<前回のあらすじ>
座間キャンプのコーチ・レイの自宅に招待された私とカントクだったが・・・
はて。
さて。
どうしたものか。
私は夕暮れの藤沢で思案に暮れていてた。
カントクはピザとワインをもって行くそうだ。
私はガイジンの友達もいなければましてや「ホームパーティー」なるものに行ったことなどもちろんない。英語だってカラッキシなんだから。
やっぱり食べ物を持っていった方がいいのだろうか?
そんなことを考えていると携帯が鳴った。カントクからだ。
「おぁ。Aも行くってよ。あいつはケーキもって行くって」
Aとは若手のコーチだ。
高校時代にアメリカに留学していた経験があり、それこそ英語はお手の物だ。
そのAはケーキを持っていくという。
ますます食べ物を持っていく理由がなくなってきた。
というわけで、食べ物以外のものを持っていくことにした。
やっぱりガイジンが喜びそうなもの・・・
でもなぁ。
やっぱこの場合は奥さんを喜ばせないとなぁ・・・
そういえば、レイが一体どのくらい日本にいるのか知らない。
もう何年も日本にいるようだったら、アリキタリの「日本グッズ」は却って迷惑だしな。
日本特有のものでありながら、珍しいもの・・・例えば期間限定の・・・
と思いながら、ウロウロしていたらお正月用のしめ飾りが目に飛び込んできた。
「こ、これは・・・」
これはいい!
期間限定だし、珍しい!日本でもこの時期にしか売っていない!
うってつけだ!
でも。
ひょっとしたらもっといいものがあるかも知れない、と思い「第一候補」として保留した。
その売り場の裏側に回ると・・・
十二支のカワイラシイ置物が!
「こ、これもいい・・・」
と思ったものの、手土産にしては値段が高いので保留。
うーん、ヤッパリしめ飾りかなぁ?
と思いつつ、藤沢で一番大きな書店が入っているビルの中を見て何も心に響くものがなかったらしめ飾りにしよう、と決めた。
何もなかったらね・・・しめかざ・・・り?
う。
あった。
あってしまつた。
いいもの。
というか、いいアイデアが浮かんでしまった。
「コマ」と「折り紙」である。
うふ。
コマはあの人差し指と親指で挟んで「クルッ」と回すやつである。
テーブルの上でみんなでクルクル回して見せたらさぞかし喜ぶのではないだろうか?
そして折り紙は・・・
われわれ3人でこの折り紙を使って彼らの目の前で鶴を折って見せるのだ。
さぞかし「日本の男たちはサルみたいなくせに何て手先が器用なんだ!」と大喜びするに違いない!
これはいい!
絶対にウケる!
そう、私はすっかり手土産の内容からパフォーマンスの内容を吟味するようになっていた。
だってしめ飾りは飾るだけじゃん
このパフォーマンスで片田舎のシャイな日本人と極東に配置された軍人夫婦の間の垣根は一気に取り払われ、和やかな雰囲気の中でピザつまみながらワインを傾け、デザートにケーキを食べるのだ!
これ以上のものはあり得ない!
彼らが喜ぶ姿が目に浮かぶ。
「Great!」「Nice!」
なんていわれちゃったりして・・・
購入した折り紙とコマと果てしない妄想を抱えながら待ち合わせの場所に向かうのであった・・・
(つづく)
座間キャンプのコーチ・レイの自宅に招待された私とカントクだったが・・・
はて。
さて。
どうしたものか。
私は夕暮れの藤沢で思案に暮れていてた。
カントクはピザとワインをもって行くそうだ。
私はガイジンの友達もいなければましてや「ホームパーティー」なるものに行ったことなどもちろんない。英語だってカラッキシなんだから。
やっぱり食べ物を持っていった方がいいのだろうか?
そんなことを考えていると携帯が鳴った。カントクからだ。
「おぁ。Aも行くってよ。あいつはケーキもって行くって」
Aとは若手のコーチだ。
高校時代にアメリカに留学していた経験があり、それこそ英語はお手の物だ。
そのAはケーキを持っていくという。
ますます食べ物を持っていく理由がなくなってきた。
というわけで、食べ物以外のものを持っていくことにした。
やっぱりガイジンが喜びそうなもの・・・
でもなぁ。
やっぱこの場合は奥さんを喜ばせないとなぁ・・・
そういえば、レイが一体どのくらい日本にいるのか知らない。
もう何年も日本にいるようだったら、アリキタリの「日本グッズ」は却って迷惑だしな。
日本特有のものでありながら、珍しいもの・・・例えば期間限定の・・・
と思いながら、ウロウロしていたらお正月用のしめ飾りが目に飛び込んできた。
「こ、これは・・・」
これはいい!
期間限定だし、珍しい!日本でもこの時期にしか売っていない!
うってつけだ!
でも。
ひょっとしたらもっといいものがあるかも知れない、と思い「第一候補」として保留した。
その売り場の裏側に回ると・・・
十二支のカワイラシイ置物が!
「こ、これもいい・・・」
と思ったものの、手土産にしては値段が高いので保留。
うーん、ヤッパリしめ飾りかなぁ?
と思いつつ、藤沢で一番大きな書店が入っているビルの中を見て何も心に響くものがなかったらしめ飾りにしよう、と決めた。
何もなかったらね・・・しめかざ・・・り?
う。
あった。
あってしまつた。
いいもの。
というか、いいアイデアが浮かんでしまった。
「コマ」と「折り紙」である。
うふ。
コマはあの人差し指と親指で挟んで「クルッ」と回すやつである。
テーブルの上でみんなでクルクル回して見せたらさぞかし喜ぶのではないだろうか?
そして折り紙は・・・
われわれ3人でこの折り紙を使って彼らの目の前で鶴を折って見せるのだ。
さぞかし「日本の男たちはサルみたいなくせに何て手先が器用なんだ!」と大喜びするに違いない!
これはいい!
絶対にウケる!
そう、私はすっかり手土産の内容からパフォーマンスの内容を吟味するようになっていた。
だってしめ飾りは飾るだけじゃん
このパフォーマンスで片田舎のシャイな日本人と極東に配置された軍人夫婦の間の垣根は一気に取り払われ、和やかな雰囲気の中でピザつまみながらワインを傾け、デザートにケーキを食べるのだ!
これ以上のものはあり得ない!
彼らが喜ぶ姿が目に浮かぶ。
「Great!」「Nice!」
なんていわれちゃったりして・・・
購入した折り紙とコマと果てしない妄想を抱えながら待ち合わせの場所に向かうのであった・・・
(つづく)