幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

「病んだ家族散乱した室内」春日武彦著 ”医療者は興味とゆとりを持つ”

2019-05-02 02:37:00 | 本の紹介
・外来患者で、たとえばけじめのつかない生活のまま症状もいまひとつ改善せず、愚痴をこぼしにくるのだかカウンセリングを受けにくるのだかわからない人には、「とにかく部屋を片づけなさい。そして朝は遅くとも七時には起きるように心がけなさい。そうしなければ、今の状態からはけっして抜け出せませんよ」と、自分の経験を踏まえて伝えることにしている。

・「普通をだれも教えてくれない」鷲田清一著

・手段の目的化という「癒し」
 当初はそれなりの意味合いをもっていた行動がいつの間にか形骸化してしまい、その形骸化した行動が勝手に一人ある期してしまうために、結果として奇異な振る舞いが他人を驚かせたり、それどころか当人をも困惑させる場合が少なくない。

・アルコール問題に学んだ七つのポイント
1)患者と家族とは、無関係な立場にはない。患者そのものへアプローチを直接図ることは困難であっても、間接的ながら家族へアプローチを図ることによって、連鎖的に患者へ手を差し伸べることが可能となる。
2)本当のところ何が問題か、何がいけないかを、誰もが内心ではうすうす気づいている。が、種々様々な思惑によってそうした気づきは隠蔽されてしまっている。
3)腹を括らせることの意味。
4)知識や体験談の重要性。
5)仲間の存在の大切さ。
6)まことしやかな理屈や論理はただひとつだけではない。いくつもの似非理論が成立し得る。
7)誰のための問題解決か? 誰のための幸福か?

・「これが普通なんだよ」 ブラックボックスとしての家族
精神保健福祉センターで仕事を始めたころ、わたしは虐待とか謹慎相関といったケースが想像以上に多いことにたまげたことがある。とくに親と子供との性交などは、現実にはめったにあるものではないと勝手に考えていたので衝撃は大きかった。

・「複式簿記」は生活の知恵
 分裂病の患者が妄想の世界と現実の世界とを共存させたまま結構うまく生活しているさまを形容したもの。

・「なぜヒトは自ら死を選んではいけないのか、それをあなたにうまく説明はできません。残念なことに。だけど正直なところ、直感的にはそんな早まったことをするのは間違っていると思うんです。理屈なんかじゃないし、綺麗事で言っているつもりはないけど、とにかく寂しいよね。自分で自分の命を絶つなんて。わたしは今はじめてあなたと電話を通じて知り合ったわけだけれど、そんなつながりであっても、もしあなたが死を選んでしまったら私は悲しいな。残念だな、って思ってしまうな」

・家族という不思議な存在
1)患者への効果的な対応には患者だけを対象と見なさず、家族もまた同じように対象であると考えるべき。
2)家族とはひとつの独立した小宇宙みたいなものであり、必ずしも常識や理屈だけで対応しきれるものではない。かれらの非論理性への共感もまた必要だろう。
3)家族の心の余裕が問題解決を左右する。そしてケースにかかわる我々もまた「準」家族として心の余裕を必要とする。

・患者の立場から医者への不安
1)本当に適切な治療がおこなわれているのか?
2)医者はどこまで患者の生活ぶりを把握し、どこまで本人と話し合って意向や不満へ耳を傾けているのか。
3)どのあたりに目標を置いて医者は治療を行っているのか。
4)本来、医師と地域の援助者とは互いに連携し協力して患者を支えていくはずである。

・昨夜果たして食事をしたかどうか、それをいわば感覚的に覚えているかどうか-ここが、ただの物忘れ(昨夜食べたメニューを思出せない)と痴呆との違いなんですね」

・ケアの面から見た痴呆老人の特質
1)問題行動の根底には不安感が潜んでいることが多い。
2)「部分」をもって「全体」とする傾向がある。
3)知的能力が衰えても、プライドはそれなりに残っている。
4)動作や行動の能力低下に比較して、言葉に関する能力低下は目立ちにくい。
5)環境の変化に弱い。

・多少の不幸より「今のまま」
 人間は基本的に驚くほど現状維持と排他的傾向へのこだわりが強く、状況の変化を望むよりは、けっきょくは「今のまま」を選びたがり、多少の不幸には平気で甘んじてしまうものである。

・心の余裕という鍵-ふたたび「好奇心」について
援助者が心の余裕をもてるかどうかがじつに重要な鍵であり、そのためには「とにかくひととおりのことはおこなった。自分の気持ちに正直なかたちで、考え得る選択肢はすべて検討した。ないものねだりをしても仕方がない、あとは待機するしかないだろう」といった思いに至れるかどうかが肝要となる。
 使命感だけで働いていても、それではちっとも楽しくないし「ゆとり」ももてない。

感想
その仕事に興味と関心を持つことなのでしょう。
仕事はお金との対価との側面がありますが、それだけでなく相手を理解しようとする意志を持つことなのでしょう。

先ずは相手との信頼関係を築くために時間をかけていくことが必要なのだと思いました。

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