ポーランド人にポーランド語で何か質問して、「No」との答えが返ってきたら、それは「いいえ」の意味ではなく、「はい」の意味なんです!
ポーランド語で肯定の返事「はい」は Tak(タック) 、否定の返事「いいえ」は Nie(ニィエ) です。
でもその他に No(ノ) という単語があり、日本語の「はい」に対する「うん」のような、くだけた意味の肯定のフレーズとなっています。つまりNo(ノ) は、「Yes」を意味する言葉なんです!
この No(ノ) は英語のような ノウ ではなく、スペイン語やイタリア語のように、音節を軽く切って、そしてやや高音気味に ノ(高) と発音します。もちろん英語・スペイン語・イタリア語の否定の返事 No とはまったく関係がなく、れっきとしたポーランド語です。チェコ語で肯定の返事「はい」を Ano(アノ) といいますが、むしろこちらに起源が近い言葉です。
そういうわけで、ポーランド人は頭をうんうん縦に振りながら No(ノ) って言ったりしますので、ポーランド語を知らない人には、肯定しているのか、否定しているのかさっぱりですが、 No(ノ)が「うん、そう」という意味だと知って、やっと頭のもやもやが晴れるわけです。
No(ノ) は、このように肯定の意味の返事として使われるほか、一般にフレーズ同士を円滑につなぐ接続語のような役割があります。例えば英会話でしょっちゅう You know というフレーズを挟む人がいますが、それと同じで、ポーランド人では、会話の途中にものすごくしょっちゅう No(ノ) をはさむ人がいます。
また、あとに続く単語の強調の意味もあります。
No tak (ノ・タック) うん、そうそう
No nie (ノ・ニィエ) 違うよ~!!
No więc (ノ・ヴィエンツ) そういうわけでぇ~
No właśnie (ノ・ヴワシニィエ) だよねぇ
No to dobrze (ノ・ト・ドブジェ) それはよかった!
こんな風に使います。
このNo(ノ) は、ともするとポーランド語のお堅い教科書には載ってないのですが、知っておくと大変便利な言葉ですので、ぜひ練習して、ものにしましょう!
Noを上手に使うと、ポーランド人っぽいポーランド語に聞こえます。試してみてください。