Mo.の事件簿 A diary of Mo’s trips

事件簿などという大層なタイトルだが、実は単なる旅行記です。

7.アカデミア美術館。

2010-12-26 | イタリア/Italy:2010
旅行の初日、しかも最初の訪問場所ですから、わりとじっくり見た。
やっぱり何を見るにも体力気力が万全じゃないと、集中力が続きません。
でも感動までする作品にはぶつからなかったかなー。


アカデミア美術館と言えば、ジョルジオーネの「嵐」だろうなと個人的には思うが、
今回はなぜか見ていない。ま、そんなに大好きな絵でもない。
ティツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼも、ヴェネツィアをそれぞれ代表する
画家ではあるが、何しろここでは数が多すぎてあまり感動を呼ばない。
粒は揃っているが、突出したものが感じられないんですよね。あくまで平均点の良さというか。
ティツィアーノにはかなり好きな作品もあるんだけれど。



そんな中で今回の見どころは、おそらくジョヴァンニ・ベリーニだろう。








Madonna and Child,Saint Catherine,Maria Magdalena by Jovanni Belini.

「聖母子と聖カタリナ、マグダラのマリア」(通称「聖会話」)











Madonna and Child,Saint Paolo,Saint George by Jovanni Belini.

「聖母子、聖パオロ、聖ジョルジョ」
このマリア様は美人ですよねえ。実際イタリアでは、こういう人がたまに街を歩いている。



あとこの絵も好きだった。画家はあんまりメジャーじゃないけど、
アントネッロ・デ・サリバ?ですかね。




Annunciation by Antnello de Saliba.

「受胎告知」

受胎告知のわりには聖母マリアのみのバストショットというところが珍しい気がする。
普通は大天使ガブリエルが出て来て受胎告知ですからね。
静かで理知的。これももう完全に実在の人。








面白く思ったのはこれ。画家はジョヴァンニ・マンスエティというのかな。





By Jovanni Mansueti.

タイトルはイタリア語で「Episodi della vita di san Marco」らしい。
聖マルコという聖人(ヴェネツィアの守護聖人)の生涯の一場面を描いた絵か?





多分格子の向こうにいるのが聖マルコとキリストではないだろうかと思うのだが。
でも画家がこの絵で書きたいのは、絶対建物と群像ですよね。






主役は彼らだろう。この立派なターバンを見よ。

ここはどこなのかな。聖マルコであれば、エジプトのアレクサンドリアにいた人らしいから、
(想像上の)アレクサンドリアということになりそうだが。



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美術館の前に、舞台衣装らしきドレスを来たおねーちゃんがいて、入る前から気になっていた。
どうやら演奏会のチケット売りらしい。
出て来てもまだいたので詳しい話を聞いてみる。ちょっとよくわからないけど、
コンサート形式のオペラと、コンサートと、オペラ「椿姫」を日替わりで上演しているようだ。

ほほう。椿姫か。
一番好きなオペラだ。――というより好きだと言える唯一のオペラだ。
アリアなら好きな曲はいくつもあるんだけど、……けっこう退屈ですよね、オペラって。
一作が全部名曲ってわけでもないじゃないですか。
その点「椿姫」はかなり名曲揃いだと思う。曲もいいし、ストーリーもオペラに相応しい。
行こうかな。40ユーロ(≒4800円)。オペラとしてはかなり安いし。
翌日20:00開演のチケットを買う。

ついでにチケット売りの彼女たちの写真も撮らせてもらったんだけど、
肖像権をクリアしてないので残念ながら割愛。


しかしこういう路上のゲリラ的なチケット売買方法は、買う方としては若干不安ですな。
チケットだけ売って、実は詐欺でしたってこともあり得るんだもの。
まあ詐欺なら、わざわざバイトをやとってこんな衣装を着せないだろうし、
チラシにも金がかかっていたしね。この元手をかけて、捕まるまで数日なら。
……うん、この犯罪は割に合わない。
バイトの彼らはその後あちこちで見かけたんだけど、暗くなるまで路上に立って大変そうでした。



チケットを買った後は、南のジュデッカ運河に向かってぶらぶら。
アカデミア美術館のそばには、今はもう珍しくなった昔ながらのゴンドラ造船所があり、
ちょっとした撮影スポットになっている。








Old dockyard.

懐かしげな佇まい。昔の日本の民家っぽいね。




……ちょっと間違って巨大サイズの写真になっていますが、
物が絵だから、今回はそのままにしておきます。





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