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松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

和ろうそく芯ものがたり その6

2007-09-03 21:40:55 | 和ろうそく芯ものがたり
芯巻き職人Mさんは、15才から専門で芯を巻き始め
もう60年以上になります。
芯巻きの作業自体は単純ですが、
それだけに巻き手の熟練度によって、
出来上がりに相当な差が出てきてしまいます。

芯を取り扱う芯屋は、芯巻き職人の中でも
Mさんの作る芯を、非常に高く評価しています。

Mさんの芯がどうして優れているのかというと…。

和ろうそくは、芯が蝋を吸い上げることで燃焼します。
つまり、よりたくさんの蝋を吸い上げることができる芯が
良質な芯であるということです。
そのためには、より堅くしっかりと巻かなくてはなりません。
芯屋は質の高い芯ができるよう、
職人達に非常に細かく、また厳しく指導してきました。

初心者はどうしても力加減がわからず、
緩くなってしまうので、巻き方にスキマがあったり
デコボコしたりしてしまいます。
そうなると上に載せる蝋の量が変わってくることになり、
燃焼にも影響が出てしまうわけです。



60年巻いてきたMさんの指には、
イグサを押さえる部分の骨が突き出ています。
これぞ芯巻き職人の指ですね。



スムーズで堅い芯は、
たくさんのイグサがみっちりと巻かれ
蝋を吸い取る気マンマンに見えます。

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