欧米各国語に於て、演劇に纏わる言葉は、西欧演劇発祥の地、ギリシャの言葉から来ています。
ギリシャ演劇とは、紀元前5~4世紀に書かれて今もなお世界各地で上演されたり映画化されたり、オペラになったりしている一群の悲劇・喜劇を指します。
すごく古い言葉なんです。
つまり、概念がそれほど古い。
神様への儀式が始まりですからね。
売春より古いかも。
人類を類人猿から分けるのは埋葬と宗教的儀式だそうですが、ならば、宗教的儀式から生まれた演劇は人類の歴史と同じくらい古いわけ。
でも文字に残されないと消えてしまいます。
で、西欧演劇のルーツで且つ文字に残ってる一番古いのが、今から2500年前のギリシャ劇なのです。
では、私たちに馴染みの深い英語で、演劇に纏わる言葉をみていきましょう。
≪THEATRE≫
シアター
ギリシャ語読みでテアトル「劇場」
ギリシャ時代、劇場は屋根のない野外。
背景は建造された土地によって険しい岩山だったりオリーブの森だったり真っ青なエーゲ海だったり。
摺鉢型の客席のまんなかに真円の土間舞台。
客席自体はその土間舞台をぐるりと囲んでいて、ちょうどバウムクーヘンを一部カットしたみたいに開いた部分から背景の景色を望むようになっている。
その借景の手前に、舞台装置を兼ねた楽屋と、平土間の円形部分より一段高くなった、主役用の舞台があります。
≪ORCHESTRA≫
オーケストラ
ギリシャ語読みではオルケストラ。
今では楽団のことをさすけれど、これが、摺鉢型客席のまんなかにある真円の平土間舞台のことなんです。
このエリアでは主役以外の大勢さんが歌ったり踊ったり、楽器を演奏していました。
あ~だから現代語のオーケストラ。へぇ。でしょ。
でも現代の劇場やホールは、オケが入るオーケストラピットは真ん丸じゃなくて半円ですよね。
なんで?
実はギリシャ文明が衰退した頃、代わりに隆盛を誇ったローマが、真円だと主役が遠い、と言って半円にぶった斬ってしまったのじゃ。
≪CHORUS≫
コーラス
大勢さん、または合唱隊
ギリシャ語ではCOROSコロスと言いました。
当初のギリシャ劇は30~50人のコロスに主役は一人。
主役だけではドラマは進まないでしょ。
だからコロスは、オルケストラの部分で歌ったり踊ったり、主役の気持ちを代弁したり、舞台裏で起きた事件を説明したり、神さまたちへの祈りを捧げたりして、劇の進行や盛り上げに重要な役割を担っているのです。
≪SCENE≫
シーン
場面。
オーケストラを客席がぐるりと囲んでいますが、その開口部に、一段高く、ステージを設けます。
そのステージが屋根つきの一軒長屋みたいな横長の建造物を背負っています。
この二つを合わせて、スケーネと呼びました。
英語読みだとシーン。
≪AUDITORIUM≫
オーディトリアム
観客席
ギリシャ語読みではアウディトリウム。
このAUDIという言葉、ドイツ車の他に何かを連想しませんか?
AUDIO。オーディオ。
そう、このAUDIという語は「聴く」という意味なのね。
だからオーディトリアムは観る席じゃなくて聴く席。
観客席じゃなくて聴衆席なのです。
audienceオーディエンスも同様。
観る客=観客じゃなくて、聴く客=聴衆の意味なんですな。
ね。
お芝居、演劇が、欧米では本来、観るものではなく、聴くものだったことがわかります。
だからシェイクスピアやモリエールや、現代劇作家まで、すごい・面白いと言われている劇作家は、言葉が音楽的な点が高く評価されているのです。
客も、聴いて驚きながら楽しむ。
一方、観て楽しむものはスペクタクルspectacle。スポーツとか競技系や試合といった、ローマ時代の巨大競技場で行われたものがこちらに分類されるかな。
観客はspectatorスペクテイター。
因みにメガネglassesは正式名称をspectaclesというし、詳しく細部まで調べることをinspect、検察官をinspecterといいます。
全部、「よく見るspect」繋がり。
というわけで欧米型の演劇が聴いて楽しむというスタンスがわかりましたね。
しかし、いつまでもギリシャ語のままで使われているということは、西欧各国にとって、演劇は自国語の中にはなかったのでしょうか?
