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遠のく背中

2009年04月27日 | アメフト
チームは敗れ去った。

一年間で積み上げてきたものは十分ではないことを2時間のゲームで、否、実質わずか2プレーで証明されてしまった。

ここ4年で4回目の2回戦敗退。

06年 8-24 横浜
07年 14-20 慶応
08年 0-20 法政

いずれもTD三本以内の試合をしてきた。

それが今年は0-38。
遠のいた。

選手は毎年入れ替わっている。
変わらないのはスタッフ。
否、もう少し正確に言うとスタッフも毎年人の入れ替わりがある。
変わらないのは私、ヘッドコーチである。

「オレじゃもうだめかもしれない」
競技に関係なく、チームをリードし続ける人間は必ずそう思うのだという。
日本一になった社会人チームの監督も大学の監督もその後の敗戦の後で必ずそういうのだ、と。
彼らとてそう思うのだ。ましてや2回戦敗退を続けている私などが思わないはずがない。

「いい試合をする」と「勝つ」との差はわずかに見えて実は全く違うものだ。
いい試合をしていると応援してくれる観客も実際勝ちそうになると「勝ってはいけない」という雰囲気になる、と安西先生も言っている(スラムダンク参照)。

一方で選手はコーチの鏡であるという。
これも事実だと思う。
往々にしてチームが油断したり思い上がったり、あるいはモラルが低下していたりするとき、実はそれはコーチ、即ち私自身が油断したり思い上がったりしているものである。

そんなことを、考えている。

振り返って今年のチーム。
私のかかわってきたチームの中でも歴史的なチームだった。
夏の合宿では徹底的に鍛えぬいた。
勝てない秋。
その後、歓喜の新人戦。
「新人戦だし」「2Qしかやらないし」「ブリッツもないし」。
でもまぐれで勝てる相手でもないのも事実。
それは何度も跳ね返されてきた私だから知っている。
本当の苦しみはその後。
練習試合での歴史的大敗。
その後の練習試合では強豪相手に連勝。しかも逆転勝ち。
「勝ったのに悔しい」と選手が言うモラルの高いチームは初めてだった。

その一方で自分たちの力を信じきれず、量りかねていた。

不安定な試合展開が続いていたのを我々スタッフはわかっていながら払拭できなかった。
「強いとき」と「弱いとき」の振幅があまりにも大きい。
同じ試合でも前半と後半で全く出来が違うことがしばしば見られた。

それは実力がないのと同義だった。

「このままでは拙い」

スタッフの危機感が伝わらない。
修正が効かない。
それはスタッフの「無能」を意味する。

そしてチームは敗れ去った。
見えていた背中は遠ざかった。

でもね。
ありがとう。
今年の経験は間違いなく今までの経験とは異質なものだった。
毎年毎年苦しい時期はあるけど今年の「苦しい」は今までとは全く違った。
そしてそれは必ず将来に生かすことが出来る(無能だけど)。
ありがとう。本当にありがとう。


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1 コメント

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Unknown (TH)
2009-04-28 17:21:50
一年間チームを作り上げていくあなたは立派です。
仕事をしながら、毎年毎年、チーム作りをし、選手たちに喜びを与えている、凄いことです。
上に立つと、孤独を感じることもあるかと思いますが、自信をもって、これからもがんばってください。
応援します。
まっ、愚痴があったら、たまには遊びにおいで。
藤沢の飲んだくれより
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