや始めから、なんかおかしいな、と思いながら読んでいたが、結末がこうだとは。

どこまでが現実で、どこまでが幻想なのか、ページをめくって確かめようとしてしまった。

マティアスが余りにも…服装や生活スタイルだけでなく、内面の思考回路が…尋常でないほど特殊なので、読んでいるこっちが時々混乱してしまう。


それでも読んだあと、いい本だったな、と、割と良い気分になれたのは、後書きにもあったように『…(作者は)悲しみや悲哀を語らず、憐れみも甘えもなく大言壮語もしない』で、淡々と物語を語るからかもしれない。

ほら、マティアスはこうなんだよ、と言ったきりあとは読者まかせ、どうとらえてもこちらの自由。
…という感じで、押し付けがましいところがないのが良かった。

それに、こういう小説も、マティアスも、嫌いじゃない。
こういう本も、そしてこのような人生もあるだろうな、と思った。

この作者の別の作品も読んでみたいな、と思った。



原題の”LES ADIEUX”は、本文の中に度々登場するベートーベンの、そのなかの一つの作品(ピアノソナタの第26番だそうです)のフランス語名だそうで、最後のほうにこの曲が登場します。

”LES ADIEUX”…アデュ(さようなら、永遠の別れ)の複数形だそうですが、残念ながら私はこの曲は聴いた事がありません。




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対象喪失  小此木 啓吾

2007年11月20日 | 読書記録
家族など、自分の大事な人を失ったときに人はどのような反応をするのか。
また、その他受験の失敗、失恋など、失った対象(人間に限らず、抽象的なものでも)に対して、どのような反応を起こすか。

具体的に実例を示して説明している。

また後半は、フロイトの研究や、彼の身に実際にあった事柄などを示し、分析している。

フロイトは精神分析学の創始者(とこの本にあった)、…なので雲の上の人、のような気持ちでいましたが、お父さんの葬式に遅れたとか、その葬式を簡素に済ませようとして身内に反対されたとか、友人の研究したことを、さも自分が研究したかのように発表していたりだとか、そんなエピソードを見ると、フロイトも人間なのねぇ…と、当たり前のことを思いました。
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イラクサ  アリス・マンロー

2007年11月13日 | 読書記録
短編集ですが、一話一話が長いので短編と言うより中篇と言う感じ。

なぜか女性作家の本にはあまり興味がもてなかったり、読んでもあまり印象に残らなかったりすることが多いけど、この本は読んでよかったなぁ、と思える本だった。

登場人物…主人公たち…が、みんな欠点やずるさや…よく分からないけどそういうものを持っているように描かれている。
それが当然のように書かれている。

人間って、こんなにずるいのか…、と一瞬思ったが、それも当たり前のような気がしてきたり。
ずるい所とすばらしいところ、誰でもが二面性があるのよ、そんなの当たり前でなんでもないことなのよ、とでも言いたげな感じだ。


老人のことや、それを取り巻く人々の、少々ギョッとするような内面を描いても見せている。

作者は1931年カナダの生まれ。
若い作家には書けないんだろうなぁ、、、こういうのは。と、思いました。

特にいいな、と思ったのは、一番最初に収録されている「恋占い」、後「家に伝わる家具」…などでした。

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モンパルナスの灯

2007年11月07日 | 映画その他
モンパルナスの灯

画家モジリアニの人生の一部分を描いた映画。
現在、モジリアニの絵は世界中の美術館が欲しがるが、生前、彼の絵は評価されなかった、と、映画の始まりに説明が入る。


映画の始めから既に酒浸りですさんだ生活をしている。
しかし、モジリアニを演ずるジェラール・フィリップは本当にハンサムだ。

モジリアニを取り巻く複数の(過去の)女性、隣りに住む友人(男性)の助けで何とか生き延びている状態で、見ていて痛々しい。

妻のために生活費を稼ごうと、カフェの客一人一人に自分の下書きみたいな絵を見せ、「一枚いかがですか」
結局買う客は独りもいない。

最期の時も、余りにも無残で悲しい。

でも、好きな絵を描いて、たくさんの女性に愛され…と、これは映画だけの話かもしれないが…。

白黒映画ですが、古くさーい…という抵抗感なく、物語の中にスッと入っていけた。


いい映画でした。


モンパルナスの灯(1958) - goo 映画




ジェラール・フィリップ オフィシャルサイト(日本語)
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Elton Jhon

2007年11月07日 | 音楽その他
1. Your Song
2. I Need You to Turn To
3. Take Me to the Pilot
4. No Shoe Strings on Louise
5. First Episode at Hienton
6. Sixty Years On
7. Border Song
8. Greatest Discovery
9. Cage
10. King Must Die


11. Bad Side of the Moon
12. Grey Seal
13. Rock & Roll Madonna

私が気に入ったのは下の曲たちです。

I Need You to Turn To
Sixty Years On
Border Song
Cage
King Must Die

ぴりぴりした緊張感がいいな、と思った。
コメント (3)
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灰色の魂 フィリップ・クローデル

2007年11月07日 | 読書記録
第一次世界大戦中の話。
小さな町で、殺人事件が起こる。被害者は10歳の少女。
小さな町では戦争中にもかかわらず、工場で働き、普通に暮らしている人がいる。
その一方、丘の向こうでは毎日爆撃音が鳴り響く。


灰色の魂、と言うタイトルのとおり、殺人事件の真犯人は。
…それ(事件)に関係なく、主人公と知り合いの人たちのいろんな境遇。

いろんな性格の人々、いろんな境遇の人々、この時代の雰囲気。

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とけい

ぽいんとぼきん