魅惑の島 沖縄を知り楽しむ

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予感いろいろ

2016-07-05 18:12:00 | 人間の想い

        

             


予感いろいろ、予感?あらかじめ感じるとか人によってはあらかじめ知る、

予知を持つ人もいると聞く。

よく知られている予感は、恋の予感ですね。恋の予感か~、ずいぶん昔に忘れた感覚ですね。ブロガーの皆さんはどうでしょうか?まだワクワクするような予感を感じるでしょうか。

人によっては、予感が強いのか敏感な反応する能力があるのか分からないがミステリアスな世界に入って行く人もいる。

沖縄では、強い霊感を持つという人たちがいる、自称、他称さまざまな霊感体質の人たちがいるようだ。

琉球の昔から、庶民の間では、ユタと呼ばれる霊感体質の霊媒師が活躍してきた、現代でも一部にいて活躍なのか搾取なのか慰めなのか癒しなのか混沌とした状態である。

マスコミで沖縄のユタが紹介されて全国各地から占ってほしい訪問者が絶えない。若い観光客を案内していると、パワースポットはどこですか?と最近よく聞かれる。

うかつに答えていいものか判断がつかないのが正直なところである。首里城の中でパワースポットは聞かれたら、首里城全体がパワースポットだと言うようにしている。そうすると、そこかしこにたたずみ霊波を受けようと、じっとしているではないか。我ながら本当に霊波があるのだろうかとあやふやな思いにもなる。決して自信をもって言えることではないからだ。

首里城の中なら、昔から男子禁制の空間がある、「京の内」と呼ぶ場所だ。もうひとつある、首里杜御嶽と呼ぶ首里城の守り神がいる謡拝所である、入場券を売る隣にある空間だ。

琉球の御嶽にはご神体がない、あるのは、石三つか、クバの木かガジュマルの木くらいだ、特定の人的神を崇めない、自然だけが絶対神だと信じる琉球の信仰である。ことあるごとに自然を崇拝して恐れ、自然を侮らない沖縄の心、ある意味でユラリズム、ユックリズムなのだ。すべてを受け入れる心、穏やかにしんなりと許す心がある。

田舎の御嶽、集落には必ず村の神様を祀ってある、昔から同じ場所にある御嶽、本当は村の中にあった訳ではなく村はずれの山や森の中にあるのが本物である。

では村の中にあるのは、なぜだろうと思う。

女性が村のために祈る役を任されるのは琉球の長い歴史では当然のことである。女性はいつまでも若くない、年を取れば村はずれの険しい森や山に登るのが辛い、あそこまで行かなくても、ここからお通しをやれば、神様に届くと考えた末、村の中に御嶽の謡拝所が出来る。

なぜその場所に造ったという説明も後世の人たちには伝えずあの世に逝く。残された村人達は、きっとそこは神が宿るから神聖な場所だと大事に保存する。いつの間にか山や森にあるご本尊は忘れ去られるのだ。

南国に熱帯雨林に覆われて、どこにあるのか歴史の流れに隠れて行くのだ。

沖縄の村の御嶽の半分以上がそんな妥協の産物なのだ。

那覇市小禄という地域がある、ユター霊媒師が多くいることでも有名だ。

個人のアパートの部屋の玄関口にいつの間にか、小さなホコラのようなものが建てられる、誰がなぜ、いつ造ったのかも不明なのだ。

ユター霊媒師が、霊感でその場所だと言えば、その場所に勝手に造られることが多い。アパートの家主には迷惑以外の何物でもない。

無秩序状態である。ある意味で可笑しくもあり、バカバカしいでもある。

母が生きている頃、首里の十二か所の寺廻りをやるのでついて行ったことがある。四か所×三干支=十干支が回れるので人気の拝みコースである。

悩みがあるが自分で祈る方法が分からない人が、ユター霊媒師に依頼して寺廻りを一緒にやることが多い。ユタの日当は3万円、運転手付きであればさらに一万円を上乗せして払う、さらに一流の食事処で昼食を提供しなければならない。

ある寺で見た、年のいった女性ユタが男性を連れて来た、仏さまに祈る言葉を聞いていると、依頼の男性は独身で結婚相手もいない、早く結婚相手が見つかりたいと祈願しているようだ。

ユタが真面目な顔で祈る、側に座る男性は年の頃、60後半、冴えない男、傍目にも、結婚は無理ではと思う印象、こんな神頼みがかなうわけないと誰がも思う光景なのだ。

よくもそんな初心な熟年男を騙して結婚頼みの拝みの仕事を得たものだと呆れるものでした。


tiger60

世の中、さまざまな事が起きている。昔も今も心の問題なのかも知れないと考える。面白いのが人間でもある。予感いろいろで恋の予感をロマンチックに書こうと思ったが、結局はユタ談義になった。

沖縄の風習や村のありかたを少し知ってもらえれば嬉しい次第です。