ポーランドからの報告

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 『チビクロの冒険』

2007年02月28日 | 文化
ポーランドはかつて共産主義の国でした。当時のポーランドはまだ日本人には近寄りがたく、鉄のカーテンの向こう側の未知なる国という感じでした。

そんな社会主義時代にポーランドに滞在された方が出版された書籍は、当時のポーランドを知る貴重な資料といえます。

『チビクロの冒険』は、子犬の「チビクロ」が、小学1年のミコちゃんや幼稚園児のひろしくんとととも、社会主義の街ワルシャワで大活躍する物語です。著者の阿部氏は、1975年から1978年までの3年間、社会主義時代のポーランドに滞在し、ワルシャワの街のありのままの姿を見てきました。ポーランドに犬が多いということから、犬を主人公としたファンタジーになりました。お子さんのために当時を忘れないために書きためておいたものを、後日絵本として発表したものです。

   

社会主義の崩壊から今年でもう17年になります。体制も変わり、ポーランドはNATOやEUにも加盟しました。現在のポーランドでは、深刻な品物不足に悩まされたり、諜報行為におびえたりということは一切ありません。しかしこの本に書かれていることがすべて昔話になったのか、というとそうでもなく、社会主義時代の名残は、現在でも人々の暮らし方や考え方の中に残っています。体制は変わっても人は変わらず、とはポーランドについてよくも悪くも頻繁に言われるフレーズです。この本を読むことで、現在のポーランドがいっそう理解できるようになると思います。


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