この件に関しては別トピックで考えてみます。
ギリシャ演劇とは、紀元前5~4世紀に書かれて今もなお世界各地で上演されたり映画化されたり、オペラになったりしている一群の悲劇・喜劇を指します。
すごく古い言葉なんです。
つまり、概念がそれほど古い。
神様への儀式が始まりですからね。
売春より古いかも。
人類を類人猿から分けるのは埋葬と宗教的儀式だそうですが、ならば、宗教的儀式から生まれた演劇は人類の歴史と同じくらい古いわけ。
でも文字に残されないと消えてしまいます。
で、西欧演劇のルーツで且つ文字に残ってる一番古いのが、今から2500年前のギリシャ劇なのです。
では、私たちに馴染みの深い英語で、演劇に纏わる言葉をみていきましょう。
≪THEATRE≫
シアター
ギリシャ語読みでテアトル「劇場」
ギリシャ時代、劇場は屋根のない野外。
背景は建造された土地によって険しい岩山だったりオリーブの森だったり真っ青なエーゲ海だったり。
摺鉢型の客席のまんなかに真円の土間舞台。
客席自体はその土間舞台をぐるりと囲んでいて、ちょうどバウムクーヘンを一部カットしたみたいに開いた部分から背景の景色を望むようになっている。
その借景の手前に、舞台装置を兼ねた楽屋と、平土間の円形部分より一段高くなった、主役用の舞台があります。
≪ORCHESTRA≫
オーケストラ
ギリシャ語読みではオルケストラ。
今では楽団のことをさすけれど、これが、摺鉢型客席のまんなかにある真円の平土間舞台のことなんです。
このエリアでは主役以外の大勢さんが歌ったり踊ったり、楽器を演奏していました。
あ~だから現代語のオーケストラ。へぇ。でしょ。
でも現代の劇場やホールは、オケが入るオーケストラピットは真ん丸じゃなくて半円ですよね。
なんで?
実はギリシャ文明が衰退した頃、代わりに隆盛を誇ったローマが、真円だと主役が遠い、と言って半円にぶった斬ってしまったのじゃ。
≪CHORUS≫
コーラス
大勢さん、または合唱隊
ギリシャ語ではCOROSコロスと言いました。
当初のギリシャ劇は30~50人のコロスに主役は一人。
主役だけではドラマは進まないでしょ。
だからコロスは、オルケストラの部分で歌ったり踊ったり、主役の気持ちを代弁したり、舞台裏で起きた事件を説明したり、神さまたちへの祈りを捧げたりして、劇の進行や盛り上げに重要な役割を担っているのです。
≪SCENE≫
シーン
場面。
オーケストラを客席がぐるりと囲んでいますが、その開口部に、一段高く、ステージを設けます。
そのステージが屋根つきの一軒長屋みたいな横長の建造物を背負っています。
この二つを合わせて、スケーネと呼びました。
英語読みだとシーン。
≪AUDITORIUM≫
オーディトリアム
観客席
ギリシャ語読みではアウディトリウム。
このAUDIという言葉、ドイツ車の他に何かを連想しませんか?
AUDIO。オーディオ。
そう、このAUDIという語は「聴く」という意味なのね。
だからオーディトリアムは観る席じゃなくて聴く席。
観客席じゃなくて聴衆席なのです。
audienceオーディエンスも同様。
観る客=観客じゃなくて、聴く客=聴衆の意味なんですな。
ね。
お芝居、演劇が、欧米では本来、観るものではなく、聴くものだったことがわかります。
だからシェイクスピアやモリエールや、現代劇作家まで、すごい・面白いと言われている劇作家は、言葉が音楽的な点が高く評価されているのです。
客も、聴いて驚きながら楽しむ。
一方、観て楽しむものはスペクタクルspectacle。スポーツとか競技系や試合といった、ローマ時代の巨大競技場で行われたものがこちらに分類されるかな。
観客はspectatorスペクテイター。
因みにメガネglassesは正式名称をspectaclesというし、詳しく細部まで調べることをinspect、検察官をinspecterといいます。
全部、「よく見るspect」繋がり。
というわけで欧米型の演劇が聴いて楽しむというスタンスがわかりましたね。
しかし、いつまでもギリシャ語のままで使われているということは、西欧各国にとって、演劇は自国語の中にはなかったのでしょうか?
この件に関しては別トピックで考えてみます。