1992年・夏―
大学二年生の私は合宿地・飯綱高原で途方にくれていた。
秋のリーグ戦本番を前に実践を重ねるメンバーを固めるための合宿だというのに、私はいわば二軍からのスタートを言い渡されたからだった。二軍といっても実質的には何の経験も持たずに入部してきた一年生の相手をするという立場だった。
私は焦りを感じていた。
チーム内でも珍しく高校からの経験者であるのに・・・
二年の秋のシーズンである程度大学のレベルに慣れておきたいのに・・・
他のポジションの二年は既に主力の座を確保しているのに・・・
当然、練習に身など入るはずもなかった。
そんなとき。
同じポジションの四年生のIさんが腰痛を悪化させて一軍の練習をリタイアすることになった。
その空席に私が呼ばれたのだった。
「このチャンスを絶対に掴みたい。掴まなければならない」
私は「スピード」という自分の長所をアピールしまくった。
100名からの所帯のチームで上級生やスタッフの目にとまるべく、頑張った。
誰よりも走った。
1ヤードでも前にボールを進めるためにねじ込んだ。跳んだ。押しこんだ。
その甲斐あってか、合宿最終日には私は1.5本目の座を確保することができた。
つまり、先発選手が怪我したら、あるいは調子が良くなければ試合に出る立場にまで上り詰めたのだ。
合宿最終日の晩というのは、合宿でのMVPや新人賞が発表される。
受賞したのは私と同じ代のQBのHだった。
彼の華々しいプレーや活躍ぶりをみれば誰もが納得するMVPだった。
そしてその打ち上げのあと・・・
私は4年生のIさんの部屋に呼ばれた。
同じポジションで腰痛で合宿をリタイアを余儀なくされた、あのIさんである。
同じ4年生のKさんも部屋にはいた。
私はビビッていた・・・一体何を言われるのだろう?
I「あのな・・・」
私「はいっ!」
I「チームのMVPは確かにHだったけどな・・・」
私「はぁ・・・」
I「オレのなかじゃお前がダントツのMVPなんですよ」
私「あ、ありがとうございます」
I「だからよ、これ・・・」
と言ってIさんが私に差し出したのは汚いノートの切れ端に書いた手書きの表彰状だった。
字だって汚いものだった。
でも確かに私の名前が書いてあった。
私は泣いた。
自分だって怪我をして悔しいだろうに・・・
私を讃えてくれたIさんの懐の深さに涙が止まらなかった
「この秋はこの人のためにプレーしよう」と心に決めたのだった。
結局そのシーズンは二部のリーグ戦に優勝し、一部との入替戦で敗退した。
私自身はポイントで試合に出ることができ、チームとしても個人としても充実したシーズンだった。
そして、そんな私を陰で精神的に支え続けてくれたのがIさんだった。
早いものだ。
あれから、もう13年が経とうとしている・・・
そんなIさんが歌舞伎町に念願の居酒屋をオープンすることになった。
今度は私が応援する番です。石黒さん。
そんな石黒さんのお店の名前は「わくわく」。
みなさん、機会があったら行ってみて下さい。
7月6日オープン。
☆居酒屋「わくわく」
新宿区歌舞伎町1-6-6橋本ビル2F
03-5272-3108
大学二年生の私は合宿地・飯綱高原で途方にくれていた。
秋のリーグ戦本番を前に実践を重ねるメンバーを固めるための合宿だというのに、私はいわば二軍からのスタートを言い渡されたからだった。二軍といっても実質的には何の経験も持たずに入部してきた一年生の相手をするという立場だった。
私は焦りを感じていた。
チーム内でも珍しく高校からの経験者であるのに・・・
二年の秋のシーズンである程度大学のレベルに慣れておきたいのに・・・
他のポジションの二年は既に主力の座を確保しているのに・・・
当然、練習に身など入るはずもなかった。
そんなとき。
同じポジションの四年生のIさんが腰痛を悪化させて一軍の練習をリタイアすることになった。
その空席に私が呼ばれたのだった。
「このチャンスを絶対に掴みたい。掴まなければならない」
私は「スピード」という自分の長所をアピールしまくった。
100名からの所帯のチームで上級生やスタッフの目にとまるべく、頑張った。
誰よりも走った。
1ヤードでも前にボールを進めるためにねじ込んだ。跳んだ。押しこんだ。
その甲斐あってか、合宿最終日には私は1.5本目の座を確保することができた。
つまり、先発選手が怪我したら、あるいは調子が良くなければ試合に出る立場にまで上り詰めたのだ。
合宿最終日の晩というのは、合宿でのMVPや新人賞が発表される。
受賞したのは私と同じ代のQBのHだった。
彼の華々しいプレーや活躍ぶりをみれば誰もが納得するMVPだった。
そしてその打ち上げのあと・・・
私は4年生のIさんの部屋に呼ばれた。
同じポジションで腰痛で合宿をリタイアを余儀なくされた、あのIさんである。
同じ4年生のKさんも部屋にはいた。
私はビビッていた・・・一体何を言われるのだろう?
I「あのな・・・」
私「はいっ!」
I「チームのMVPは確かにHだったけどな・・・」
私「はぁ・・・」
I「オレのなかじゃお前がダントツのMVPなんですよ」
私「あ、ありがとうございます」
I「だからよ、これ・・・」
と言ってIさんが私に差し出したのは汚いノートの切れ端に書いた手書きの表彰状だった。
字だって汚いものだった。
でも確かに私の名前が書いてあった。
私は泣いた。
自分だって怪我をして悔しいだろうに・・・
私を讃えてくれたIさんの懐の深さに涙が止まらなかった
「この秋はこの人のためにプレーしよう」と心に決めたのだった。
結局そのシーズンは二部のリーグ戦に優勝し、一部との入替戦で敗退した。
私自身はポイントで試合に出ることができ、チームとしても個人としても充実したシーズンだった。
そして、そんな私を陰で精神的に支え続けてくれたのがIさんだった。
早いものだ。
あれから、もう13年が経とうとしている・・・
そんなIさんが歌舞伎町に念願の居酒屋をオープンすることになった。
今度は私が応援する番です。石黒さん。
そんな石黒さんのお店の名前は「わくわく」。
みなさん、機会があったら行ってみて下さい。
7月6日オープン。
☆居酒屋「わくわく」
新宿区歌舞伎町1-6-6橋本ビル2F
03-5272-3108
あの時こんないい話があったとは知らんかった!!ちょっと感動した。 おれブログとかないからリンクとかはでけんけど、また見にくるわ~~ バックス会年末にでもやろうぜ! もち「わくわく」で^^