ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

海自によるインド洋上給油活動は国際的な支持を得たか

2007年09月21日 00時18分57秒 | 時事
国連安保理、海自参加の対テロ戦に謝意示す決議採択(朝日新聞) - goo ニュース

安倍首相が退陣を表明した時、その本当の理由が対テロ特措法の延長問題だと思った人は少なかったに違いない。私もそうは思わなかった。ただ、表面的には安倍首相が特措法の延長に「職を賭する」と言った直後の辞任だったため、この法律によって海上自衛隊が行っているインド洋上の給油活動というものが、国際的にどの程度評価されているものか気になった。

今回の国連安保理の決議は、その私の疑問にある意味で答えている。決議前文は、名指しこそしていないけれど明らかに日本の洋上給油活動に謝意を表しており、安保理15ケ国の内棄権したロシアを除く14ケ国より支持されたとみてよいだろう。日本の外務省が動いたとか、米国のさしがねだとか、決議の背景に何があったかは、この際どうでもよいように思える。より重要なのは、自衛隊の海外への派兵が、国連安保理の場で肯定的に認知されたことだろう。

民主党は、今回の決議を特措法の延長問題に影響を与えないという立場のようだが、延長反対の最大の論拠として、海自の活動に国連の決議がないことを挙げていた。事後的であれ今回の決議で反対の論拠を失ったように見える。形勢逆転の感は否めない。

もし自民党が参院選で大敗していなかったら、また、もし安倍首相の突如の辞任表明が政局の混乱を招いて、米国が危機感を抱いていなければ、今回の安保理決議があっただろうか。安倍首相は、自ら辞任することにより、小泉政権ですらなしえなかった自衛隊の海外派兵の国際承認を勝ち得たことになる。

特措法が延長されれば、安倍首相が文字通り「職を賭」して実現したと言ってもいいだろう。なんという皮肉だろうか。


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