平和な朝

2008年01月18日 22時28分56秒 | 旅するふっき~

1月17日。
午前5時に起きて、シャワーを浴びる。
真っ暗な空と、降り続ける雪。
長野の朝は、寒くて、静かで。

毎年この日だけは、朝早起きするようにしている。
…はずが、実はそれほど早起きできていない。
カーラジオをAMのNHKに合わせる。
時報が流れる。
5時40分。
国道の路肩には数台の車がとまった。
やっと意味を飲み込み、自分もまた、そこにとめる。

西の空に向かって、黙とう。

あの日の朝、震度4で目を覚ました。
2段ベッドの下段で、机から滑ってきた教科書で目が覚めた。
びっくりして茫然としていると、母に起こされる。
姉は起きない。

テレビに映った神戸の惨状より、もっと印象に残っていることがある。
それは、ラジオで聞いた、犠牲者の方々の名前。
何時間も、何度も、名前だけが読み上げられる。
震災直後のテレビやラジオは、まさに異様な雰囲気だったと思う。

いかに自分が長野で平和ボケした毎日を過ごしているか。
実家にいたころはまだ、東海地震に備えて何かしら用意はあった。
長野に来てからは、地震など起こるわけがない、と思った。
そこに中越沖地震が起きた。
ちょうどその日、実家に帰っていて、難を逃れた。

犠牲者を思う前に、自分は、被災者ではない身として、何かをすべきだと思う。
大それたことじゃなくて、自分の身を守るための何か。
生きること、それこそ、亡くなった方が望む生存者の在り方だと思う。

平和な朝が、また迎えられますように。

  ☆  ★  ☆

18日の朝は、群馬県で迎えました。
といっても、栃木県との境ぎりぎりの、太田市というところ。
早起きしたので、足利市をちょっと歩いてみました。
写真の足利学校…は日本最古の学校なんだそうだ。
今日は旅の途中で、いろんなものに出会った。
日本最初の女医さん、荻野吟子さん生誕の地、なる場所。
川俣事件衝突の地、なる場所。
埼玉県の名称発祥の地、なる場所。
群馬県と栃木県と埼玉県と茨城県…がほぼ接する場所。

文字通り平和な朝に、鳥のさえずりが似合いそうな田園風景。
ただそんな朝が迎えられることが、どれだけ幸せなのか、
そんなことに満足したこともない自分は、それでもまだ失うことを知らない人間なんだと思う。