アジア人財事典

アジア人財カンパニー株式会社 井上一幸 がお届けする粋な話題の数々

『移民の子』

2008-07-23 | メールニュース
皆さん、おはようございます。㈱グッドジョブクリエーションズの井上です。本日はメールニュース第14号をお届けにあがりました。

夏休み到来とともに梅雨も明け(東京地方)、これからは当分暑さとの戦いですね。
そんな中とぉ~っても恐縮なのですが、先月に続いて小難しい話をお送りします~~

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移民の子
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いつも周回遅れの話題で恐縮だが、先月6月は“ブラジル移民100年”の話題が結構メディアを賑わせた。781人を乗せた笠戸丸が神戸を出航し、ブラジル サントスへ到着したのが1908年6月。それから一世紀。その子孫の中には財を成し要職に就く人も多いと聞く。では逆に、日本に移民した人々は?
今日はそんなことを考えてみました。

5月26日の日経新聞の「インタビュー 領空侵犯」に掲載されていたR・フェルドマン氏(テレビ東京 ワールドビジネスサテライトのコメンテーターです)のインタビュー記事。
その後半の一文に次のようにある。『私が生まれ育った米国では、移民が国の活力の源になっています・・・野球のメジャーリーグも移民の力で強くなっている。日本のプロ野球には国民栄誉賞を受賞した王貞治さんというお手本があります。外国人にも日本人として活躍してもらえばいいのです。』

そういえば・・・王貞治監督は移民の子供だ。選手としても監督としても王貞治氏が日本のプロ野球界に永遠に名を残す人物であることは間違いない。そして世界に誇れる英雄である。阪神の「兄貴」こと金本知憲選手も移民の子。野球選手はもとよりファンの多くも彼のことを尊敬してやまない。
なにもスポーツ界だけじゃない。ソフトバンクの「予想ガイ」こと孫正義社長も移民の子。ソフトブレーン創業者の宋文洲氏は、移民と言ったら本人は機嫌を損ねるだろうが、日本のビジネス界で活躍する中国人の代表例だ。

同様に、移民と呼んでいいかどうかはわからない(このまま子孫まで定住すれば“移民一世”になる)が、日本で活躍する中国人が今月の日経夕刊『台頭する新華僑』で紹介されています。(今日の夕刊からぜひ眼を通してください。)
― 文学界から、今月『時の滲む朝』で第138回芥川賞を受賞した楊逸さん。
― ビジネス界では、日本で創業し上場を果たした厳浩社長。
― 学界で活躍する中国人が多いことはあまり知られていないが、在留資格「教授」で日本に滞在する中国人は2507人。二番手アメリカ人の2倍以上に上るという。
これからもがんばって欲しいですね、応援します。

ここでちょっと趣の違う話・・・ 「在日」から「移民」へ
前出の「兄貴」こと金本選手も「予想ガイ」こと孫社長も在日二世、つまり移民の子である。彼ら在日と呼ばれる人々がスポーツ界、芸能界など各方面で活躍しているのは周知の事実であるが、残念なことにこの単語は負のイメージに結び付けて語られることが多い。
もうそんな単語は廃止して、ストレートに“移民”とか“移民の子”と言ったらどうか。
そうするとこうなります。
「日本では、スポーツ界や芸能界、学界、ビジネス界など多方面で移民が活躍している。」
どうですか?だいぶ印象が違うでしょう。

フランスでは移民の子が大統領になった。(サルコジ大統領はハンガリー移民二世。)
そもそも純血の日本人であることがどれだけ重要か。近代以前から日本に住んでいた人々の子孫か、それ以降に日本に移り住むようになった人々の子孫か。日本語を操り日本文化を継承していれば、あまり関係ないように思う。