アジア人財事典

アジア人財カンパニー株式会社 井上一幸 がお届けする粋な話題の数々

BCJ - 日本語ビジネスコミュニケーション

2010-01-26 | メールニュース
皆さん、おはようございます。アジア人財カンパニーの井上です。本日はメールニュース第32号をお届けにあがりました。新社名のもとで送る最初のメールニュースです。
さて、いつもこの場では会社の宣伝をしないようにしていますが、社名変更に伴う良い機会ですので、先月および今月だけは少し会社のことを書きたいと思います。

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BCJ – 日本語ビジネスコミュニケーション
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新社名、アジア人財カンパニーのキャッチコピーは、『人材紹介×日本語教育』です。私どもはこれまで行ってきた人材紹介に加え、日本語教育の分野にも力を入れて行きます。とは言っても私どもが考える日本語教育とは、日本語によるビジネス・コミュニケーション・スキルの向上を目指したもの、名付けて BCJ = 「日本語ビジネスコミュニケーション(Business Communications in Japanese)」です。

外国語では誰しも苦労します。海外駐在の経験がある方なら実体験でわかるでしょう。日本で働く外国人も全く同じ。日常生活での言葉なら全く不自由しませんが、ビジネス現場での日本語となるとつらい。なぜならビジネスの現場では発言に責任が伴うからです。外国人社員に対し「あの日本語じゃ、お客さんの前には出せないなぁ。」とお感じの方は多いはずです。特に日本ではお客様に気をつかいますし、客もそれを期待します。ちょっとした間違いが命取りになりかねません。

私はこれまで2000人程度の外国人と日本語で面談をし、1000社近くの採用担当者と話をしてきました。その結果わかったことは2つあります。

1 小さな間違いでも与える印象を大きく損なう。

ここで言う小さな間違いとは、文字にするとたった1~2文字の違いでしかないものです。いわゆる「てにをは」といわれる助詞が違うと不自然に聞こえますし、自動詞と他動詞の混同、能動態と受動態の混同は、誤解を招きます。聞く側からすると、それがたった1~2文字の違いなので「たぶんこういう意味で言ったのだろう」と想像はつきますが、その本人に100%の信用をおくのはためらってしまいます。そのため、大事なところでは「日本人来てよ!」となるのです。

一般に日本語力が上級になればなるほど、間違いを指摘してくれる人や正しい表現を教えてくれる人は少なくなります。ですから、自分が間違っていることに気づく機会も減り、わずかとは言え、間違いがそのまま放置されてしまうのです。

2 微妙なニュアンスを示す表現や、一歩引く姿勢を見せる言い方など日本人が一番気にする「言い回し」は、できる人とできない人がはっきり分かれる。

まず前置きをしますが、この「言い回し」は日本語特有の表現手法ではありません。これを取り上げて「だから日本語は難しいんだよなぁ」とか「日本語はあいまいだから・・・」と言うのをよく耳にしますが、それは違います。どの言葉でも同じです。

例えば英語である意見に賛成するとき、I think so. と言うのと、I am truly convinced. と言うのでは、伝わる意味が明らかに違います。反対する時で考えても、I disagree という直接的な言い方は避け、I respect your opinion but… と言ってみたり、I am not too sure if it works better than… と言ったりします。場と相手に応じてふさわしい表現を選ぶのです。日本語もまったく同じです。

前置きはこれだけですが、そういう微妙な表現ができる人はなぜできるかと言うと、それが身につく環境にいるからです。つまり、そういう表現を良く使う職場で、本人にそれを知覚するセンスがある、またはそういった表現を丁寧に教えてくれる同僚や上司がそばにいるからです。

ただ残念なことに普通はそうはいきません。どの日本人社員も自分の持ち場で忙しく、仕事なら教えるでしょうが、日本語までは気を配ってくれません。また外国人社員にしても同じで、仕事の疑問なら質問できても日本語表現の良し悪しを上司や同僚に聞きづらいものです。

だからBCJ=「日本語ビジネスコミュニケーション」を行うのです。BCJでは、社内外のミーティング、上司やお客様へのプレゼンテーション、来客対応や電話応対などに相応しい「言い回し」を、実践形式で身につけます。日頃の疑問は何でもぶつけてもらいます。会話中に起こる「小さな間違い」はその場で指摘します。参加者で全てを共有し、全員の糧にします。

英語であればこの種のレッスンは多々あり、多くの社会人が参加しています。実践力を身につけて海外赴任していくのです。BCJはその日本語版。必ず役に立ちます。

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