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遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

MAM『父と暮らせば』

2016-12-12 01:33:34 | 演劇を見てきた

2016/12/11

・二次大戦後、心に深い傷を負ってしまった美津枝が、執拗に恋の応援をしてくる父親の竹造と対立する話。

・井上ひさしの代表作のひとつ。

・「対立→和解」という二人芝居の形式の中で、伏線を回収しつつ、観る側の予想を交わしつつ、解決に至る。

・戯曲から入り、映画は観たけど、演劇は初めて。

・東京と札幌の役者さんが、それぞれのチームで交互に上演する趣向。

・自分が観たのは楽日。札幌の松橋勝巳さんと東京の松村沙瑛子さんのシャッフル回。

・個人的に好きな話だということもあり、直近に似た題材を扱った傑作『この世界の片隅に』を観たこともあり、松橋さんで間違いは無いだろうと思いつつも、期待と不安半々で見る。

・しかし、当たり前のよう杞憂で終わった。

・大きな演出効果はなく、親子の会話と語りだけで約90分、充実した上演時間だった。

・渋く、時にコミカルな松橋さんと、凛として、時にやっぱりコミカルな松村沙瑛子さんとのかけあい。

・二人芝居で役者の力量に差があると萎えるが、きちんと拮抗していた。

・責任感と優しさがあるからこそ、自分の未来に蓋をしてしまう美津枝を、竹造はどこまでも救おうとする。

・広島弁のやり取りがリズムよく、かわいらしいので、観れば観るほど親子のことが好きになっていく。

・一寸法師のくだり、おじぞうさんのくだり、徐々に美津枝の傷が具体的になっていくにつれ、幸せになっちゃいけない決まりはないのに、それでも彼女の抱える苦しみに共感してしまう。

・何とかしてあげたいけど観客としてはどうにもならないので、自然、美津枝を応援する竹造を応援する気持ちになる。

・「竹造、なんとかしろよ。こんな優しい子をこのままにしちゃだけだろ、竹造!っていうか、松橋さん! なんとかしてよ!」と思いながら。

・「福村さん」の顛末をきちんと伝えているのも大事なところで、やっぱり『この世界の~』の悲劇を暗示的に示すやり方では足りないんじゃないかと思ってしまった。

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アルカ・イルティス、ティモシー・ジェームズ・ケイン監督『バークレイ・マラソン 前代未聞の超ウルトラ耐久レース』

2016-12-11 11:56:30 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

The Barkley Marathons: The Race That Eats Its Young - Trailer 1

2016/12/9

世の中には色んな変態マラソン大会があるけど、このバークレイ・マラソンもそのひとつ。

コースはテネシー州の山の中。

1周32kmを5周。制限時間は60時間。

距離は目安で毎年コースが違う。

実際には40kmくらいあるらしい。ひどい。

累積高度はエベレスト2つぶん。

コースガイドは「森の中に幹が3本あると言われてもね」というあいまいさ。

茨地帯もあるので、参加者生傷だらけ。

2012年までの完走率は1%くらい。たけし城か。

創始者のラザレスは、ずっとスタート地点で参加者やスタッフに軽口をたたいている。

「スタートの合図は彼がタバコに火をつけたとき」「リタイヤするとラッパを吹く」「ゼッケンと同じ本のページを破くことでコースチェック」と、過酷だけど愛嬌もある。

リタイアする人よりもスタッフのほうが悲しそうな顔をしていることもある。

iPhone越しに見ても、参加者のがんばりに拍手してしまった。

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報告:札幌オーギリングの十二月興行'16『キング・オブ・オーギリング』

2016-12-09 11:45:33 | 報告!

