intoxicated life

『戦うやだもん』がお送りする、画日記とエッセイの広場。最近はライブレビュー中心です。

愕然。

2006-01-25 | opinion
京王線のセンスのなさにはほとほと呆れるものがある。ひどすぎる。


この限り無く排泄物に近い色をしたシールには「おもいやりぞーん」と、子供でもわかるようにひらがなで書かれていて、イラストで「携帯×」と付け加えられている。


まず、美的センスのかけらもない。車両(8000系)内は白を基調としたなんの変哲もない車両であるのに対し、この茶色の存在感は強烈だ(そういう点では効果があるかもしれない、なんて気にさせられるほど)。視界への侵入を食い止めることが極めて困難なこの色合い、誠に不愉快。


次に、道義的であれこれを加える必要はまったくない。この優先席・車椅子用のスペースには、車内マナーやら車椅子をかたどったものなど、すでにたくさんのシールがベッタベタに張り付けられている。まず間違いなくこれで十分ここが優先席であることは誰にでもわかるはずなのだが。

しかしながら(ここが一番の問題なのだが)、優先席付近で平気で携帯をいじる人はいくらでもいる。僕も正直いじってしまうことがある(気をつけてはいる)。多分京王もそんなことは知っている。知っていながら、つまりこの「おもいやりぞーん」に、「ペースメーカーを使う人々を助けるために頑固とした姿勢をとる」という決意、あるいは実効性を期待していないところに問題の根源がある。

事故防止のため、本気で駆け込み乗車をやめさせたいのであればアナウンスで呼び掛けるなんかよりガードマンを立たせた方がなんぼか効果がある。携帯マナーだって、本来は「迷惑だ」と思った人が直接その不快感を伝えればいいだけなのだが、鉄道会社は本気でやめさせる気がないから(つまりマナーを呼び掛けているという「姿勢」を示しておきたいだけだから)、シールとか車内放送といった「反論を封じる」形でだけで違反者を糾弾する。セコいと思いませんか?


対話による軋轢を極端に避けたがる我々日本人は、こうやって言葉の意味をどんどん希薄にしていく。事なかれ主義、責任転嫁の繰り返し。武部幹事長もホリエモンがああなった以上潔くやめた方がいいし、それを必要以上に追及しないメディアも、ホリエモンをダシにさんざん視聴率を取ってきたことを謝ってもいいと思うのだが。

ホント、こんな社会に誰がしたんだ。悔しいわ。京王に対しては、このことについて文書などで訴える予定です。


臨界点から限界点:ZAZENBOYSⅢ

2006-01-17 | music
出ました。タミフルを投与し自宅療養中のためヒマを持て余しているので、簡単に曲の感想などを挟みつつ「やっぱりイナザワがいないのはキツイ」ことを主に述べていこう。


1.SUGAR MAN

リフは以前、松下敦(Dr)氏加入が発表になったときに配信されていた20秒あまりのデモ音源がベースになっているようだ。このリフ以外はリズムが完全に崩壊。歌詞に登場するジョン・コルトーレンは『バラッド』などを出したジャズミュージシャンのようだ。


2.Take Off

向井秀徳(Vo,G,Syn)が『夜の夜中2.5時』というフレーズはいつくらいから言い出したのかは忘れたが、いいフレーズだ。巷では「よりギター、ベースの自由度が高まった」とか書いてあったが、なんてことはない。相対的にドラムの自由度が減っただけのことだ。松下氏はとっても重くてがっつりしたドラミングが魅力であるから、今回のような「聴かせる」曲の多いアルバムにはもってこいかもしれない。この曲もシンプルで平らなリズムにシンセが怪しく鳴り、時に壊れる、という構図があるためこのドラミングでも問題ないようだが、やはり物足りない。しかし、2:43~あたりのフィルで「タカタカ」と単純に4つ連打する、こういうのはとてもよい。ヘンタイ拍子などをさんざんやったあげく、ああいうことをやるのはとても効果があるからだ。歌詞では他に『湯が沸くサウンド めん』というのが支離滅裂でわけがわからない。


