幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

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「逆境からの仕事学」姜尚中著 ”自分にとっての仕事の意味を考えよう”

2018-12-05 02:58:44 | 本の紹介
・私は本書を通じて、三つのことを言いたいと思います。
 ・「自分にとっての仕事の意味を考えよう」
 ・「複眼的な視点を持とう」
 ・「人文知に学ぼう」
 この三つの提言は、それぞれが密接に関係し合うものでもあります。

・古典や歴史を振り返ることによる究極の教えは、「この社会はどこから来て、どこへ行くのか」ということでしょう(人文知に学ぼう)。

・「これこそが自分のやりたかった仕事である」と思い定めて邁進したわけではなく、言葉はよくありませんが、かなり、“なりゆき”まかせだったところがあるのです。しかし、結果的には、自分を最初から限定しすぎなかたことがよかったと思います。そして、仕事をするうちに、次々に予想もしなかった道が開けていったのです。ですから、もし、「自分らしさ」とは何なのかわからない状態で、なおかつ、目の前にチャンスのようなものがやってきた場合は、「とりあえず」でもいいから乗ってみたらどうでしょう。

・重圧に押しつぶされないための処方箋はないのでしょうか。それは、一つの環境に自分を100%預けてしまわないことです。仕事に取り組むときの姿勢においてもそうですし、生き方全体においてもそうなのですが、一つのことだけに打ち込みすぎない、自分を追い込みすぎないことが大切です。

・人はなんらかの障害があるほうが、それを乗り越えようとするエネルギーにおいて頑張ることができるのです。私自身がそうでした。政治学者になろうという純粋な目的のために頑張ったのではなく、在日であることを超克したい思いによって頑張り、結果的に自己実現のようなものが果たせてしまったと言ったほうがいいかもしれません。さまざまな障害や不自由さがあった昔のほうが、ある意味では精神的に楽だったわけです。

・この逆境の時代を生き抜くビジネスパーソンには、どのような態度や覚悟が必要になってくるのでしょうか。これはたいへん難しい問題なので、最適の特効薬のような答えを言うことはできませんが、一つだけ、よいヒントになりそうな言葉が浮かんでいます。それは「“自然”(じねん)であれ」ということです。自然には「おのずから」という意味も含まれ、すなわち、ありのまま、そのままということです。無理せず、見栄も張らず、作為的にもならず、ありのままの自分を認識するということです。かと言って、別に努力を放棄するわけでもありません。そうではなく、無理して自分を大きく見せたりしないのです。と同時に、自分を安く見積もることでもありません。いま、ここに存在している一個の人間として、自分をそのまま認識する-。それが自然(じねん)です。

・人生というのはつらいこともあるけれども、それでも人はエンジョイできるのだと。いや、エンジョイしなければならない、それはむしろ我々の義務なのだ(ドイツの大学院に留学していた時の、ギリシャ人青年)

・この不確実な時代にこそ、ビジネスパーソンの皆さんに一度は読んでいただきたい、おすすめの書籍を五冊挙げてみることにします。
(トップバッターに)

・ヴィクトール・フランクル著「それでも人生にイエスと言う」
本の全体を貫いているのは、人間は意味を求める存在であり、人生とは生きる意味と価値を求めることだという考え方です。・・・人間は意味を求める存在なのです。
・・・
大切なことは、人生の不遇を嘆くのではなくて、自分に課されたものを自ら問いかけ、それに応えていくことであり、それが生きることだというのです。(文庫本で4ページに渡って説明されています)

・ちなみに他の四冊
・ダニエル・デフォー著「ロビンソン・クルーソー」
・夏目漱石著「三四郎」
・ピーター・ドラッガー著「マネジメント-基本と原則」
・カール・ポランニー「大転換」

・その点(仕事の紹介)でもまさに大恩ある人なのですが、それにもまして私の心を打ったのは、彼(土門牧師)が与えてくれたある言葉でした。それは、旧約聖書の中の一節で「すべての技には時がある」(伝道の書第三章)というものです。その言葉を聞いたとき、私は雷に打たれるような感じがして、思わず涙してしまったのです。
(この言葉は、学生時代の彼女の手紙に「万物に時あり」の言葉があり、当時は意味がわかりませんでした。涙)

・ある詩人の言葉に、「私とは、これまで出会ってきた人の一部である」というものがあるのですが、まさしくそれだと思います。

・マネイジメントの役割
 ・自らの組織に特有の使命を果たす
 ・仕事を通じて働く人たちを活かす
 ・自らが社会い与える影響を処理するとともに、社会の問題について貢献する。

・フランクリンの言葉「時間は貨幣だということを忘れてはいけない。一日の労働で10シリング儲けられるのに、外出したり、室内で怠けていて半日を過ごすとすれば、娯楽や懶惰(らんだ)のためにはたとえ6ペンスしか支払っていないとしても、そえを勘定にいれるだけではいけない。ほんとうは、そのほかに5シリングの貨幣を支払っているか、むしろ捨てているのだ」

・ウォルター・アイザックソン著「スティーブ・ジョブズ」

・社会の中にミッションを見つけよう。どんなに普通の人でも、そこに自分なりの動機づけがあると思えば、仕事を頑張ることができて、仕事の質も上がっていきます。

感想
境遇を嘆くより、その境遇は人生からと問いかけと受け止め、その時その場で出来ることをやっていくことが、仕事の意味/人生の意味を見つけ、そんな境遇だからこそ自分だけが出来ることをやっていくことなのでしょう。
そんな生き方をされて来られたのが姜尚中さんご自身だったように思います。
そのための努力も重ねられてこられたようです。

自分ひとりの命でない。
多くの人に支えられてきた自分がいる。
きっと、姜尚中さんご自身も多くの人を支えて来られているのでしょう。