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エルソル飛脚ブログ ~Run 4 Fun~

四万十川周辺をチョロチョロしている飛脚の記録です。

エルソル大阪物語■68■「関美バンザイ」

2018年02月02日 | エルソル大阪物語

■68■


【5月の終わり】

『学校職員組』が日本橋の居酒屋で「お別れ会」を開いてくれました。
長島先生、古尾先生、武ちゃん、水落君。

長島先生「とりあえず乾杯するか・・、じゃあ乾杯~」

  上田「古尾先生はやっぱりお酒はダメなんですか?」

古尾先生「カンベンして上田、・・飲んだら倒れるワ(笑)」

  上田「いや~皆さんには随分とお世話になりました。」
    「もう何の言葉もありませんワ」
    「ありがとうございました」

長島先生「寂しなんなぁ~」

  上田「ホンマ、何かごっつい寂しいですワ・・」

長島先生「これからこんな魚よりもっとええ魚毎日食えるんやろうな~」
刺身に手を伸ばした長島先生が続けました・・

長島先生「お前覚えてるか?」
    「関美の生徒の頃、入学式の次の日やったかな・・」
    「みんなに『明日学校に雑巾2枚持ってきて』って言うてな」
    「後から『しまった』って思うとってん・・」
    「お前田舎から出てきて一人暮らしやったからな」  
    「雑巾なんか無いやろな~って心配しとってんや・・」
    「そしたら次の日、お前ちゃんと2枚持ってきたやろ?」
    「よう見たら手縫いやったワ」
    「綺麗な粗品タオルをヘタクソに縫ってあったワ・・」
    「その話をしてからウチの嫁はずっとお前のファンやで、ハハハ」
    「夜中まで縫ったんやろな~って」

  上田「覚えてますワ」
    「電話もなかった頃で相談相手も居なかったし」
    「もう『知るか』思うて適当に縫いましたワ」
    「小学校の家庭科が活きましたワ」
    「しかし、ようそんな昔の些細な事を覚えてましたね~」

サラダばかり食べている古尾先生が続きます・・

古尾先生「ボクもお前の昔の事覚えてんで~」
    「お前、生徒の時、東のシェービングモデルに手を挙げたやろ~?」
    「東がお母さんに言ったらしくてな、」
    「学校までお礼の電話がかかってきたで」
    「『友達も出来ないウチの子に・・ありがとうございます』って」
    「電話の向こうで泣いてたワ」
    「よほど嬉しかったんやろな~」

  上田「そうやったんですか・・」  
    「ヤツが持ったカミソリに横になって目をつぶるなんて・・」  
    「今やったら絶対嫌ですワ!!コワイもん!」

長島・古尾「ハハハハハ」 

古尾先生「関美生徒から関美助教師、」
    「助教師から修行に戻って、ちゃんとお店を出すってスゴイことやで」
    「関美理容部の誇りやで!」

古尾先生が大袈裟に言い放ち、上手な笑顔をつくりました。 

  上田「そうそう古尾先生、やっぱ『関美』ですよね~!」
    「なんで『グラムール』なんかにしたんやろ?」
    「いろいろありましたけど、『関美バンザイ』ですワ!」

ビールが進みはじめ、すぐにほろ酔いになりました。

長島先生「お前らのクラスはホンマいろいろあったな~」
    「歴代1、2番を争う大変なクラスやったワ」

  水落「ボクもあのクラス、入った瞬間に『ヤバい』思うたもん(笑)」

酒が弱い水落君が頑張って酎ハイを飲んでいます。
    
  上田「あのクラス、水落君が居ってくれて助かったワ」
    「『普通の人』が居れへんかったもん・・」

古尾先生「確かに普通じゃなかったな~(笑)」
    「そういや、お前東京に就職に行ったな」
    「なんでダメやったん?」
  
  上田「完全に背伸びしすぎましたワ」 
    「足元も見えてへんし、進む方向さえ分からんでした・・」

長島先生「若いうちは『背伸び』はせんといかん」
    「背伸びしとかんと本当に伸びんもんや・・」
    「お前にとってはええ背伸びやったんちゃうか?」

  上田「そうですね、あれで地に足が着いた感じがします」

長島先生「それからまた偶然に藤本先生が病気になってな~」
    「上田先生誕生や」

武ちゃん「いや~、うれしかったで~!」
    「同じ南海電車って聞いたときから『やったー!』思うたな~」
    「やっと竹中先生から逃れれるって(笑)」

長島先生「ユミか?」
    「そういや~今日呼ぶの忘れたな・・呼ぶか?」

上田・武ちゃん「アカン、アカン、アカン!」 
      
  全員「ワハハハハハ」

古尾先生「それから水落に先生交代か~」

  水落「僕にとっては『渡りに船』でしたワ、ホンマ」
    「けど、そっからの上田君えらかったな~」
    「店探しはハンパじゃなかったもんな~」

武ちゃん「ウチにもよう泊まりに来てたでな」
    「夜中にブツブツうるさかったワ!(笑)」

武ちゃんと長島先生はついに日本酒に手を出しました。

  上田「あの半年についての『正解』は分かりません」
    「でも後悔は無いですね」

武ちゃん「それからしばらくして、まさか関美の店で店長やるとはな~」
    「関美に縁ありすぎやな」

長島先生「人探しに困ってる時に、お前が現れたのにはビックリしたワ」

古尾先生「ホンマですね~、上田から後光が差してたワ」

  上田「ハハハハ」
    「いや~、何もかも勉強になりましたワ」
    「こんなに大阪でやれるとは思いもしませんでした」

関美理容部と武ちゃん、
みんな年上なんで、正直な思いを素直に口に出来ます。
居心地のいい集まりで、時間はあっという間に過ぎていきます。

長島先生「高知に帰っても頑張りや!」

古尾先生「上田やったら大丈夫やからな、頑張ってな!」

武ちゃん「大阪で店出しぃ~や」

  水落「高知の引っ越しは呼ばんといてよ!」


【長島先生】
大阪に出てきた頃、初対面の第一印象は「ジャンボ鶴田似」でした。
いろんな散髪屋さんで働いてきましたが、自分の「師匠」はこの方です。
自分の人生は「長島先生」抜きでは語れません。
それ位お世話になりました。  

【古尾先生】
第一印象は「神経質なサイボーグ」でした。
大変可愛がって頂き、いつも真剣に話を聞いてくれました。

【武ちゃん】
第一印象は「背の高いカマっぽいロン毛の先生」でした。
兄貴分で、弱い自分を温かく見守ってくれました。

【水落君】
第一印象は「がっちりした柳沢シンゴ似」でした。
年上ですが、関美同期生です。
「富長の鋏」、そして水落君に頂いた「コーム(櫛)」は、
必ずCUTの最初に使うと決めました。


上田「みなさん、ありがとうございました!」
  「ホンマにみなさんには下積みの頃から支えてもらって・・」
  「感謝してもしきれないです!お世話になりました。」
  「正直、関美に入ったときはどうなることかと思ったけど(笑)」

  「ホンマに『関美バンザイ』ですワ!」

本当にこの方々には足を向けて寝られません。

自分を「大きく」、そして「強く」育ててくれました。

■68■(次回最終話)


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