3.Friday Night

シングル扱いの一曲。去年の段階でプロモは流出していたが、これを見た時点で「ああ、やっぱりイナザワはすごいんだ」と思った次第であります。これまたシンプルなリズムで聴かす、という構図であり、物足りない。流行の言葉を使えば、ドラムのフレーズがすべて想定の範囲内なのですよ。うー。話を変えまして、アルバム全体を通して日向(B)さんのすごさがしみじみと感じられるのですが、この曲のサビでもそれは顕著であります。2:52~からのサビのフレーズですが、僕がよく頭の中で作りたいな、ひけたらカッコイイだろうな、といったフレーズを実際に弾いてくれるのがこの人です。自由だとかフリーキーという言葉では語りつくせませんが、若さの出る方向が常人とは違って素晴らしいと思います。

4.Tombo Game

タイトルから推測するにNUMBER GIRL時代の『Tombo~』の続編のような曲だったら、なんて淡い幻想もありましたが、むしろ『delayed brain』以降の指弾きギターリフとファルセットの踏襲が見られます。『開戦前夜』の一部分みたいなかんじでしょうか。ドラムは松下氏加入後の『開戦~』や『Kimochi』に近いです。カチカチスカスカ、というフレーズですが、氏らしい解釈でプレイされた『Kimochi』のメロはかっこよかったので、この曲のドラミングもびっくりするほどではないがなかなか好みではあります。ハットオープンとバスを喰わせるタイミングは僕も盗んで使ってます。


5.Pink Heart

この曲とM10Lemon Heartについては、キャプテン・ビーフハートというアーティストにそのルーツがあることは間違いありません。そちらを聴いてみて下さい。

6.RIFF MAN

発売前の段階で聴くことの出来た中ではこの曲が最も期待できた曲であり、フェイバレットチューンとなりました。メロの7/8のリズム感は言うまでもなく、サビでは往年の「喰った(=半拍つんのめる)」リフが展開。2番以降は変拍子とユニゾンの応酬。向井氏もおそらく吉兼(G)さんと出会ったからこそこういった方向に進むことが出来たのだと思います。
といっておきながら、やっぱりドラムで気になってしまう。サビで喰うリズムの瞬間、ギターもベースもそこに合わせてコードチェンジを行うわけですが、ドラムはハイハットオープン+バスドラで対応しております。しかし、シンバルに関しては松下氏は(記憶が正しければ)パイステ・2002シリーズあたりを中心にチョイスを行っており、ハットも例外でないとすれば(でもハットはジルジャンだった気がする)、これは上記のようなフレーズにはマッチしないのです。
マニアックに比較して言えば、イナザワ氏愛用のボスフォラス・トラディショナルシリーズがいわゆる「含み感」ゼロに限りなく近いシンバルなのに対し、パイステ2002(及びジルジャンであればAシリーズなど)はこれに当てはまりません。含み感について補足すれば、これがなければないほどキレが増し、ザクザクとして乾いた音が得られるものだと思ってください。ちなみに含み感の多いシンバルと僕が認識しているのは、セイビアンの全般(特にHH)、パイステ2002など。セイビアンのAA(X)やPRO、ジルジャンのAカスタムなどはまた違うタイプのシンバルですが、僕の好みでもあります。
まあ結果として、もっとキレのあるハイハットサウンドがないと、せっかくの喰ったフレーズに「しまり」がでないので気になってしまう、ということなのです。最後に話を曲に戻しておきましょう。全体的にちょっと曲が長い(後半がダルい)のが気になるところだが、これから何度も聴くこと間違いなしでしょう。


