アジア人財事典

アジア人財カンパニー株式会社 井上一幸 がお届けする粋な話題の数々

『朋あり遠方より来る?』

2009-04-28 | メールニュース
皆さん、おはようございます。㈱グッドジョブクリエーションズです。本日はメールニュース第23号をお届けにあがりました。
今年の桜は、寒かったせいかけっこう長く持ちましたね。でもあっという間に気温はぐんぐん上がり、いよいよゴールデンウィーク。そこで今日は、この連休を豊かにするコツを披露したいと思います!?

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朋あり遠方より来る?
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一期一会というと大げさだが、出会う人にはなるべく挨拶をしようと心がけて
いる。たとえば当社の入居しているビルでは、エレベーターでも廊下でもすれ違いざま「おはようございま~す」「こんにちはー」「どうも~」など。こちらから言葉をかければ相手もそれなりに返してくるし、友達になったとは言わないが、仲間意識が芽生えたというか、隣人であることを確認できたというか、なんとなく心が安らぐ。

コンビニのレジでも、早朝のスタバでも昼食後のお勘定でもそう。店員はだいたいいつも同じ人で、当然ながら客であるこちらには「ありがとうございま~す」と言ってくる。それがマニュアルっぽく聞こえようが、そうではない自然な挨拶だろうが、こちらとしては「どーもぉ」「ごちそうさま~」くらいは言うようにしている。それに対して店員さんが反応して何か言ってくれると、「いい店だ!」とか「また来よう!」などと単純に思ってしまうわけだ。そう、言葉を交わすのは気持ちいいものである。

似たような話で、先日の新聞のコラムで、千鳥ケ淵での夜桜見物の話を読んだ。
見知らぬ人同士が、あっちでこんな話、こっちでこんな話と会話を交わしている様子が描かれていて『桜には見知らぬ者同士の心をつなぐ力があるのか。桜に会いに行って、人に会ったような。』とある。
なるほど、これは桜でなくても言えそうだ。会話を交わすとまではいかないが、山登りやハイキングでは、すれ違う人みな「こんにちは~」と声を掛け合いますよね。同じ道を歩いているという実感が仲間意識を生むのか、疲労感を伴う山道で励まし合っているのか、はてまた、緑に囲まれた開放感がそうさせるのか。
とにかくあれは気分がいい。

そして最近の私の体験。
先週関西方面へ出かけたおり、京都の伏見稲荷へお参りしてきた。人から言われるまで知らなかったが、伏見稲荷の境内は広大で、稲荷山の麓を上って下ってかれこれ一時間は歩いたと思う。まるでハイキングのよう。京都らしく外国人も多い。小耳に挟む彼らの会話からすると大方はフランス人らしい。ミシュランで伏見稲荷は星2つだ。驚いたのは、彼らもすれ違いざまに「こんにちは~」と挨拶をしてくることだ。「カンニィチィワ~」じゃないですよ、自然な「こんにちは~」です。で、私はついつい「お写真とりましょうか?」となること二度。これもまた気分がいいものである。

朋あり遠方より来る、また楽しからずや(有朋自遠方来不亦楽)
なぜだかこの一節が頭に浮かびました、その時は。
まぁ、いきなり友とは言えないので、袖振り合うも多生の縁、といったところでしょうか、今から思うと。


さぁ、いよいよゴールデンウィークですね。行楽地へお出かけの皆さま、出会いと挨拶を大切に!

もっとお金を・・・(税金は道路より人材に)

2009-04-21 | コラム
4月20日の日経新聞に「人材立国脅かす教育費高」というコラムがあって、ショッキングな内容だった。学校や塾にかかる費用が如何に高いか、という話だが以下に少し抜粋。

文部科学省などの調査によると、塾などの費用を含む「幼稚園から大学までの平均的教育費」は、
 ① 「すべて国公立」で                約900万円
 ② 「小中高は公立であとは私立」        約1250万円
 ③ 「小学校だけ公立であとは私立」の場合  約1600万円
 ④ 「全て私立」となると              約2400万円
だそうだ。
この数字だけだと、高そう~という感想で終わってしまうので年当たり、月当たりの費用を計算しましょう。

幼稚園から大学卒業まで18年間で終わらせたとして、一年での支出は
 ① 50万円
 ② 70万
 ③ 90万
 ④ 133万
子供一人当たりで。

月毎にすれば、
 ①   4万
 ② 5.8万
 ③ 7.5万
 ④  11万
なるほど、③のパターンで私立の中高生2人となると、月15万円。けっこうするなぁ~

とはいえ、教育費が高いということはなんとなく知っていたのでそれ自体は驚くことではない。では、何が私にとってショックだったかという以下の2点。
1 フランスでは公立高、国立大とも授業料ゼロ。
授業料がタダなんて、いまどき共産主義国家でもない、と思い込んでいたらそうでもなかった。「フィンランドも授業料はただ」とこの記事は続く。
ショック!  さらに、
2 「満足な医療保険制度もない米国でさえ教育には多額の公費を使っている」「在校生一人当たりの国・地方の教育予算はOECD加盟国で、アメリカが一位、日本は8位。」
ショック!

我々は健康保険、厚生年金の費用負担を義務付けられている。自分自身のためというより自分の親の世代の為に。それも、制度が立ち行かなくなりつつあることを承知の上で。そのお金を次世代の教育に使えないものか。このコラムは次のように述べている。
  「教育は子供自身(のため)だけでなく社会のため」である。
  「教育に税金を使うほうが、新幹線や農業土木に投じるよりはるかに建設的である。」
そう、その通り。建設業に投じるより建設的、という表現が面白くかつ説得力もある。

さらに、3月7日の『地球回覧 ― 「産む国」のフランス、経済の懐深く』にも似たような話がある。出生率の高いフランスが紹介されていて、
  ○ フランスの2008年の出生率(速報値)は2.02」(日本は2007年で1.34)
  ○ 女性の就業率(2006年)もフランスの方が高くて64%、日本は61%。
  ○ 育児や家族関連の公的支出のGDP比は、フランスが3%超で日本は1%未満。
などなど。
とくに3番目。日本の場合は育児に対する公的支出がどうも少ないようだ。もちろんこの類の数値はここ10年くらいで改善されているのだが、まだパッとしないのが現状。
この文章は結論でこう述べている。「出遅れのツケは十年、二十年先に回ってくる。」

そう、育児も教育の一部ととらえれば同じこと。
「土木建設に税金を使うより教育に使った方がはるかに建設的」のはずだ。