2024年6月 京都童心の会 通信句会結果
空海さんを読む
金澤輝
5月に奈良国立博物館で空海展。空海さんと対話したくて、自筆の書とにらめっこ。
特に草書は手強いですね。なかなか読めません。(リズム感があって美しいのですが)
「金剛般若経開題残巻」がまさしくそれ。書き込みもあって、書きながら問いかけ、推敲している感じが出ています。
「人を苦しめるのは嫉妬。嫉妬は自分と他の違いを比べることから生まれる。」そんなことを書いてあります。人の悩み、今も昔も変わらない。
また、最澄さんが空海さんに出した手紙もあります。「お経を貸してほしい」という内容。後にこのことがこじれて、二人は喧嘩になるのです。
「文字を読むだけではダメ。自分で体感しないと」という空海さん。本を読むのが大事と考えていた最澄さんと合わなくなったようです。
生きるスタイルが違うので別れた。これも現代でもありそうな話。
風薫るお経に嫉妬のおさめかた 輝
皆さんの選です。
選者 真・・野谷真治 白・・白松いちろう
修・・遠藤修司 辰・・蔭山辰子
ひ・・金澤ひろあき 須・・三村須美子
さ・・岡畠さな子 加・・野原加代子
真理・・岡畠真理子
芳・・松村芳子 す・・塩見すず子
○塩見すず子
1 緑の陰 マスクはずせばきれいな汗 照 真理
2 エプロンのカラーの白さ深まる夏 加 修
3 無口なサイフ並べ 緑の手づくり市 ひ 真
4 エプロンで手を拭く母の小さな癖 (特 辰)照 加 ひ 須 修
5 母のぬくもり 好きな黄色のカーネーション 辰
○松村芳子
6 うす緑草餅送る文添えて (特 真理)須 す
7 近道は山椒のみどり敵のごと ひ 須
8 緑陰や悲しき事は傘の中 照 加 ひ 真 す
9 緑立つ 力抜ければ飛ぶボール 真理
10 母の日や白カーネーション詫びの色 ひ 真 辰
11 母の日にさくらんぼ着き子の個性 す
12 紫の法衣に休みし黄金虫 照 真 す
13 カーネーション又一鉢着き笑い合う 須 辰 修
14 母の日や今なら出来る親孝行 照 加 辰
15 ばらの刺みどりの先はとんがり帽 修
○野谷真治
16 孤独ではない菜の花の天ぷら す
17 夏隣食べたくなる雲ひとつ 辰 真理
18 漆黒の紅テント羽撃く唐十郎 ひ
19 いつもふくよか紙風船の空 す
20 水たまり えっ?あっ?ああ自死考 (特 ひ)
○金澤ひろあき
21 猫にらむ 嵐のように来る値上げ (特 す)辰
22 オーロラがあなたの訃報受けた日に 真 す 修
23 衣更 髪型変えて冷やかされる 照 加 須
24 青む視野 山で死す友本望と 照
25 餓死のある地球で売れているダイエット本 (特 照)真 須
26 カーネーション タンゴのステップ激しかり
27 戦死より餓死が多い日本の戦 照 修
28 みどり児へ燕がくるり風を切る 須 す 辰
29 母の日の父の居場所はいつも隅 す 修
30 新緑の匂い一堂若返る 照 加
31 新しい出会い新緑かき分ける
32 母の日やこれから気ままに生きたいと (特 須)
33 ヤキソバのキャベツのみどり甘さ増す 真 真理
○遠藤修司
34 この先も心の居場所求め旅 照 加 ひ 真理
35 入院し友の励ましスマホで聞き取る
36 朝の口づけ 夫、無事のオマジナイ 照 ひ 真
37 田植え前 青サギ飛来何故か良いねえー 須
38 通院日クスリ手帳が私の御とも 照
○蔭山辰子
39 雨の季もかまわず飛んで鳴くカラス
40 子が生まれ餌やる仕事5、6倍 修
41 緑増す草むらに蚊トンボの群 照 須
42 なにさわぐベランダに並ぶ雀一家 加
43 マスクの中飴玉しゃぶり「こんぬつわ」 (特 真)真理 修
44 こたつ上げ毛布片付け朝寒く 加 真理
