ヒマラヤ東部のネパール右隣の国、ブータン。人口200万人足らずの国だが、いま静かな注目を集めている。めざす国の目標は、心の豊かさGNP世界一。国王が偉い。30年ほど前、前国王の父が急逝し王位を継承した後、急峻な国土を徒歩で全国行脚し、その貧しい国情をつぶさに見て、国民に奉仕することを固く誓ったという。世界銀行の首脳とも、寒い板の間で白い息を吐きながら、会見する。どうして暖房をしないのかと聞けば、国民のことを思えばそんなことは出来ないと答える。食事は質素で服装も農民と同じものだ。ある写真がまだ目に焼きついて離れない。石段の上に座る国王に、子供が見下ろして意見をいっているのを、国王はまるで神を見るように真剣に聞いている姿だ。世界銀行、アジア開発銀行他各国の研究視察は引きも切らないという。
心の豊かさGNP-これから世界が目指すべき姿だと思う。
心の豊かさGNP-これから世界が目指すべき姿だと思う。