2016/12/9

・12/4のオーギリングに参加してきました。

・今回は2部構成。各部で合わせて2試合出場。

・本戦10月、11月と勝てていなかったのをひそかに気にしていましたが、なんとか1部の試合のほうで勝てました。

・即席チームでしたが、キャラクターの濃さで負けても、本筋である大喜利で勝てたのはよかったと思います。

・ハイスピードな試合展開は得意とするところではありませんが、なんとか乗り切れました。

・安藤選手は、ぞえちゃん選手戦ではどうなることかと思いましたが、着実に力をつけているようです。

・しかし、2部ではチームプレイがうまくフィットせず、自身の読み取りミスも重なり、残念な結果となりました。

・正直、足を引っ張ってしまったように思います。

・チーム戦かつタッグ回答となると、求められる瞬発力の段階が跳ね上ります。

・手数を出せなかったのは大きな反省材料ですが、鍛えるにしてもどうしたらよいのやら。

・次の機会があれば、安藤選手に負けないようになんとか成長していきたいと思います。

・個人的にはそんな感じでしたが、2部では楽太郎選手がメインを制し、見事、現役続行が決定しました。

・「負けたら引退」は、むしろ対戦相手の山本輔選手にとって、かなりハードな牽制だったようです。

・コーナーから見ていましたが、あの「悪ふざけストロングスタイル」の持つペンが震えていたのがわかりました。

・もともと1部と2部で3時間を越える興行を、1対1の対決でしめるというのは、相当なプレッシャーがあると思います。

・それに「相手の引退」を上乗せしたプレッシャーに抗おうとする山本輔選手と、メインと自身の引退を賭けてなお軽く明るい楽太郎選手との対比は、名勝負と呼ぶにふさわしい構図ができていたと思います。