45 夕食のおかずに旬の初かつを 真
46 洗濯もの風呂場に干してアイロンし
47 年老いてノーヒット ノーラン負けたくない (特 ひ)須 す
〇野原加代子
48 紫陽花や雨のしずくが似合いして 真理
49 菖蒲巻き孫の成長願いして
50 食卓や新玉ねぎの香りして 真 辰 真理 修
51 歌いたしマリーゴールドあいみょんや
52 母の日や帽子かぶりし背丸め ひ 修
53 風薫る地蔵手合わせ微笑みし す 真理
54 風薫るバス走り抜け若葉追い す 辰
55 時鳥心地良く鳴きほっこりと 修
56 夏日和姉に合いして亡母似し ひ 須
〇三村須美子
57 青嵐や波打つ白との青重ね 真理
58 深緑や靴ひも直す登山口 照 加 真 辰 真理
59 ハイキング熟年グループ皐月晴れ 辰 修
60 障子戸の白々明ける湿り庭
61 女性デーとか玄関にアカシヤの束
62 再会や高台に揺れるスモークツリー ひ
63 梅雨寒や片耳無音に気づかさる ひ 真
64 庭の梅お尻眺めて採取待つ
65 新玉ねぎアプリで探す旨料理 照 加 辰 真理
66 午前午後長袖半袖の替えスイッチ ひ 辰
67 ドクダミの根断ち切れず残りけり 加 真 す 修
68 アマリリス笑みて包むや鬱の種 修
○ 佐久間照三
69 若葉影介護の要らぬ終活を (特 修)加 ひ 真 須
70 遠足の園児駆け回る五月晴れ
71 雀の枕と子供の頃聞いたと連れの手の小判草 (特 ひ)
72 野次馬も舞台の上が眩しいな
73 一夜の夢自壊して復讐される 加
74 地を包む雲を蹴散らし宇宙へと
75 田植えに園児挑戦泥だらけ 加 須 辰 真理
76 女神像打ち上げ花火祈りの手
77 草陰で燕気になる紋白蝶 (特 加)真 須 辰
78 夢から覚めてもう一息だったのに ひ す
※写真は奈良興福寺、南円堂。
空海さんを読む
金澤輝
5月に奈良国立博物館で空海展。空海さんと対話したくて、自筆の書とにらめっこ。
特に草書は手強いですね。なかなか読めません。(リズム感があって美しいのですが)
「金剛般若経開題残巻」がまさしくそれ。書き込みもあって、書きながら問いかけ、推敲している感じが出ています。
「人を苦しめるのは嫉妬。嫉妬は自分と他の違いを比べることから生まれる。」そんなことを書いてあります。人の悩み、今も昔も変わらない。
また、最澄さんが空海さんに出した手紙もあります。「お経を貸してほしい」という内容。後にこのことがこじれて、二人は喧嘩になるのです。
「文字を読むだけではダメ。自分で体感しないと」という空海さん。本を読むのが大事と考えていた最澄さんと合わなくなったようです。
生きるスタイルが違うので別れた。これも現代でもありそうな話。
風薫るお経に嫉妬のおさめかた 輝
皆さんの選です。
選者 真・・野谷真治 白・・白松いちろう
修・・遠藤修司 辰・・蔭山辰子
ひ・・金澤ひろあき 須・・三村須美子
さ・・岡畠さな子 加・・野原加代子
真理・・岡畠真理子
芳・・松村芳子 す・・塩見すず子
○塩見すず子
1 緑の陰 マスクはずせばきれいな汗 照 真理
2 エプロンのカラーの白さ深まる夏 加 修
3 無口なサイフ並べ 緑の手づくり市 ひ 真
4 エプロンで手を拭く母の小さな癖 (特 辰)照 加 ひ 須 修
5 母のぬくもり 好きな黄色のカーネーション 辰
○松村芳子
6 うす緑草餅送る文添えて (特 真理)須 す
7 近道は山椒のみどり敵のごと ひ 須
8 緑陰や悲しき事は傘の中 照 加 ひ 真 す
9 緑立つ 力抜ければ飛ぶボール 真理
10 母の日や白カーネーション詫びの色 ひ 真 辰
11 母の日にさくらんぼ着き子の個性 す
12 紫の法衣に休みし黄金虫 照 真 す
