ここ十数年ほど、「下層」風のファッションがはやっている。80年代のなかばごろには、お嬢様風とか大学生風のファッションも流行ったというのに、どうしたのだろう。アメリカの牢獄での服装、いかにも乞食風の破けたジーンズ、ストリート系の、ストリートチルドレン出身だといわんばかりの格好を、上流や中流の人たちも楽しんでいる。
それはそれで独特の美意識がこめられており、面白い。本当に下層でない人たちには、非日常を楽しむ要素もあるにちがいない。
だが、一方では中産階級風のファッションも健在であってほしいのだ。中産階級は、貴族ほど金持ちではない。少なくとも六本木ヒルズに住まう上流よりも、庶民に近いところにある。なので、時には下層の代弁者となれる。少なくともその蓋然性は高い。
中産階級はファシズムの温床にも、民主主義の担い手にもなりうる。
具体的な「豊かさ」の内実は、地球環境や旧・第三世界とのかねあいも含めて調整されてしかるべきだ。しかし、そこそこのゆとり、豊かさをもつ幅広い層が社会を形作ることは、極端な格差の是正または防止のために、充分に意義がある。
ここでひけらかすようなことは言ってこなかったが、何をかくそう、わたしも元は中流の出身だ。田舎の窮屈さをきらって都会に出てきたのも、ブルジョワの語源、ドイツ語のブルガー(中世ドイツの城塞都市の住人。)と似た気風によるものだった。自由にするという都市の空気にあこがれたのだった。
中産階級はイケてないとか、カッコ悪いというわけではない。中産階級になりたい人が、そうなれるシステムは守るべき価値だ。今はどんどん壊している。公務員たたきも流行っている。ただ一方で、「自分の子どもだけは何とか公務員に...」と狙う親が後をたたないのも現実の一面なのだ。
中産階級とか中流とかで何が悪い。いいじゃないか。貴族みたいにぜいたくで堕落していない。労働者階級の立場・気持ちも分かる。分かるからいじめる場合もあれば、分かるから助けることもある。たとえばわたしの知り合いで、年収600万円の人がいる。その人は、わたしの知らない高度な知識をわかりやすく解説して、わたしの学習を助けてくれる。そんなステキな中産階級の人もいるのだ!
富の分配が公平で、民主主義がよく機能しちているバロメーター。これを責め滅ぼしてはいけない。
というわけで、ブルジョワ万歳! バンサイ!! ばんざーい!!!
(追記:最近、親類のお葬式のためにひさびさに中産階級流のファションで決めました。するとこれがけっこう気持ちよかったのです。そのことをきっかけにこの記事を書きあげました。)
それはそれで独特の美意識がこめられており、面白い。本当に下層でない人たちには、非日常を楽しむ要素もあるにちがいない。
だが、一方では中産階級風のファッションも健在であってほしいのだ。中産階級は、貴族ほど金持ちではない。少なくとも六本木ヒルズに住まう上流よりも、庶民に近いところにある。なので、時には下層の代弁者となれる。少なくともその蓋然性は高い。
中産階級はファシズムの温床にも、民主主義の担い手にもなりうる。
具体的な「豊かさ」の内実は、地球環境や旧・第三世界とのかねあいも含めて調整されてしかるべきだ。しかし、そこそこのゆとり、豊かさをもつ幅広い層が社会を形作ることは、極端な格差の是正または防止のために、充分に意義がある。
ここでひけらかすようなことは言ってこなかったが、何をかくそう、わたしも元は中流の出身だ。田舎の窮屈さをきらって都会に出てきたのも、ブルジョワの語源、ドイツ語のブルガー(中世ドイツの城塞都市の住人。)と似た気風によるものだった。自由にするという都市の空気にあこがれたのだった。
中産階級はイケてないとか、カッコ悪いというわけではない。中産階級になりたい人が、そうなれるシステムは守るべき価値だ。今はどんどん壊している。公務員たたきも流行っている。ただ一方で、「自分の子どもだけは何とか公務員に...」と狙う親が後をたたないのも現実の一面なのだ。
中産階級とか中流とかで何が悪い。いいじゃないか。貴族みたいにぜいたくで堕落していない。労働者階級の立場・気持ちも分かる。分かるからいじめる場合もあれば、分かるから助けることもある。たとえばわたしの知り合いで、年収600万円の人がいる。その人は、わたしの知らない高度な知識をわかりやすく解説して、わたしの学習を助けてくれる。そんなステキな中産階級の人もいるのだ!
富の分配が公平で、民主主義がよく機能しちているバロメーター。これを責め滅ぼしてはいけない。
というわけで、ブルジョワ万歳! バンサイ!! ばんざーい!!!
(追記:最近、親類のお葬式のためにひさびさに中産階級流のファションで決めました。するとこれがけっこう気持ちよかったのです。そのことをきっかけにこの記事を書きあげました。)