・試合展開だけ見ると一方的でしたが、この試合も間違いなく「いい勝負」のひとつの形でした。

・バッドエンドも有り得たわけですが、オーギリングには、まだまだお客さんを楽しい気持ちにさせてほしい。

・そして、来年のTGRの賞レースにも是非絡んでほしい。

・そのためには、「あんなの演劇じゃない」という人も出てくると思うので、しっかり理論武装しとかなきゃね。

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演劇公社ライトマン『ろうのなかにいる』

2016-12-09 00:55:03 | 演劇を見てきた

2016/12/8

・12/8の回を見に行く。

・地下牢に幽閉された男と看守たちが日常を過ごす話。

・木製の格子の質感が凝っている。いかにも座敷牢。

・演出の重堂元樹くんの前説が細かい。

・開演後、室温が4~5度くらい下がるので、遠慮なく上着を着てほしいというようなことなど。

・そんな細かい前説、聞いたことない。

・オープニングの会話。新聞を眺めながら、天気の話をしながら、食事をしながら、将棋をしながら、女の子が気になっている。

・演劇でここまで動作を重ねるのは珍しい。やりすぎ。

・だからこそ、独自色が出る。

・同時に、男劇団が結構な時間を費やしたからこそ滲み出てくる独特のチーム感。

・食事シーンが多い。

・うんこの話題も多い。

・無駄に体を鍛えている。

・看守が鍛えてるのはわかるけど、20年幽閉されている男までいい体しているのはどういうことなんだ。

・当て書きが的確。

・色んな役ができる役者より、得意な役を持っている役者のほうが強い。

・同時間にたくさん動作を重ねることで、重堂くん不在の舞台上でも緊張感が途切れない。

・経験の浅い脚本家がやりがちな、展開を進めるためのセリフが少ない。戯曲賞受けしそう。

・展開にノイズをつけるのが上手。

・わざわざ演技的に処理しにくいプチトマトを食べるのも、ちょっとしたフックになっている。

・どんな稽古しているのか気になる。

・通して緊張感を維持する力量を示したからこそ、終盤の解釈をお客さんに丸投げする展開にも説得力が出る。

・意味はよくわからなかったけど、ある日、突然「あのあれはああだったのか」と気付けそうな期待感がある。

・ラストの小道具とか、唐突にも思えるリアクションの意図なんかは聞いたら教えてくれるもんなんだろうか。

・つきたての餅はおいしい。

・出来の良さと客席の寂しさの差が激しいので、可能な人は観に行ったらいいと思う。11日まで。

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TGR札幌劇場祭 2016大賞公開審査会・授賞式

2016-12-07 01:54:51 | レポート

2016/12/6

全くの部外者だったが見に行く。

と、思ったらオーギリングには参加していた。

審査の話題にのぼらず、悲しい。

30を超える作品のうち、3作品しか見てない。

それでも、人の感想から大賞の予想を立てたり、作品の雰囲気を想像しながら話を聞くのは楽しい。

前回、キレキレの批評を聞かせてくれたライターの岩崎真紀さんが審査委員長に。

大賞作の『珈琲法要』に対してもポジネガ両面からきちんと批評されていた。

SNSだと、信用できるネガティブ意見はほとんど出てこないので、宣伝やシガラミ抜きで語れる存在はほんとに貴重だと思う。

一方で、演劇批評自体は「作品」になりうるんだろうかということも考え込んでしまう。

演劇は前提のテキストが共有しにくいので、劇評はどうしてもポエムか印象批評になる。

いい方法が発明できたら面白くなりそうなんだけど。

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コンカリーニョ満10歳!記念yearプロデュース演劇公演第3弾『ちゃっかり八兵衛』

2016-12-06 00:32:04 | 演劇を見てきた

2016/12/5

・楽日に見に行く。

・品川の廓で居残りになった「八兵衛」が、借金取りの女に煽られながら、次々と頼まれごとを引き受けていく話。

・居残り佐平次、風呂敷、品川心中、明烏、太鼓腹…落語の各題材をもとにした出来事が次々と起こる。

・落語好きにとっては、おもちゃ箱をひっくり返したような賑やかな話。

・複数の落語の演目をねじ込んでいるので、確信犯的に展開を飛躍させて、その悪ふざけも楽しませる趣向。

・わざわざ一人に何役もさせているのも、落語的と言えば落語的だし、悪ふざけと言えば悪ふざけ。

・そんな戯曲の悪ふざけリクエストに、腕利きの演出と役者陣が応えている。

・演出では、バックにイラストを投射したり、バッグステージカメラを仕込んだり、それ自体に必然性があるのかと言われるとよくわからないけど、「落語のテーマパーク」にいろんな手間をかけてアトラクションを設置している。

・腕のある役者陣も、楽日ということを差し引いても、わかりやすく舞台上で気持ちよくなっている。

・普通は戒められるノリだけど、この舞台に限っては、気持ちよくなってない役者がいると白けてしまうと思う。

・棚田さんの喉がびっくりするくらい枯れていたのも、そんな戯曲からの注文にしっかり応え続けた結果なのかもしれない。

・ただ、見ていると本番中に声が少しずつ回復していたので、どんな技を使ったのか、同業者は聞きに行ったほうがいいと思う。

・また、小劇場の客席に升席を作っているのも初めて見たし、よく訓練された居酒屋のホールスタッフ並に元気のいい会場係の方々も作品の脇をしっかり固めていた。

・客席は満席で年齢層の幅広い。

・思ったより短い芝居ではなかったけど(どこかのサイトに上演時間90分とか書いてあった)、みんな高い集中力で見ていたと思う。

・演劇作品であると同時に「祭り」だった。

・この作品からあふれ出る多幸感がしっかり「生活支援型文化施設コンカリーニョ」の10周年を祝っていた。

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告知:札幌オーギリング 十二月興行'16 「キング・オブ・オーギリング」

2016-12-04 23:30:00 | 告知

というわけで、次のオーギリングにも参加します。

 

もうオーギリングが始まって二年以上。

最初は観客として単純にプロレス風の演出を面白がっていたのですが、

演劇ジャンルの末端にいる人間として、

この規模の興行をこのペースで重ねていくのは驚異的なことだと尊敬の気持ちでいっぱいです。

結果的に単発の公演が重なっていくのと、各公演を線で結んで物語を組み立てていくのは、似て非なるものだと思っています。

いつまで続くのか、どこまで行けるのか。

 

あいかわらず、プレイヤーとして身分不相応な気持ちが抜けませんが、

本気で取り組むプレイヤーの皆さんの足元をすくってやる気は満々なので、

よろしければご覧になってください。

ちなみに、遠藤は一部・二部ともに出してもらえるそうです。

※微妙に鈍の字が違う。 

 

▼▼▼▼▼▼詳細はこちら▼▼▼▼▼▼

札幌の大喜利ファイターが集結!
ちょっと変わった大喜利対決のみのお笑いライブ!
様々なユニットが大喜利対決でガチンコ勝負!
二大タイトルマッチ開催で白熱の大喜利ファイト!
- 今、札幌で一番強い大喜利バトルが見れる!

