ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

「悪魔の詩」作者爵位授与、その後

2007年06月25日 00時11分12秒 | 時事
ラシュディ氏の「首」に100万ドル…パキスタンのモスク(読売新聞) - goo ニュース

大方の予想どおり、「悪魔の詩」の作者ラシュディ氏への爵位授与の余波が拡がっている。インドに次いでUAEへの出稼ぎ労働者が多いパキスタンでその動きが顕著だ。

22日付ガルフニュースのパキスタンのページでは、パキスタンの首都イスラマバード、アブパラマーケットで、200人の貿易業者が抗議集会をし、ラシュディ氏の首を切り落とした者に日本円にして約2千万円の報奨金を払うと宣言した、という記事が載っている。100万ドルと比べると額は小さいが、このような懸賞金は他にもあちこちで出されているのかもしれない。

同じ記事によれば、パキスタン・ウルマー協議会(the Pakistani Ulma Council)という、2000人の法学者からなる団体が、オサマ・ビン・ラディンに「サイファラ」(Saifullah、神の剣の意)というイスラム教の戦士に与えられる最高の称号を与えたとのこと。ラシュディ氏への爵位授与とオサマ・ビン・ラディンへの称号授与がどうつながるのか理解に苦しむ。

パキスタンの宗教大臣(religious affairs minister)が、ラシュディ氏への爵位授与は自爆テロをも正当化するものと発言し(後に撤回したそうだが)、これに対してベナジール・ブット元首相が大臣は辞任すべきと発言したという。また、ムシャラフ大統領の辞任要求デモの中で、「英国に死を、ラシュディに死を」と叫ばれたりしているとのことだ。

折りしもムハンマド首長が競馬大会ロイヤル・アスコットのレース場でエリザベス女王に拝謁している写真が、同じ日(22日)のガルフ・ニュースに載っている。スーツ姿のムハンマド首長をみるのは極めて珍しいが、ムハンマド首長の妻のハヤ王女の晴れやかな笑顔とは対照的に、エリザベス女王は視線をそらし、いかにもきまり悪そうにみえる。ラシュディ氏の一件でムスリムにはもうこりごり、ともし女王が思っていたとしたら、ムハンマド首長もとんだとばっちりを受けたものだ。


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