7.This is NORANEKO

ネコ好きの方にはぜひオススメしたい。とってもPOPな曲ではなかろうか。サビでなんやら唸り(コーラス)なのかギターなのか得体の知れないNORANEKOの叫び声が聴こえます。カシオマン氏のギターフレーズがうまくまとまっていてとても聴きやすい。松下氏のドラムもいい感じだ。やはりあまりベタベタした8ビートより、シェイクの入ったリズムの方がどう考えても得意なのではないだろうか。ズボンズの頃のリズム感がなつかしい。


8.METAL FICTION

『女(にょ)がはらんで くりかえし』。これくらいの変拍子には驚かなくなってきた(実際1stプレイでリズムがとれていた)。


9.Don’t Beat

リフがゲーム音楽に近い。いや、むしろ、僕の永遠のヒーローである「ロックマン」のそれではないか!ロックマン3のワイリー面第2ステージあたりで十分使えそうである。リフのタメが効いていてたまらなくよい。ただ再三繰り返すようだが、リフがここまで生きてくるのはドラムがシンプルにまとまっているからであることを忘れてはいけない。イナザワ放出という犠牲の下になりたっておるのです。ただイナザワ氏であれば、リフはおとなしくともBメロやらどこかしらで僕をニヤけさせてくれるはずだろう、とどうしても想像してしまうのです。


10.Lemon Heart

M5を参照。とはいえ、よりリズム感が生きた曲にはなっていますが。


11.Water Front

M3とこの曲とでセットのようです。松下氏の加入後『自問自答』がその素晴らしさをかなり失ってしまったこともあり、これからはこの曲がその役割を担っていくような予感もします(いや、そうでもないか)。念仏とファルセットが交互に現れ、シンセが全篇に渡ってフワフワします。『何かに取り憑かれたように笑い続ける子供達の闘い』。


12.Good Taste

『ブッカツ帰りのハイスクールボーイ』『買い食い』。学園モノなんだろうか。『警視庁と桜田門のハザマあたりで白と赤に変わる』あら、今度は刑事モノ?とまあ最後までホロホロである。
とはいえ、なんといっても3:13~が驚きなのだ。なんと松下氏、イナザワ王道のフレーズ(『The days of NEKOMACHI』など、NUM時代から多用)を使っておるではないか!別にパクったとかそんなことはどうでもよいが、前任者に対する尊敬の念であろう、と勝手に解釈し、一人で感動している。ちなみに私事になるが、僕の参加しているジオラマシーンというバンドに『夏』という曲でこのフレーズを叩いております。




さて、まあ第一印象のみで語っていったためのちのち心変わりしていくこともあるだろう。しかし、ドラムサウンド・ドラムフレーズ至上主義であらゆる音楽にとりかかってしまう僕にとっては(あ、サウンドに関していえばまーったくモンクのいいようはございません。ドカドカ、バカスカ、万々歳。)やや満足のいかない第3作目になってしまったと言わざるをえない。なんていいながら、これから1ヶ月くらいかけて聴きあさり、完コピしてしまうのだろうが。

全体主義は普遍化した!

2006-01-12 | opinion
カウントダウンジャパンフェス2005-2006公式HPより抜粋。



『1月2日(月)

すべての参加者の皆様へ

 COUNTDOWN JAPAN 05/06、出演者のキャンセルや、大きな事故やトラブル等なく、全行程無事終了しました。大成功と言っていいと思います。出演者のみなさん、このフェスを主役として作り上げてくれた参加者のみなさん、本当にありがとうございました。感謝しています。

 ただし。昨年までなら、ここで「これも参加者のみなさんのおかげです」とか「みなさんがフェスの主役であるという意識を持って行動したからです」とか「みなさんの主体性とモラルがどうのこうの」とか、喜びやら興奮やらで毎回毎回暑苦しいことを書いてきましたが、今回に関してはどうもそういう気分になれません。そういうのはもうちょっと違うなあ、というのが、3日間を終えての実感です。