2016年12月4日(日)
【第一部】16:30開場/17:00スタート
【第二部】19:30開場/20:00スタート

<会場>
演劇専用小劇場BLOCH
(札幌市中央区北3条東5丁目岩佐ビル1F)

<チケット>
【一興行券】1200円
【通 し 券】1600円

Lコード:16408

●8ページカラーパンフ付チケット +300円
●紙テープ3セット付チケット +300円
●パンフ&紙テ3セット付チケット +500円
(各種枚数限定/当日料金300円増)

<出場予定選手>
楽太郎/鈴木/安楽光/GJ/遠藤雷太
ヤギハツマ/三上 翔/澤田へそ太郎/日野ヤヨイ
菊池旭/小原アルト/山本輔/佐々木さん/小林つばさ/及川広大
ノリス・イシハラ/スエヒロッソ/ガイアドラグーンⅡ世/ミウラ・ネーロ・ディ・セッピア/ドン・サトシーノ
喰魔骸/惡暇/ 中島麻載/安藤友樹 他 多数の大喜利ファイター

<進行>
市場ひびき/氏次啓/横澤章悟/佐々木琥太朗 / 上田龍成GM

(出場予定選手は変更になる場合がございます)

<問い合わせ先>
(WEB)http://ogiring.com/
(TEL) 080-6064-4316
(E-mail)wavision.info@gmail.com

チケット予約フォームはこちら

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鈴木大介『老人喰い:高齢者を狙う詐欺の正体』

2016-12-03 00:02:20 | 読書感想文

 

老人喰い:高齢者を狙う詐欺の正体 (ちくま新書)
クリエーター情報なし
筑摩書房

2016/12/2

振り込め詐欺の加害者たちを取材したルポ。

表社会から外れた人たちが働いている…というところまでは想像できるけど、予想外なのは、彼らの高すぎるモチベーション。

手も出る脅しもあるブラックな研修のあとに残るのは、人生の一発逆転を狙う若者たち。

そういう構造を本書ではわかりやすく物語風の文体を使って書いているが、固有名詞が出せないだけで、「ほぼノンフィクションと考えていただいていい」とのこと。

育ちの環境次第で、いくら能力があっても、いくら働いても底辺の生活をするしかない。

今の日本には少なからずそういう若者がいる。

彼らにとって「ほんの少し」社会のルールを破れば、そんな生活を返上できる。

著者は「振り込め詐欺は絶対なくならない」と言い切る。

たしかに、そういう構造って、今後悪化こそすれ、好転はしないと思う。

振り込め詐欺は、日本の排除文化の末に生まれた現象だったという結論。

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キム・ジウン監督『ラストスタンド』(2013年)

2016-12-02 01:13:04 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

『ラストスタンド』予告編

 

2016/12/1

田舎の保安官が凶悪な脱獄犯を懲らしめる話。

理不尽な強さを見せる保安官は、もちろんシュワルツェネッガー。だいぶ老けたけど、さすがに70手前には見えない。

序盤は敵の紹介。

シュワちゃんのエサ作りという感じ。

軍隊並みの兵力を持ち、メキシコへ逃げようとする凶悪犯に、田舎の保安官たちが立ち向かう構図。

序盤はちょっと退屈だったけど、いざ直接対決になると、緊張感が途切れない。

人がバタバタ死んでるのに、ちょいちょい笑いを入れてくる不謹慎さが、こういう映画らしくてよい。

タイトルを回収するクライマックスは、きれいすぎて笑ってしまった。

ボタボタとトウモロコシがフロントガラスにぶつかるシーンが好き。

若い頃はこういう作品を筋肉映画とバカにしていたけど、おっさんになった今見ると結構楽しい。

ラストスタンド DVD
クリエーター情報なし
ポニーキャニオン
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