フリーターが語る渡り奉公人事情

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ニート対策って必要なの?

2006-01-06 21:50:30 | 現状
ひとつ前のエントリーにひきつづき、ニートの話をお送りします。

「愛知県の指導で名古屋市内の精神鍛錬所と昭和塾堂が『最低生活デー』の見本献立をつくり、県当局はこれを普及させようとしたが、それは同県御殿村では、一般農家の「最上の御馳走よりも尚高価なもの」であったため、人々のひんしゅくをかった(吉見 義明 「草の根のファシズムーー日本民衆の戦争体験」東京大学出版会1987、1988 第一章 デモクラシーからファシズムへ 第一節 戦争への不安と期待 10p)」

<2006/1/25追加>福岡・若者自立塾HP http://www.kusemi.ac.jp/jiritsu/index.html<2006/1/25追加>

フィギア萌え族のブログ
に記録されたニート塾のTV報道では、入塾費は3ヶ月で60万円、うち30万は公的扶助だという。
ひとくちにニートといってもいろいろな状態の人がいるだろう。なかでも、貧しい家庭のニートには、こういった塾の費用は払いきれないものではないだろうか?

たとえば、わたしの知っているあるニートの人の場合。十代の男性で、ときどき仕事があるときだけはアルバイトに行っている。じゃあアルバイターかな、と思いきや、本人の自己申告ではニートだと言う。
彼は十代のころに父親をなくし、母子家庭である。母子家庭の平均年収は、一説によると250万円。統計調査をするときに、あまりにも年収の低い人は回答拒否をしたり、こころもち多めに自己申告するであろうことも考慮すれば、実際にはもう少し低いと考えたほうがよいのかもしれない。

彼は、電車よりも自転車を使う。ふだん穴の開いた服を着ている。誰か経済的にゆとりのある人にごはんをおごってもらおうとしたがる。高校のときには、いじめがすさまじく、今でもその不安・恐怖が残っているそうだ。

こういう人にも精神鍛錬のためのニート塾を、と訴えはしない。ただし、ニート塾というのは、経済的な問題を過度に精神鍛錬主義にすりかえており、こっけいな産業である。料金もまた、人助けというよりも主催者らの自己満足か、純然たる金儲け主義であることも物語っている。
このようなところに政府の予算を使うべきではない。

十分な間取りのある低所得者向けの住宅の建設、最低賃金の引き上げ、労働基準法をじっさいに遵守させるための人手、フリースクールやホームスクールも含む奨学金の充実……などなど、他にいくらでも予算の使い道はある。

これは、本田由紀さんほかいろいろな人が指摘していることだが、そもそも、ニートを問題にすること自体、間違っているのではないだろうか。






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