外国人にとって最も生活費がかさむ都市はモスクワ=調査(ロイター) - goo ニュース
人事コンサルティング会社大手のマーサーが、毎年行っている世界主要都市の生計費のランキングを発表した。上位50都市の中で、日本からは東京の4位(昨年3位)、大阪の8位(昨年8位)がランクインしている。
湾岸諸国からは、UAEのドバイが34位(昨年25位)、アブダビが45位(昨年30位)で、2都市がランクイン。順位が大きく下がっているのは、通貨ディルハムがドルに固定しているためだろう。米国では、ニューヨークが10位から15位へ、ロサンゼルスが29位から42位に順位を下げた。これに対して、ドルに対する通貨の交換レートが高くなっているヨーロッパの都市は昨年の5位から2位に躍り出たロンドンをはじめ、軒並み順位を上げている。
ヨーロッパからドバイに来ている駐在員は、生活が楽になったと感じているだろう。私のように給与がドル建の駐在員にとっては、ほとんど変化がない。(NYを100とした場合、ドバイの生計費は87.8から88.8と1ポイント高くなっている)。かわいそうなのは、給与をドルでもらっているヨーロッパの駐在員だ。先日出張したフランクフルトなどは、61位から40位に大躍進しているから、気の毒だ。
マーサーのホームページをみていると、今年の4月に「生活の質」(Quality of Living)ランキングというのも発表していて、これがまた面白い。この調査の結果は、企業の駐在員のハードシップ手当の根拠となることを想定しているらしい。それによれば1位がスイスのチューリッヒ、2位ジュネーブ(スイス)、3位バンクーバー(カナダ)と続く。日本では、東京が35位、横浜38位、神戸40位、大阪42位と続く。生計費のランキングとは相関関係はないようで、1位と2位のチューリッヒとジュネーブは生活費ではそれぞれ9位と7位だが、3位のバンクーバーは生活費ランキングでは50位内に登場しない。また、23位のニュルンベルクまで順位が全く変動していないことからも、生計費が占めるウェイトが小さいことがうかがえる。
気がつくのは、中東をはじめとするイスラム圏の都市がひとつもランキング入りしていないことだ。これは、おそらくはマーサーの顧客である欧米企業の駐在員にとっての暮らしやすさを測ることを目的としているためだろう。ニューヨークを基準にしていることからもそれがわかる。言論の自由がない、酒が飲めない、または豚肉が食べられない、というだけで大きくスコアを落としてしまうのではあるまいか。あらためてみると、ランキングに登場するほとんどの国でキリスト教が支配的であることに気づく。アジアでは、シドニーの9位を先頭にオーストラリアの5都市、日本の4都市の他、シンガポールが34位に顔を出しているだけなのもうなづける。ムスリムの観点から「生活の質」調査をしたら、全く別のランキングになってしまうに違いない。
ロシアや中国の都市がひとつも登場しないのも、西側と文化や社会制度の違いが依然として大きいからだろう。
平和度ランキングもそうだったが、こういうランキングも、丸呑みはできないにせよ、批判的に読めば比較の眼を養うためには役に立つように思う。
人事コンサルティング会社大手のマーサーが、毎年行っている世界主要都市の生計費のランキングを発表した。上位50都市の中で、日本からは東京の4位(昨年3位)、大阪の8位(昨年8位)がランクインしている。
湾岸諸国からは、UAEのドバイが34位(昨年25位)、アブダビが45位(昨年30位)で、2都市がランクイン。順位が大きく下がっているのは、通貨ディルハムがドルに固定しているためだろう。米国では、ニューヨークが10位から15位へ、ロサンゼルスが29位から42位に順位を下げた。これに対して、ドルに対する通貨の交換レートが高くなっているヨーロッパの都市は昨年の5位から2位に躍り出たロンドンをはじめ、軒並み順位を上げている。
ヨーロッパからドバイに来ている駐在員は、生活が楽になったと感じているだろう。私のように給与がドル建の駐在員にとっては、ほとんど変化がない。(NYを100とした場合、ドバイの生計費は87.8から88.8と1ポイント高くなっている)。かわいそうなのは、給与をドルでもらっているヨーロッパの駐在員だ。先日出張したフランクフルトなどは、61位から40位に大躍進しているから、気の毒だ。
マーサーのホームページをみていると、今年の4月に「生活の質」(Quality of Living)ランキングというのも発表していて、これがまた面白い。この調査の結果は、企業の駐在員のハードシップ手当の根拠となることを想定しているらしい。それによれば1位がスイスのチューリッヒ、2位ジュネーブ(スイス)、3位バンクーバー(カナダ)と続く。日本では、東京が35位、横浜38位、神戸40位、大阪42位と続く。生計費のランキングとは相関関係はないようで、1位と2位のチューリッヒとジュネーブは生活費ではそれぞれ9位と7位だが、3位のバンクーバーは生活費ランキングでは50位内に登場しない。また、23位のニュルンベルクまで順位が全く変動していないことからも、生計費が占めるウェイトが小さいことがうかがえる。
気がつくのは、中東をはじめとするイスラム圏の都市がひとつもランキング入りしていないことだ。これは、おそらくはマーサーの顧客である欧米企業の駐在員にとっての暮らしやすさを測ることを目的としているためだろう。ニューヨークを基準にしていることからもそれがわかる。言論の自由がない、酒が飲めない、または豚肉が食べられない、というだけで大きくスコアを落としてしまうのではあるまいか。あらためてみると、ランキングに登場するほとんどの国でキリスト教が支配的であることに気づく。アジアでは、シドニーの9位を先頭にオーストラリアの5都市、日本の4都市の他、シンガポールが34位に顔を出しているだけなのもうなづける。ムスリムの観点から「生活の質」調査をしたら、全く別のランキングになってしまうに違いない。
ロシアや中国の都市がひとつも登場しないのも、西側と文化や社会制度の違いが依然として大きいからだろう。
平和度ランキングもそうだったが、こういうランキングも、丸呑みはできないにせよ、批判的に読めば比較の眼を養うためには役に立つように思う。