ポーランドからの報告

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ポーランド人の姓 ①

2007年02月20日 | 雑学

ポーランド人の名字の数は40万種と言われています。中国人で300種、イギリス人で1万数千種、日本人で約10万種なので桁違いに多いことになります。

ポーランド人の姓というと、「~スキ(ski)」型が有名ですが、実際に統計を見てみると、ポーランド人に一番多い名字はNowak(ノヴァック)で約22万人、ついでKowalskiコヴァルスキ、Wiśniewski(ヴィシニェフスキ)、Dąbrowski(ドンブロフスキ)、Lewandowski(レヴァンドフスキ)、Kamiński(カミンスキ)….とやはり「~スキ」型が多くなっています。

ポーランドではお金を払えばわりと簡単に改姓できます。ポーランドで改姓が認められるケースとは、官報(1956年11月15日付)によれば、①こっけいな姓、ないし人の尊厳を傷つけるような姓 ②非ポーランド的な姓 ③ファーストネームと間違える可能性のある姓 となっています。

ポーランド人の姓は、その絶対数が多いだけに、面白い姓も沢山あり、確かに、失礼ながら笑ってしまう名字もあります。例えば、
 
食べ物の名前: Śmietana(生クリーム) Serek(チーズ) Kapusta(キャベツ) Cebula(たまねぎ) Kiełbasa(ソーセージ) Żurek(ジューレック)*1 Bigos(ビゴス)*2
動物の名前: Zając(野うさぎ) Żaba(かえる)
尊厳を傷つける姓: Dupka(尻) Choroba(病気) Bałwan(間抜け) Pokraka(モンスター)
その他: Pogoda (天気) Rozum(脳) Czekaj(待って) Tutaj(ここ) Pcham(押します)

知り合いの医者はChoroba(病気)という名字なのですが、縁起が悪いから、とこの医者にはかかりたくない人もいるかもしれません。Zając(野うさぎ)などかわいくていいじゃないか、と思うかもしれませんが、ヨーロッパでは野うさぎは臆病者の代名詞となっていますので、これも不名誉な姓であるといえます。

このようにこっけいな姓は例を挙げればきりがないのですが、実際には改姓する人はほんの一部のみだそうです。Śmietana(生クリーム)さん、Czekaj(待って)さんなどはそう珍しい名前ではないのでまず改姓は認められないのではと思います。そういう場合、結婚をきっかけに相手側のより響きのよい姓に変更するなどの形で改姓している人が多いようです。
つづく

 *1 ジューレック:ポーランドの伝統的なスープの一つ。
 *2 ビゴス:ポーランドの伝統的な家庭料理の一つ。


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1 コメント

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Unknown (ぴっちゃん)
2007-02-25 11:12:00
お久しぶりです。

チェコ人でも作曲家のスメタナは「生クリーム」さんですし、サッカー選手のネドヴェドは「熊」さんですね。
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