アジア人財事典

アジア人財カンパニー株式会社 井上一幸 がお届けする粋な話題の数々

『20年後に咲く桜』

2008-03-31 | メールニュース
皆さん、おはようございます。グッドジョブクリエーションズの井上です。
本日はメールニュース(第10号)をお届けにあがりました。

東京では桜が満開ですね。週末はお花見でしたか?私どもの会社のすぐそば、目黒川も花見の名所ですから昨日一昨日は結構な賑わいでした。翻って今日3月31 日は雨の中多く会社が年度末、明日からは新入社員を迎えての新年度ですよね。だから、というわけじゃないですが今回のメールニュースは将来の話。今年一月に10年後の予想をしましたが、今日はなんと20年後について書いてみました。

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20年後に咲く桜
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東京の都心では先週末あたりがソメイヨシノの満開。地球温暖化の影響かどうかは知らないが、最近桜の開花は確かに早い。昔だったらあと一週間先、ちょうど始業式の頃が見ごろだったような気がする。

で、20年後の話をする前にまずは20年以上前の話を二つ。
① 私が中学生だった頃、校長先生が桜満開の始業式で、「光ファイバーというものが近ごろ完成して、これを使えば将来はスゴイことになるぞ!」 と言っていたことをはっきり覚えている。校長なんて始業式と終業式以外には見ない存在だったが、風変わりな訓話だけは印象的だ。
えっ、光ファイバー? いま思うとあっけに取られる。その頃、1980年代前半はまだインターネットもない時代。それから20年経って光ファイバーの導入が始まり、今ではパソコンで映画が見られるようになっているが・・・ あの校長、なぜあの時代に光ファイバーのある世界を予想できたのか?

② ソニーの共同創業者 盛田昭夫氏が1986年に記した本『Made in Japan - わが体験的国際戦略 -』を読んでいて感動する場面がいくつかあったが、そのうちの一つ。ソニーの中央研究所を紹介している場面で、「ここでは10年先20年先のテクノロジーを研究している」というくだりに続いて、今の名前で言えば“有機EL”であろうと思われる技術の記述がある。そして、中央研究所ではこの技術の「可能性に熱い目を向けている。」 と書いてあるのだ!
えっ、有機EL? ついこの間テレビとか携帯とかに出てきたばかりのような気がするが・・・ 1986年、なんと今から20年以上前にすでに研究が始まっていたのだ!なんとなく感動ですねぇ。

きっと今この瞬間も、どこかでだれかが20年後のテクノロジーを研究しているに違いない。一体どんな研究だろう?それを思うとワクワクする、と書いて今回のメールニュースを終えようとしていたら、昨日の新聞(日経新聞 3月30日サイエンス欄)で「最新技術を駆使した森林復元」っていうのがあった。結論だけ書くと、遺伝子組み換えによって荒れ地や乾燥地でも可能な植林技術が開発されつつあって、うまく行けば約20年先、「2030年ころに最大で百億トンのCO2が吸収できるという。この量は30年ころに全世界で消費される化石燃料で発生するCO2量に匹敵する」のだそうだ。であれば昨今の悪役 地球温暖化にも歯止めがかかるのでは、なんて考えるのは楽観的過ぎか?

いやいや、わかりませんよ。一月のメールニュースにも書いたが「科学技術の発展は我々の認識を上回り、予測できる事は実現する。」のだ。植林技術もきっとうまく行くでしょう。

光ファイバーも有機ELにしても、20年前には研究者以外誰も知らなかった。ところが今日ではそれが当たり前。バイオテクノロジーがそうならない理由はない。20年後はバイオカーとかバイオハウスとかバイオ飛行機とか・・・そんなものが当たり前になっていて、温暖化なんかは過去の話になっていて、桜の満開も始業式の頃に戻っていて・・・
ではなくて、年中満開の新種ができているでしょうね、きっと。
めでたし、めでたし。