ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

30年目を迎えたガルフ・ニュース

2007年10月02日 01時04分25秒 | 時事
10月1日は日本では衣替え。また、福田首相の所信表明演説の録画を見ていて、首相はじめ多くの議員が赤い羽根をしているのに気づく。日本を離れて初めてああそういえばこの時期だったんだなと思い出す。当地では、衣替えもなければ、赤い羽根の共同募金にもお目にかからない。

9月30日のガルフ・ニュースは表紙はいつものカラー印刷と違って黒と青の2色刷りだ。これ衣替えではもちろんなく、1978年9月30日の創刊号の復刻版であることがわかる。つまり、9月30日はガルフニュースにとって30歳の誕生日ということ。

ガルフ・ニュースは、もともと、当時ドバイに増えつつあった駐在員が地元のニュースを知る手段として出発したものらしい。創刊号は全16ページで、週刊、印刷は英国でされたという。復刻版をみると、飲酒運転撲滅のためのブレス・アナライザー導入が1面トップだったりして興味深い。

現在では、UAEはもとより湾岸地域で最も読まれている英字新聞になっている。

湾岸地域の新聞が一般的に政府の広報誌と揶揄される中、王族批判こそないものの、サリク批判にみられるように、それなりの批判精神を保ちながら、経営されているという印象だ。人口の80%以上が外国人で参政権を持たないドバイにあって、住民の声を吸い上げて為政者に伝えるという重要な役目を担っている。

当地に赴任してから、一度だけ新聞の配達が大幅に遅れたことがあった。何か当局の琴線に触れる記事を載せてしまい、刷り直しを命じられたのではないかと勝手に推測している。

必ずしも民主主義によって統治されているとはいい難く、検閲がまかりとおるこの国にあって、どこまで言論の自由が保証されるかという問題はある。ガルフ・ニュースにはぎりぎりのところまで頑張ってほしいものだ。


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