13 カーネーション又一鉢着き笑い合う 須 辰 修
14 母の日や今なら出来る親孝行 照 加 辰
15 ばらの刺みどりの先はとんがり帽 修
○野谷真治
16 孤独ではない菜の花の天ぷら す
17 夏隣食べたくなる雲ひとつ 辰 真理
18 漆黒の紅テント羽撃く唐十郎 ひ
19 いつもふくよか紙風船の空 す
20 水たまり えっ?あっ?ああ自死考 (特 ひ)
○金澤ひろあき
21 猫にらむ 嵐のように来る値上げ (特 す)辰
22 オーロラがあなたの訃報受けた日に 真 す 修
23 衣更 髪型変えて冷やかされる 照 加 須
24 青む視野 山で死す友本望と 照
25 餓死のある地球で売れているダイエット本 (特 照)真 須
26 カーネーション タンゴのステップ激しかり
27 戦死より餓死が多い日本の戦 照 修
28 みどり児へ燕がくるり風を切る 須 す 辰
29 母の日の父の居場所はいつも隅 す 修
30 新緑の匂い一堂若返る 照 加
31 新しい出会い新緑かき分ける
32 母の日やこれから気ままに生きたいと (特 須)
33 ヤキソバのキャベツのみどり甘さ増す 真 真理
○遠藤修司
34 この先も心の居場所求め旅 照 加 ひ 真理
35 入院し友の励ましスマホで聞き取る
36 朝の口づけ 夫、無事のオマジナイ 照 ひ 真
37 田植え前 青サギ飛来何故か良いねえー 須
38 通院日クスリ手帳が私の御とも 照
○蔭山辰子
39 雨の季もかまわず飛んで鳴くカラス
40 子が生まれ餌やる仕事5、6倍 修
41 緑増す草むらに蚊トンボの群 照 須
42 なにさわぐベランダに並ぶ雀一家 加
43 マスクの中飴玉しゃぶり「こんぬつわ」 (特 真)真理 修
44 こたつ上げ毛布片付け朝寒く 加 真理
45 夕食のおかずに旬の初かつを 真
46 洗濯もの風呂場に干してアイロンし
47 年老いてノーヒット ノーラン負けたくない (特 ひ)須 す
〇野原加代子
48 紫陽花や雨のしずくが似合いして 真理
49 菖蒲巻き孫の成長願いして
50 食卓や新玉ねぎの香りして 真 辰 真理 修
51 歌いたしマリーゴールドあいみょんや
52 母の日や帽子かぶりし背丸め ひ 修
53 風薫る地蔵手合わせ微笑みし す 真理
54 風薫るバス走り抜け若葉追い す 辰
55 時鳥心地良く鳴きほっこりと 修
56 夏日和姉に合いして亡母似し ひ 須
〇三村須美子
57 青嵐や波打つ白との青重ね 真理
58 深緑や靴ひも直す登山口 照 加 真 辰 真理
59 ハイキング熟年グループ皐月晴れ 辰 修
60 障子戸の白々明ける湿り庭
61 女性デーとか玄関にアカシヤの束
62 再会や高台に揺れるスモークツリー ひ
63 梅雨寒や片耳無音に気づかさる ひ 真
64 庭の梅お尻眺めて採取待つ
65 新玉ねぎアプリで探す旨料理 照 加 辰 真理
66 午前午後長袖半袖の替えスイッチ ひ 辰
67 ドクダミの根断ち切れず残りけり 加 真 す 修
68 アマリリス笑みて包むや鬱の種 修
○ 佐久間照三
69 若葉影介護の要らぬ終活を (特 修)加 ひ 真 須
70 遠足の園児駆け回る五月晴れ
71 雀の枕と子供の頃聞いたと連れの手の小判草 (特 ひ)
72 野次馬も舞台の上が眩しいな
73 一夜の夢自壊して復讐される 加
74 地を包む雲を蹴散らし宇宙へと
75 田植えに園児挑戦泥だらけ 加 須 辰 真理
76 女神像打ち上げ花火祈りの手
77 草陰で燕気になる紋白蝶 (特 加)真 須 辰
78 夢から覚めてもう一息だったのに ひ す
※写真は奈良興福寺、南円堂。
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