nursling,

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鏡をみてはいけません (読み終わりました)

2004年12月28日 | ’04年12月読書日記
主人公の彼女の出した結論には、一応納得しましたが。

大事なところですぐ逃げる彼女の愛人!

なんでもなあなあがいい、って言うのもまぁ、彼の心情なんでしょうが。

私はついていけないかも…。

*心に残った文章*

”「家族は無理したらあかん、思てる」

この無理はただの無理ではなく、律に言わせると、もっと大きなもの、いろんな意味を含めたものであるらしい。
エゴがあるのになさそうに見せる無理、優しくないのに優しそうにみせる虚栄、人を傷つけるまいと思って本当のことをかくす無理、…そんなものを暗示しているらしい。”(p273)





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「昨日 (Hier)」  アゴタ・クリストフ  早川書房   ~読み終わりました~  

2004年12月22日 | ’04年12月読書日記
昨日の夜、読み終わりました。
主人公が捜し求め、そして出会えたと思っていた{リーヌ}と言う女性は
(実はおなじ国出身の幼なじみなのですが)
彼の頭の中の幻想に過ぎなかったんですね。
彼女がいれば、(そして自分のもとに来て一緒に暮らせれば)全てがばら色になるなんて。
そんな人、いませんよ。
世の中にそんな人、いるわけありませんよね。
自分を完璧に幸せにしてくれる他人なんて、いません。

第一、完璧な幸せなんて、ありえませんよね。
完璧を求めたら、自分が苦しくなって、病気になってしまうだけです。

デビット・バーンズ博士(アメリカの精神科医、【いやな気分よさようなら】と言う彼の著作を読んで、感動しました。彼は、私の尊敬する人になりました)
もおっしゃってます。

「中ぐらいであれ!」


主人公の彼は、長い付き合いだった「ヨランド」と言う女性と最後に結婚します。
付き合っているときには、表面上は優しく接して、その実心の中では散々彼女の事を悪く言っています。

 …ヨランドのようなタイプはこの世には無数にいる。美しくて,金髪で、多かれ少なかれおろか な女たち。そのうちの一人を選び、付き合う。しかし、ヨランドのようなタイプは孤独を埋めて はくれない。…(p53)


付き合っている最中は、彼はリーヌに夢中で、ちっとも彼女を大切にしていないのですが。
結婚後、彼は言います、{私の妻ヨランドは、模範的な母親だ。}

自分の幸せは、非現実的なほど完璧ではないが、現実的なものであると、主人公は思っているはずですね。
…と、私は思いたいです。
最後に彼はやっと、不幸な過去を清算できた…のでしょう。
完璧ではないけれども、…ですが。





さあ、さあ!
今日は図書館へ行って、「面白おかしい本」をさがしてきますよ!!


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昨日   アゴタ・クリストフ 

2004年12月19日 | ’04年12月読書日記
昨日から読み始めました。
主人公の、主に内面の事が書かれてあるのですが、こういう本は、読む人によって好き嫌いがはっきり分かれるかと思います。
私は、結構好きです。

回想で語られる主人公の少年時代はかなり不幸で、同情を誘います。
そのあと彼は、「西の国へ」と逃げてゆき、今に至るんですが、著者自身もハンガリーからスイスへと亡命した経験があるそうです。(著者は女性です)

まだ全部読んで無いので、これから楽しみに読もうかと思います。


もうすぐ図書館も年末の休みに入ります。
年末年始に本がたくさん読みたいので、図書館で沢山借りてこないと・・・


 
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サザエさん  長谷川町子  朝日新聞社

2004年12月08日 | ’04年12月読書日記
1巻から、23巻まで、つい最近全部読み終わりました。
最初の方の巻では、終戦直後のため、戦災孤児が出てきたり、食べ物の配給の話などが出てきて、時代を感じさせます。
巻が進んでいくうちに、だんだんと磯野さん一家の暮らしぶりも変わって行きます。
磯野さん一家のどたばた話と一緒に、戦後の日本の生活様式の移り変わりを、生き生きとしたイラストとともにたどれる貴重な漫画だと思いました。

