花の都、フィレンツェ。ルネッサンス文化の発祥の地として知られ、アルノ河の両岸に、中世からの町並みが広がります。
12世紀、共和国都市国家となったフィレンツェでは、メディチ家を中心にルネッサンス文化が花咲きました。祖国の建国の父といわれたコジモは、階級社会のヨーロッパにあって、それまで「職人」と見られていた画家や彫刻家などの才能を評価し、「芸術家」の地位を与えました。その後もコジモ以下歴代の当主がパトロンとなり、ミケランジェロ、ラファエロ、ボッティチェッリといった後世に名を馳せた芸術家を育て上げました。そしてフィレンツェ近郊のヴィンチ村は、レオナルド・ダヴィンチ生誕の地。ダ・ヴィンチは14歳のときにフィレンツェに移り、画家見習いとしてヴェロッキオに師事、ボッティチェッリらとともに絵画を学んだあと、ミラノに行き、有名な「最後の晩餐」の作品を仕上げました。
ルネッサンス文化の集大成といえるのが、ウッフィッツィ美術館です。いつも長蛇の列ですが、予約券を買うとすんなり入れますので、かならず見学したい場所です。ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」や「春」、ダ・ヴィンチの「受胎告知」、ラファエロの「ヒワの聖母」などが有名です。