ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

インドの航空会社 ジェット・エアウェイズ

2007年05月14日 23時43分37秒 | 旅する
今回のインド出張では、いくつか私のインド人観に修正を迫ることがあった。なにしろ、私のインド人観の大部分は10数年前にデリーに何回か出張してインド人と交渉した経験と、ドバイでのタクシー運転手を中心とするインド人達とのやりとりから形成されているから、ステレオタイプに陥っていたとしても不思議はない。

第一にインド人が間違っても謝らないのは何故か、今回の出張に同行してくれたグループ会社のインド人に率直に聞いてみた。彼曰く、高等教育を受けていないインド人は、生存競争のため緊張を強いられておりそうする余裕がないのだと言う。これに対して、外国で教育を受けたようなインド人は決してそうではない。現に、私のロースクール時代の友人などは、私がお土産をもってきたのは、申し訳ないと言い、私がランチをごちそうになるためエレファンタ島への船を逃したのは、自分のせいだと言う。同行してくれたインド人(オーストラリアで教育を受けている)もしかり。どれだけ謝るかが、インド人の教育レベルのバロメーターになっている気がする。

二つ目は、ホスピタリティだ。ドバイにいると、ホテルなどのフロントにいるのは多くはフィリピン人で愛想がいいことこの上ない。また、お客が不快に感じているとみれば全然自分のせいでないのによく謝る。これに比べると、インド人は笑顔が少ないしぶっきらぼうな印象を受ける。そのせいか、経理などバックヤードの仕事が多いように感じる。人種的にホスピタリティ産業に最も不向きな人種ではないかと思っていた。

それが、ムンバイからデリーに移動するためジェット・エアウェイズという飛行機に乗って、サービスがよいのに驚いた。同行してくれたインド人いわく、この航空会社は営業を開始してから10年程度になるが、もっとも成功している会社だそうで、CAも若くて美人だと言う。どうせインド人のことだと思い、たかをくくっていたら、これが大間違い。

まず、食事(2時間程度のフライトなのにちゃんとサーブされる。上の写真の他に、31のチョコアイスクリームもついた。)も、どうせ冷たくて不味いに違いないと思っていたら、暖かいしこれが結構いける。オクラ入りカレーとブリヤーニも私のような辛党にはちょうどよかった。

CAの愛想がいいのにも驚いた。小池栄子をスリムにした感じのCA(下の写真)は、おそらくインド東部の出身だろう、笑顔が実に愛くるしい。彼女は、私が見惚れているのに気づいたのか、食膳を下げる時と飛行機を降りる時の2回、「サンキュー・ミスター○○○」と私の名前を呼んでくれた。エミレーツでは決してなかったことだ。

そんなわけで、いっぺんですっかりこの航空会社が気に入ってしまった。サービスについては、エミレーツも見習った方がよいと思うのと同時に、インド人を少し見直した。




最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
南北格差 (azianokaze)
2007-05-15 10:09:55
インドを旅行した者が皆言うことですが、同じインドでも南部はデリーなど北部と異なり随分フレンドリーです。
私もチェンナイから南端カニャークマリをまわって北上した際は、とても穏やかな印象を受けましたが、ムンバイまで来ると両替詐欺等散々でした。
南北だけでなく、大都市と田舎という差もあるのかも。
返信する
Re: 南北格差 (duke_h)
2007-06-03 01:41:34
案内してくれたインド人に聞きました。インド人の気質の地域差を一般化するのは難しいとのことです。また、ムンバイが北かというと西といった方がいいですし、インド各地から人が集まっていますので、むしろ都会と田舎の違いと思った方がよさそうです。

とは言え、習慣の違いというのはあるようで、例えば「問題ない」と言う時に首をくねくねと左右に振るのは南部の人がよくするそうです。

また、北東部には中国人や日本人によく似た人々が住んでいるそうです。日本人によく似たデリー空港の女性職員に、あなたは東の人か、と聞いたらビンゴでした。
返信する