ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

10月2日は国際非暴力の日

2007年10月03日 00時22分37秒 | 時事
10月2日(火)、カフェテリアでランチをとりながら、インド人社員から今年からこの日が「国際非暴力の日」になったということを知らされる。

10月2日は、マハトマ・ガンディーの誕生日で、インドでは祝日にあたる。インドには、どの都市にも必ずマハトマ・ガンディー・ロードという名前の道路があって、この日は学校の生徒達がガンジーの故事にならって行進をするのだという。ガンディーには批判的な彼も、今年インドがガンディーの誕生日にちなんで提唱し国連総会で満場一致で可決したというこの日に得意そうだ。

もともと国連では9月21日を「国際平和の日」としていて、紛争のある地域では同じ日の停戦を呼びかけてきた。新たに可決された「国際非暴力の日」にどんな国際的な取り組みがされているかと思い、ウェブで調べてみたがこれといったものはみつからない。アパートのジムでエルゴメーター(ランニングマシーン)の上を走りながらCNNを観ていたが、ブリトニー・スピアーズが子供の親権を取り上げられただの、ダイアナの死因をめぐる裁判が始まるだののニュースはあっても、国際非暴力の日に関する言及は一言もない。むしろ、反対にカブールで自爆テロがあったり、ミャンマーの外相が国連総会で軍によるデモの鎮圧を正当化したり、あいかわらずおよそ非暴力とは対極のニュースが多い。

具体的な義務を伴わない、理念としての平和主義、非暴力主義には面と向かって反対しにくい。だから、国連で「非暴力の日」がすんなり可決されてしまうのだろう。ただ、具体的な行動の段になると、さて何をしたらいいんだっけ、というのが最初の「非暴力の日」の現実のように見える。

それでも、こういう日はないよりたくさんあった方がいい。

福田首相の所信表明演説では、安倍前首相のそれにあった、憲法改正がいつの間にか消えた。国民が今それを望んでいないことを、福田首相は察したのだろう。戦争を放棄する平和主義憲法の下で核兵器をもたない日本こそ、国際社会に非暴力を訴える資格がある。

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