成功に終わって、うれしくなかったわけではありません。元旦の夕方以降現在に至るまでひっきりなしにBBSに書き込まれ続けている、みなさんの「楽しかった」という声を読むと熱くなりますし、感動しますし、「もう終わっちゃったんだなあ」としみじみもします。が、今回そこで、「参加者のみなさんの主体性が!」とか言って興奮できないのは、なんだかもう、声を大きくして言うべきことでもないくらい、いちいち感動したりするまでもないくらい、それがあたりまえのことになっていたからです。それが「普通」だったからです、あの3日間では。(以下略)』



ああ、またマジョリティたち、善人なファンたちの声だけが闊歩している!このスタッフの言うことが正しいと仮定すれば、ではなぜBBSに「つまらなかった」「意外にゴミ落ちてました」などと書き込まれないのか。いや、書き込まれていたとしても、推測するに取るに足らない(つまりフェスに来なくても収益に支障のない程度の)ごく少数の批判に彼が目をつぶっているだけか、マイノリティはその絶対的な圧力、雰囲気に抑圧されて自分をただただ押し殺すしかなかったか、それだけのことである(そう願いたい)。前回の記事で僕の友人がストーンズのライブの時の出来事で語ってくれたように、もはや我々にはロッキンオン全体主義を批判することはできない、ということになる。いや、むしろそういった権利を持ち合わせてはいけないものなのかもしれない。


やや話はそれるが、一目この記事を見て思ったのは、小泉純一郎が争点を郵政民営化(モッシュ・ダイブの是非)に争点を絞って批判を封じ込めた手法と瓜二つだ。所詮日本的な集団主義ということなのだろうが、首相の強権政治よりも透明度が低い(メディアの槍玉になっていない)という点ではこちらの方がよっぽど悪質で、狡猾で、傲慢だ。嫌悪感を示したい。


前回『ロッキンオン的~』を書いたときにはロッキンオン社及びその雑誌自体に大してはそこまで反感はなかったのに、これで一気に興ざめした。「普通になった」という発言もさることながら、「主体性が!」とか言ってるところでもうすでに宗教化し始めている。信者も、教祖も、とことん気に食わない!


ここに絶対的に社会的弱者を封じ込める構造が存在していることが理解できないのであれば、あなたはこの全体主義の信者である。

15時間乗り放題

2006-01-05 | ライフサイクル
浜松から三島、熱海と乗り換え、大船で降りた5人兄妹とケイタイ音楽を巡って一戦交え、帰宅した。同行者は終点の東京駅でさざ波を感じ、三行半。


三重、和歌山など未開の地を多く見てまわったこの旅。バンドも結成(後日詳細)し、一年の景気づけになることを願いたい。


駄文が続きましたが、おいせ参り2006、これにて完結。


MUSIC:Fly/スパルタローカルス

尾鷲

2006-01-05 | ライフサイクル
日本で最も降水量の多い町にさしかかると空模様も悪天候に。木々も凍える低い山間部に掛かる雲からみぞれが降りそそぐ。新宮からは4時間のりっぱなし(!)なので、英検対策に勤しむ。

ちなみに乗客の9割はじーちゃんばーちゃんである。高校生はスピードワゴンのものまねである。

音楽はJポップヒットパレードで

ひこうき雲/荒井由実
ハイウェイ/くるり
12月の雨の日/はっぴいえんど
ラブリー/小沢健二

など。



the most south tip

2006-01-04 | ライフサイクル
せっかく海を眺めながら潮の音を聴こうと思ったのに、停車中のバスからは「潮岬行きです!」が3秒に一度(停車時間が7分なので140回)流れ、展望台からは無名の男性シンガーの「翼をください」が爆音で流れる。後者には抗議し、「波の音を楽しもうという人のことは考えないのですか!」と言ったらなんともすんなり受け入れてもらった。この軽率さが逆に怒りをかきたてる。

岩の上に同行者が立っています。左下。