ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

イランはなぜ核保有を許されないか

2007年09月26日 01時25分45秒 | 時事
イラン大統領がコロンビア大学で講演=厳しい非難も(時事通信) - goo ニュース

25日はいろんなニュースがあった。24日のクリケットのワールドカップの決勝でインドがパキスタンを破って、ドバイ中のインド人が機嫌がいい話や、福田内閣の首相指名や組閣についてコメントしようかとも思った。だが、中で一番書く意欲を掻き立てられたのは、上の記事。

とりわけ興味を引いたのは、「西側諸国だけがなぜ核をもつことが許されるのか」というアハマディネジャド・イラン大統領の問いだ。これは、私の日頃の問題意識と重なるところがある。

北朝鮮の核開発をめぐる6ケ国協議などもそうだが、米国など核兵器を持っている国が現時点で持っていない国に対して、核を持つべきでないと言うロジックにはいつも違和感を覚える。長女がまだ小学生だった頃、「アメリカは核兵器をもっているのに、北朝鮮はなぜ持ってはいけないの」と聞かれて答につまったことがある。「北朝鮮は独裁者によって支配されていて、何をしでかすかわからない危険な国だが、米国は民主主義の国で、核兵器は決して使うことがないからだよ」と答えることができなかった。なぜなら、「では、なぜアメリカは広島と長崎に原爆を落としたの」という次の質問が待っていることがわかっていたから。「当時の日本は独裁者に支配され、アメリカに原爆を落とされても仕方がない国だったんだよ」という小学生にもすぐ見破られる嘘はつけない。

アハマディネジャド大統領の、核の平和利用というお題目を信じるわけではない。だが、インドやパキスタン、それに比較的最近ではフランスが国際的な世論の反対を押し切って核実験を行ったことが記憶に残っている。彼らに許されたことが、なぜイランに許されないのか。イランは、北朝鮮と同じく専制君主によって支配されたならずものの国家だからだろうか。

早坂隆著「世界のイスラムジョーク集」(中公文庫、税別629円)の中の小話(238P)を以下に紹介する:

◎攻撃の理由

ジョージ・W・ブッシュがインタビューを受けていた。
記者「どうしてイラクを攻撃したのですか?」
ブッシュ「それはイラクのトップが何をするかわからない危険な独裁者で、しかも大量破壊兵器を保有しているかもしれないからだ」
記者「なるほど。それでは、どうして北朝鮮には攻撃をしないのですか?」
ブッシュ「それは北朝鮮のトップが何をするかわからない危険な独裁者で、しかも大量破壊兵器を保有しているかもしれないからだ」


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