さて、テレビアニメーションで有名なサザエさんですが、原作とアニメと、キャラクターの性格がかなり違うような感想を持ちました。
あまり変わらないのはカツオ君くらいでしょうか。

サザエさんは、新婚当初住んでいた借家の大家さんに、「買い手が見つかったから出て行ってくれ」といわれたのに逆上して、大家さんをぼこぼこに殴ってしまいます。
両親と同居したのが、「大家さんを殴って、その借家に居られなくなったから」と言うすごい理由からだと知ってビックリしてしまいました。

あと、わかめちゃんはアニメでは素直ないい子ですが、漫画ではかなりわがままであまえんぼです。(でもそこがかわいいのですが・・・)
動物好きで芸術家肌です。

たらちゃんは、家にお坊さんが来てお経をあげだすと妙にハイになり、きゃっきゃとはしゃいで踊りだすと言う習性があるようです。

そして、私の一番のお気に入りは…波平さん!!
アニメでは単なるガンコ親父ですが(すみません、私にはこう見える)漫画では、喫茶店で美女に見とれて、パンではなくネクタイにバターを塗ってしまう始末。その美女を見てる目が妙に生き生きとしていてなんともいえない感じです。
あと、お酒に酔って帰宅する途中、電車のドアーがぱっと開いた時「ただいまー!!」と言いながら入ってきたり、子供たちが「尊敬する人は、お父さん」と言うのを陰で聞いて一人で照れてしまったり、…原作の波平さんはかなりチャーミングです。
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「ぼくはお城の王様だ」 スーザン・ヒル*幸田敦子 訳   講談社

2004年12月06日 | ’04年12月読書日記
表紙のデザインとタイトルから、子供向けの楽しいお話かと思いましたが、大はずれでした。
主人公は11歳の少年チャールズ・キングショーです。
ある事情から、キングショーと彼の母親は、キングショーと同じ年頃の少年フーパーと彼の父が住む古びた館へと移り住んできます。

表向き、キングショーの母親が、フーパー家の家政婦として働く為の引越しでしたが、実際はキングショーの母親とフーパーの父親は互いに再婚相手を探していたのであり、二人の気持ちが固まった時、キングショーはある決意をします。

フーパーはキングショーを徹底的にいじめぬき(しかもかなり陰湿な方法で)キングショーはそれに耐えながら実際は弱虫のフーパーの世話をしたり、じっといじめに耐えたりしているのですが、周りの大人は彼の状況を全く理解していません。


::::感想::::

読んでいくうちに暗い気分になってしまいました。
キングショーのおかれた状況には全く救いが無く、実の母親も、フーパー氏の妻の座を得ると言う事しか頭に無く、息子の事をひとつも理解していません。
ここまで愚鈍な母親って、実際にはいないと思います。
しかもこんな母親に育てられたチャールズが、どうしてこんなに思慮深くて我慢強いのでしょう?
最後の最後まで、母親は息子の事よりも自分自身の幸せを守るのに自分のすべての神経を注ぎ込むのですが、この母親に限らず、人間はここまで残酷ではないと思います。
残酷な面もありながら、善良な一面やその他、数え切れないくらいいろいろな顔を持っているのが人間ではないかしら…。
人間の残酷な面、冷酷な面を思いっきり拡大させて、それをキングショーの母親と、エドマンド・フーパーに演じさせているように感じました。
また、なぜ、フーパー少年はキングショーをいたぶる事にこんなに執着するのかが分かりません。
理由が分からないので、非難する事も共感する事も出来ず、
「なぜ彼はこんな事をするんだろう??どんなメリットがあるんだろう??」
…というところまでで感想は止まってしまいます。

気分が暗くなったので、今度読む本は、面白おかしくて笑っちゃうやつにしたいです。

*****
◆少年2人は互いに名字で呼び合っていますが、あとがきを読むと、英国の、男子全寮制私立学校 ではそれがならわしなんだそうです。

◆本書「I'm the king of the casle」で、スーザン・ヒルは1971年サマセット・モーム賞を受賞、
 英国では世代を超えて読みつがれ、「今やひとつの古典となっている」のだそうです。

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