幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

「13歳『私』をなくした私 性暴力と生きることのリアル」山本潤著 ”社会をよくするために”

2018-07-01 11:08:11 | 本の紹介
実父から13歳から20歳まで両親が離婚するまで性暴力を受け続けた。

・2014年4月からホワイトハウスは「1 is 2(Too) Many」という動画を公開し、大きな話題を呼んだ。「一人でもいればそれは多すぎる」
「俺たちは止めるんだ、聞いてくれ」
「彼女が同意していない、もしくは同意の表明ができないなら、それはレイプだ。暴力なんだ」
「犯罪なんだ。間違っている」

・恐怖なく特定のパートナーと性的な関係を結ぶこと、それを継続していくこと。性被害を受けた自分には、それは決してかなわないことだと思っていた。

・心理療法の一つであるハコミセラピーでは、癒しは生き物にのみ起こることであり、私たちの身体と性と生命の自然な営みに戻ろうとする力を持っていると説明される。

・怖くて震えていいるのに、性行為をせずにはいられない。お酒を飲んで間隔を麻痺させ、終わったあとには傷だらけおいうこともあった。繰り返しの反復行為をせざるを得ない状態に陥っていて、自分の意思でコントロールが利かないのが一番苦しかった。そういうことをしながら私は感じていた・
男たちは一人ひとり違うし、セックスも一つひとつ違う。その中から確認していた。父との違いを。上からのしかかってくる重みの違い、感触の違い、においの違い。性的な体験を重ねるたびに、10代のときのあの経験を思い出す。それは身体からよみがえてくる記憶だ。のしかかってくる男の重みを感じながら、私は父を見ていた。彼がどのように私に覆いかぶさってきたのかを。

・ワンナイトを繰り返していたとき、自分が何をしているのかさっぱりわからなかった。この状態を何とかしたいと思い、東京で行われていたSANE(Sexual Assault Nurse Exzaminer:性暴力被害者支援看護職)研修で講師をしていたフェミニストカウンセラーのカウンセリングをを受けることにした。
伝統的なカウンセリングと違い、「女性の生き難さは個人の問題ではなく、社会の問題である」というフェミニズムの視点をもって、それぞれの女性の問題解決をサポートしている。
そのカウンセラーは講義の中で、「性暴力被害者が回復するの5年依存行動があれば10年かかります」その言葉を聞いたとき、私はその年月が長い道のりだとは思わなかった。何より、終わりがあると知れたことが嬉しかった。この出口のないトンネルを、明けない夜を、ずっとさまよい続けなければいけないのかと思っていたから。そうして私は、もう二度と行くものかと思っていたカウンセリングを受けることにした。

・「誰か、身近な女性の中でこうなりたいと思う人はいる?」と聞かれた。
 「います。美智子です」と私は答えた。美智子が言った今でも忘れない言葉がある。「潤ちゃん、男は女を幸せにしてくれるものよ」。私はのけぞった。男は敵だと思っていたのだから。

「その美智子さんを見て、ならえるといいよね」とカウンセラーは言ってくれた。

・だって、母は知らなかったのだ。知っていたら助けてくれたのだ。知った今、母もこんなにも傷つき苦しんでいる。そして全力で私を支えてくれている。だけど、だけど、それなら、どうして、こんなことが起こったのか。答えの出ない問いが自分の中を駆け巡る。

・(母親)もう一つ、私が大きく変化できるきっかけになったのは、よく家に遊びに来ていた娘の親友(美智子さん)の一言でした。彼女が家に遊びに来て、三人で楽しく語り合っていたとき、娘が突然怒ったように自分の被害のことを話したのです。その前に話されていた話題とは全く違う唐突な話し方でしtが、彼女は驚くことなく娘の話を聴いて、娘に共感をしてくれました。その後、私の手を優しく握りしめてくれた。「お母さんも大変だったね!」と言ってくれました。柔らかな温かい手でした。そのとき、胸の中に封じ込めていた、のたうち回って抑え込んでも抑え込めないほどの憎しみ、怒り、悲しみ、苦しみの塊が、たったその一言で溶けてしまったのです。私の家で起こった、実の父親が娘に性的虐待を行うということは、ほかの人には理解されないだろうと、また他者から責められるしかないだろうと、私の立場をわかってくれるひとなどいないだろうと、そう思っていました。その私のことを大変だったと思ってくれる人がいた。傷つきを抱えた一人の人間として、尊重された瞬間でした。大きな、大きな出会いでした。

・母親が元気になることが、結局は子どもが元気になることにつながる。でも、実際に母子でわかり合い許し合うためには長い時間がかかる。

・被害者・サバイバーに伝えてほしいこと
 「あなたの話を信じるよ」
 「あなたのせいじゃない」
 「あなた一人じゃない。あなたがおかしいわけじゃない」

・加害者臨床を行っている大阪大学の藤岡淳子教授たちと出会った。加害者臨床とは、非行や犯罪などの加害者行動を行った人たちに関わる治療教育などを含めた臨床のことだ。「性暴力の理解と治療教育」藤岡淳子著

・性犯罪は性欲求にのみ基づく行動ではなく、支配やパワーにまつわる問題であること、そして、女性や性に対する価値観の歪や、他社との関係性における認知の誤りが引き起こす行為であること。そして「加害者が求めているのは性的欲求の充足ではなく、むしろ優越や支配の感覚、接触の欲求、あるいは尊敬や愛情を得たいという要求であることさえある」という。性暴力は「関係性の病」でもあったのだ。

・専門家が勧める回復の道を歩まず、厄介ごとやトラブルに巻き込まれていいくのはなぜだろう。私はこう思う。もうこんなことには我慢できない。耐えられないと立ち上がって宣言することは、心の中の加害者に刃向う危険な行為だ。自分を屈服させ無力にし、思い通りにした相手に立ち向かうことなのだから。だから私の場合も、本当に死を意識するぎりぎりまで追い詰められて、初めてそういう決意ができたのではないか。

・SANE研修で繰り返し語られていたのは、暴力の被害者には責任がないこと、責任は暴力をふるった加害者にあること、女性や子どもが暴力被害にに苦しめられているのは社会問題だということ、これらを講師やスタッフたちが共通認識として持っていた。

・どうやったら回復できるの? 回復は自分の力で
 ・回復は「選択」
 ・回復には時間が必要
 ・回復はそれぞれのペースで
 ・回復は自分にしかできないこと

・私がしてきたこと
 ・祈る
 ・自助グループに参加する
 ・相談する
 ・傷は勲章になる

・女性作家で詩人のマヤ・アンジェロウの言葉
 「Nothing will work unless you do」(あなたがやらないかぎりどうにもならない)

・そして、いつも私を支え見守ってくれているかけがえのない大事な親友である美智子と夫と母に本当にありがとうと伝えたいです。

感想
カミングアウトするにはとても勇気が必要だったと思います。
このように声を上げる人がいて、問題を知り、そして良くしていかなければなりません。

親友、夫、母と身近に理解し、支えてくれる人がいたからできたのでしょう。
また社会にもそういう人がいたからでしょう。

「俺たちは止めるんだ、聞いてくれ」
「彼女が同意していない、もしくは同意の表明ができないなら、それはレイプだ。暴力なんだ」
「犯罪なんだ。間違っている」
男性の私たちはこのことをしっかりと頭に叩き込まないといけないのでしょう!

同意なしに行う、伊藤詩織さんをレイプしたことで逮捕直前に逮捕を免れた山口敬之氏、相手の同意なしは犯罪なんだということです。

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