2025/6/6
すごく犬を飼いたい女の子が、父親から2週間枝を世話すれば飼ってやると言われる話。
いきなり生き物だと責任があるから、そのへんの枝を犬に見立てる。
わかるようなわからないような条件だが、娘は真に受けて枝にひもをつけて毎日散歩に出る。
不思議なもので、女の子が散歩を繰り返すほど、枝がかわいらしく見えてくる。枝なのに。
散歩中に出会った少年もいい感じの距離感で好ましい。
反面、大人は姑息。
ただ、共感できる姑息さでもある。
日常の雑務と、子育てのバランスの悪さ。
子育てはしたことないけど、そんな自分でも想像できる難しさではある。
終盤の汚物を見るかのような娘の顔。自業自得だけど、かわいそう。
最後の落としどころも納得で、チャーミングな短編だった。