物欲大王

忘れないために。

西村賢太「苦役列車」

2012年04月07日 09時28分18秒 | 読書、書評
2011年の芥川賞での受賞会見が話題になった西村賢太氏。
「面白い人だな」と全文が掲載されている文藝春秋を購入。
前半を数ページ読み、「すげぇ作家だな」と驚いた。
だが、日々のバタバタで読了まで到達しなかった。

2012年の受賞者は、職歴が無い田中さん。
「貰っといてやる」という会見がこれまた話題になり、
作品が掲載されている文藝春秋を購入。
田中さんの作品を読む前に、途中だった「苦役列車」を読んでみよう。
読了後、思った。「著者の他の作品も読みたい」と。

著者が描いているのは「私小説」というジャンル。
簡単に言うと「自分の事を書いた小説」で、読み手が共感できれば面白い。

作品の始まりが凄い。

「パンパンに朝勃ちした硬い竿に無理矢理角度をつけ、
腰を引いて便器に大量の尿を放ったのちには……」

すげぇな。この人。小説でまさか「朝勃放尿」の苦しみを読めるとは思わなかった。
俺もよくやるんだ。たまに失敗して床を汚しちゃうんだけど。
朝勃放尿の後も凄い。徹底的に自身の恥部をさらけ出す作風に驚愕した。
まるで「文学界のストリーキング」。尊敬に値する。

作品を読んで主人公に共感し、著者と友達になりたいと思った。
「俺の事を書いてくれている」本当にそう思った。
好きな作家が増える事は換え難い喜びである。

突然であるが、「朝勃放尿(あさだちほうにょう)」を新しい四字熟語にしようかと思う。
どの様な意味にしようか?思いついた。

「結果の可否に拘らず、必ず追行しなければいけない行い。」

ロイヤリティーは私まで。





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